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「土手を月見草でいっぱいにしよう」亡き親友との約束果たし 月見草が見ごろ

RKB毎日放送 / 2024年6月13日 15時30分

「川沿いの土手を月見草でいっぱいにしよう」親友との約束を果たし、1年をかけて手入れを続ける男性がいます。

夜に咲く「月見草」が今年も見ごろを迎えました。

日没後に咲く月見草

福岡県八女市を流れる矢部川。

日が暮れ始めた頃、近所の人たちが河原に集まってきました。

「あー開きよう。開きだした。もうどんどんじゃん」

次々と咲き始めた黄色の花。月見草です。

日没後に咲き、朝になるとしぼむ一日花(いちにちばな)で5月下旬から7月にかけて見頃を迎えます。

開く瞬間が見られるのも魅力のひとつ。

育てるのは漁師の男性

この月見草は、近くに住む漁師の片小田正行さんが雑草を刈り種をまいて育てています。

片小田正行さん
「今は咲きはじめ。2~3週間したらもっときれいになる」

友人との約束

元々は今から12年前片小田さんが、友人の藤吉政範さんの家の前で咲いていた月見草を見たのが始まりでした。

藤吉さんは河原の所々に咲いていた月見草の種を集めて植えていたそうです。

藤吉政範さんの妻・藤吉博恵さん
「それこそ一番最初は夫がここの土手で草を刈っている時に、通りかかった人が、『ここに月見草が昔はいっぱいあったけど、草と一緒に刈るのでなくなる』と言われて」

片小田正行さん
「藤吉さんが、月見草を刈らずにとっておいた。『これを増やそうか、堤防いっぱい植えよう』って言って俺が仕掛けたの」

「河原を月見草でいっぱいにして憩いの場所にする」それが藤吉さんとの約束でした。

友人は12年前に他界

しかし、12年前藤吉さんはがんを患い、志半ばでこの世を去りました。

藤吉政範さんの妻・藤吉博恵さん
「月見草って言い出して、そんなに長くなかったですもんね」

種をまく秋

藤吉さんの思いを受け継いだ片小田さん。

秋になると枯れた月見草の種を取り、河原に撒きます。

大切なのは雑草を刈ること

月見草を育てるうえで大事なのが周りの雑草を刈ることです。

繁殖力が弱いため雑草を刈らないとすぐに枯れてしまいます。

ただ、月見草の苗を避けながらの草刈りは一苦労です。

片小田正行さん
「月見草の苗、これなんか草に見えるでしょう。間違えて刈ってしまう」

RKB丸本知也カメラマン
Q雑草に負けない様に世話をしないと残らない?

片小田正行さん
「残らん残らん。ほっておいたらなくなる」

親友の娘も一緒に

一人で頑張ってきた片小田さんの力になろうと手伝い始めたのが亡くなった藤吉さんの娘・香奈さんです。

香奈さんは父親の仕事を引き継ぎ造園業を営んでいます。

藤吉政範さんの娘・藤吉香奈さん
「今は片小田さんが一生懸命残してくださるので、ずっと守ってきたものがあったから自分も刈らないといけなと思って、たまに刈っています。土手を」

花の数も増えた今年の月見草

「あっほら今」「花びらが動いているのが見られる。この花は」

藤吉さんとの約束を果たし今年もきれいな花を咲かせた月見草。花の数も増えてきました。

藤吉政範さんの妻・藤吉博恵さん
「片小田さんと肩組んで喜んでいると思います。」

藤吉政範さんの娘・藤吉香奈さん
「父は『もう片小田さんについていけよと、間違いないから』って言ってますね。はい」

片小田正行さん
「父ちゃんが見ているよ、上から。『見てるかー』って。『お酒持ってこーい』って。待っとけよー」

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