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飯塚事件・第2次再審請求 「本件再審請求を棄却する」福岡地裁の決定理由(骨子全文)

RKB毎日放送 / 2024年6月5日 11時35分

弁護団は、10日に抗告へ

32年前、福岡県飯塚市で女の子2人が殺害された「飯塚事件」をめぐり、元死刑囚の遺族が裁判のやり直しを求めていた2度目の再審請求で、福岡地裁は5日、請求を退ける決定を出しました。

弁護団は、10日に抗告するとしています。

32年前女児が2人殺害「飯塚事件」 元死刑囚は2008年に死刑執行

飯塚事件は1992年、福岡県飯塚市で登校中の小学1年の女の子2人が行方不明になり、翌日約20キロ離れた山中で遺体で見つかったものです。

殺人などの罪で有罪が確定した久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚は、2008年に死刑が執行されました。

無実を訴える元死刑囚の遺族と弁護団は、裁判のやり直しを求めて2度目の再審請求を行っていましたが、福岡地裁は5日、請求を退ける決定を出しました。

【決定骨子全文】新証拠として提出の2人の証言 福岡地裁「信用できない」

飯塚事件 再審請求 決定骨子

主文
本件再審請求を棄却する

理由の骨子
1 本件は、女児2人に対する略取誘拐、殺人、死体遺棄の罪により事件本人を死刑に処する旨の確定判決に対し、その妻が2度目の再審請求をした事案である。当審において、A及びBの証人尋問が実施され、弁護人は、主にこれら2名の証言が再審を開始すべき新証拠に該当すると主張するから、以下、その信用性を中心に検討する。

2 A証言について
確定判決は、Aの検察官調書等に基づいて、事件当日、被害者両名を最後に目撃したのはAであると認定し、犯行現場を特定している。
これに対し、Aは、当審において、被害者両名を目撃したのは事件当日では無かったのに、捜査機関に無理矢理記憶と異なる調書を作成されてしまったと述べ、各調書の内容は、目撃日時、場所、内容いずれについても自らの記憶に反する部分があると証言する。
しかし、Aの警察官調書が作成されたのは、事件発生から約10日後のことであり、客観的証拠や他の目撃者の存否を含め未だ捜査が流動的な状況にあったにもかかわらず、目撃日時、場所から内容に至るまで、捜査機関が無理にAの記憶に反する調書を作成する動機、必要性は見出せない。
また、Aの各調書は、具体性に富む一方で、他の証拠と整合しない点や、作成時期に応じて記憶の減退が反映されたと見受けられる点も含まれており、捜査機関がAの供述内容を歪めて作成したとは考えにくい内容にもなっている。
これらを踏まえると、捜査機関が、無理やりAの記憶とは異なる調書を作成したとは考えられない。
さらに、Aは、目撃日時、場所という核心部分について、弁護人作成の供述録取書からでさえ、合理的な理由なく、供述を変遷させている。
以上によれば、当審におけるA証言は信用できない。

3 B証言について
Bは、当審において、事件当日、女の子2名が乗った不審車両を目撃し、しかもその女の子2名は間違いなく被害者両名と同じ小学校1年生で、顔も被害者両名と似ていたと証言する。
しかし、Bは、目撃した女の子2名と被害者両名のどこが似ていたのかという質問に対しても、全体の雰囲気が似ていたと繰り返すばかりで、似ていたと判断した具体的根拠を全く示すことができていない。
また、Bは、目撃した女の子らにつき、服装などの目につきやすい特徴については記憶がないと述べ、ランドセルの色については記憶違いもしている一方、本件から26年経った今でも、車で追い越しざまに目撃した面識のない女の子2名の顔をはっきり覚えているという供述内容自体、不自然な感が否めない。
さらに、Bは、目撃時刻についても、弁護士作成の2通の供述録取書と証人尋問を通じて変遷を重ねており、年月の経過に伴い、記憶が曖昧になっていることを自認するに至っている。
加えて、Bの目撃内容自体、被害者両名の死亡時刻と抵触する上、関係各所の位置関係に照らすと、犯人の行動としても不自然である。以上によれば、B証言は信用できない。

4 以上のほか、当審において弁護人が提出した証拠は、いずれも無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠とは認められない。

よって、本件再審請求は理由がない。

福岡地方裁判所

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