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BBQで18歳が焼死した専門学校 新理事長に長男(33)が就任 ”ワンマン経営”指摘の報告書からわずか4日

RKB毎日放送 / 2024年7月10日 16時27分

去年5月、生徒4人がバーベキューの火で死傷する事故が起きた福岡県柳川市の美容専門学校で、辞任した理事長の後任に長男が就任したことが分かった。

事故をめぐっては第三者委員会が、要因のひとつに“ワンマン経営”をあげ「経営体制の抜本的な刷新が必要」と指摘していた。

保護者からは、「家族経営は変わらず、本質的に何も変わらないのではないか」と諦めに近い声があがっている。

理事長の発案でコンロにアルコール1リットル投入

去年5月24日、福岡県柳川市にある「ハリウッドワールド美容専門学校」で痛ましい死傷事故が起きた。

全校生徒が参加したバーベキュー大会で、20代の男性職員が火の炭が入ったコンロの火力を上げるため、約1リットルにのぼるアルコールを注いだことで爆発的に炎上。

近くにいた生徒4人に燃え移り、当時18歳の男子生徒が死亡、3人が全治1週間から3か月ほどのやけどを負った。

調査報告書「理事長に誰も意見できなかった」

この事故をめぐって先週7月4日、有識者で作る第三者委員会が報告書を公表した。

その中で古賀英次理事長が行ったコンロにアルコールを投入するという「非常識な発案」に対し、多くの職員が危険を感じていたものの、長い間続いてきた“ワンマン経営”のため誰も意見できなかったと厳しく批判。

さらに、遅刻した職員に退職届を書くよう求めたり、大声で怒鳴ったりするなど、日常的にパワハラ行為を行っていた可能性も指摘された。

理事長の後任に長男

第三者委員会の報告書などを受けて、古賀理事長は辞任を表明。その後の経営体制が注目されていたが、7月8日、新たな理事長に長男の古賀大観氏(33)が就任したことが明らかになった。

長男の古賀大観氏はこれまで副理事長を務めていた。

学校は翌9日、保護者宛に通知文を送付。理事会で古賀大観氏の理事長就任が承認されたことを伝えた。

通知文では「2度と同じような事故を起こさないよう、再発防止策を実行していく」としているが、生徒の保護者からは「本質的に何も変わらないのではないか」と諦めに近い声もあがっている。

第三者委員会が指摘した「経営体制」という要因

7月4日までに第三者委員会がまとめた報告書は、事故の間接的要因の1つとして、「学園長を理事長の配偶者、副理事長を息子で固め、ほとんどの理事や評議員も学校の教職員や卒業生などで構成されている」ことを挙げている。

さらに、「学校の課題は家族経営で、その中ですべてが決められる」という職員の意見も記載した。

第三者委員会は最終的に「経営体制の抜本的な刷新が必要だ」と結論づけたが、そうした改善が図られないなかで果たして同じような事故を防ぐことができるのか疑念が残る。

未来ある18歳が、安全であるはずの学校で命を落とした事実は、あまりにも重い。

RKB毎日放送 記者 野島裕輝

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