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”18歳の自分を超えた” 33歳・鈴木聡美 日本競泳史上最年長で五輪代表

RKB毎日放送 / 2024年6月21日 18時31分

日本の競泳史上最年長となる33歳でオリンピックの代表入りを決めた、鈴木聡美(すずき・さとみ)選手。一時は競技の継続を悩むほどの苦難の時を超え、2大会ぶりのオリンピックの舞台で、進化した泳ぎを見せる。

100メートルでは自己記録更新もパリオリンピック代表選考会は2種目で優勝し五輪切符

鈴木は、今年3月に行われたパリオリンピックの代表選考会で、まずは、100メートル平泳ぎで日本記録保持者の青木玲緒樹(あおき・れおな)選手との熾烈なデッドヒートを制した。タイムは自己ベストを更新する記録。さらに、200メートルでも優勝を果たし、2種目でのパリオリンピック代表を決めた。

33歳でのオリンピック出場は、日本の競泳史上最年長の快挙だ。鈴木は、「タッチして自己記録だったことに一番の喜びを感じた。まさか私が一番になると思っていなかった」と当時を振り返る。

早朝6時半から猛練習1日に泳ぐ距離は”1万メートル”

鈴木の躍進を支えた要因の1つが豊富な練習量だ。山梨学院大学でトレーニングを行う鈴木は、早朝6時半から大学生に交じって練習。午前中だけでも平均して5000メートルほどを泳ぐと、昼間はジムでのトレーニング。午後からはまた大学のプールに戻って泳ぎ、1日で約1万メートルの距離を泳ぐ。

33歳でこれだけの練習量をこなすことができる体力は圧巻だが、「合宿の時に学生たちはちょっと元気残っているけど、私は這いずりながら起き上がったりだとか、しんどいって思うことは多々ある」と年齢を感じることもあるようだ。

ロンドン五輪では3つのメダル獲得も・・・「コロナ禍」「代表落選」で苦境に

ロンドンオリンピックでは3個のメダルを獲得。日本の競泳女子では、オリンピックの個人種目で複数メダル獲得は史上初の快挙だった。リオ五輪にも出場を果たした鈴木が、次なる目標に定めたのが、自国開催となる東京オリンピック。しかし、そこに立ちはだかったのが、猛威を振るった新型コロナだった。

周囲が大変な状況に置かれる中、競技を続けていいのか、何かできることがないのか、鈴木は悩んだ。少しずつ歯車が狂っていった鈴木は、東京オリンピックの代表に落選。「練習の中では弱音を吐かないとか、学生の前では泣き言を言わないとか、そういったことも正直辛かった。周りからの意見を気にしすぎていて自分らしくいられなかった」

苦境の鈴木を救った2人の師は「兄」と「父」のような存在

苦しむ鈴木を救ったのは2人の師だった。トレーナーを務める永井裕樹さんは「どうしても自分と向き合えていないように見えた。オリンピアンだとかメダリストだとかって振る舞う必要もなく、1人の女性として思い切ってやればいいんじゃないかって、ここから強くなれる」と鈴木を励ました。

そして、鈴木が大学時代から指導を受ける神田忠彦(かんだ・ただひこ)監督の存在も大きな力となった。鈴木は、「(永井トレーナーは)メニューも考えてもらったり精神的な支えになってくれたり、兄のようなポジションでいてくれているありがたい存在」と話し、神田監督については「水泳の恩師でもあるし父親的存在」と信頼を口にする。

パリ五輪は「自分との戦い」目標はあくまで自己記録更新

鈴木がパリ五輪で目指すのは、メダルではなく自己記録の更新。自身との戦いを制した先に、おのずとメダルが見えてくると考えているからだ。

「位置づけがメダルが先走ってしまうと自分が何を目指しているのか見えなくなってしまう。結果は記録がものを言うだろうなと思う」

12年ぶりのメダル獲得へ、パリの舞台で進化した泳ぎを見せる。

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