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“詳細は話さない”議員は足早に立ち去った 税金で海外視察「見直す」と宣言も会議は非公開で取材にも応じず 深まる疑念

RKB毎日放送 / 2024年6月7日 20時28分

費用も内容も分からない、まさにブラックボックスとなっている福岡県議会の海外視察問題。そのあり方を見直すため、ようやく県議会がプロジェクトチームを作り、検討を進めている。しかし、7日に開かれた2回目の会合は非公開だった。

会合が終わった後に出てきたのはA4用紙1枚に書かれた12行の文字。

取材にも応じなかった。

透明性を高めるために本気で改革するつもりはあるのか。疑念が深まっている。

3年間で約2億8500万円

福岡県議会の海外視察は昨年度、その費用と派遣された議員数が過去最多だった。また、コロナ禍で視察を行わなかった2年間を除いた2019年度から昨年度までの実質3年間では計23回の海外視察を行い、その費用は約2億8500万円にのぼった。

費用の上限も報告の義務もなし

そもそも福岡県議会では海外視察について報告書の作成義務がなく、詳細はホームページでも公開されていないうえ、費用の上限もない。

さらに今年4月には県議16人と職員5人の計21人が南アフリカなどを視察しているが、この際当初の予定になかったドバイを2泊3日の日程で訪問。約2500万円が公費で負担されたが(議員5人と職員5人分。1人当たり約250万円)、その費用や視察の必要性などについて疑問の目が向けられたたため、今回、海外視察のルールを見直すことになった。

議員10人で構成するプロジェクトチーム

海外視察のあり方を検討するために設置された福岡県議会のプロジェクトチームは、議員10人で構成されている。

4日の初会合では、報道陣に議論の様子が公開され、海外視察の公表の方法や費用の上限などについて意見が交わされた。

2回目は「非公開」 なぜ?

どのような見直しが行われるのか注目されるプロジェクトチームだが、今回、7日に2回目の会議を開くことを知らせる通知文にあったのは「非公開」の文字。

プロジェクトチームの設置要領では「会議はできる限り公開するものとする」としているにも関わらず、なぜ非公開にするのか驚いた。

調整をしている県議会事務局に問い合わせると、「報道陣がいると自由闊達な議論ができなくなるから」だという。

「1回目の会合は公開されていたし、そもそも海外視察の透明性を高めるために議論しているのになぜ非公開なのか?」

しかし、この質問に対する明確な回答はなく、事務局は「会合が終わったあとには会議で話し合われた内容については取材に応じる」と説明するにとどまった。

「会合が終わったら取材に応じる」はずが・・・

そして7日午後3時すぎから非公開の会議が始まり、約50分で終了。部屋から出てきた座長の野原隆士県議に報道陣が会議の内容について質問したが、「後でコメントを出す」と言い残し、記者たちの前から足早に立ち去っていた。

足早に立ち去った県議

事前に聞いていたものと全く違う対応に私は唖然としたが、私だけでなく周りにいた記者たちも同じような様子だった。

そこで部屋の中で会議の内容を聞いていた議会事務局の職員に話を聞くも「後ほど座長名でコメントを出すのでそれ以外は何も話せない」と取材に応じなかった。

出された12行のコメント

結局、30分以上が過ぎて座長のコメントが議会事務局の職員から手渡されたが、そこにあったのは「今後、海外視察の日程や主な活動予定、活動の結果を議会ホームページで公表することに異論は出なかった」というものだけで、他の議論については一切記載されていなかった。

事務局「座長から話さないように言われている」

記者たちからは「他にどういったテーマについて話し合ったのか」「具体的にどういう意見が出たのか」質問が相次いだが、職員は「座長から詳細は話さないように言われている」と繰り返し説明するばかり。結局、詳細については最後まで聞くことはできなかった。

次回以降も非公開

次回以降もプロジェクトチームの会議は非公開で行う方針だという。

6月中に改革案をまとめるということだが、「どういった議論を経て、その結論に至ったのか」県民が納得する改革案にするためにも議論のプロセスから公開すべきである。

RKB毎日放送 記者 野島裕輝

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