「太鼓もバチも全て焼けてしまった」大規模火災で被災・・・伝統の夏祭りに込める復興への願い
RKB毎日放送 / 2024年7月22日 17時18分
400年の歴史ある伝統の夏祭り「小倉祇園太鼓」。
大規模火災で被災し参加が危ぶまれた人たちが復興への願いを込め力強い太鼓の音を響かせました。
小倉祇園太鼓
「ドンドンドン」
7月21日小気味よい太鼓の音が小倉の街に響き渡りました。
国の重要無形民俗文化財に指定されている「小倉祇園太鼓」。
およそ400年前から続く福岡県北九州市の伝統の祭りです。
今年、特別な思いで参加したチームがいました。
今年1月、北九州市小倉北区の鳥町食道街一帯を襲った大規模火災では、あわせて36店舗が焼けました。
この火事で店が全焼した衣料品店の「イヨヤ」では店の中に保管していた太鼓やバチなど祭りで使う物はすべて焼けてしまいました。
イヨヤ 杉岡善徳 代表
「昭和10年、20年頃の山車(だし)を使っていたので、太鼓もその頃のものじゃないかと思います。逃げるのがやっとで、3日後くらいに太鼓のことを思い出した状況でした。祭りに使うジャンガラ(鉦)も置いていたし、山車に積むバッテリーも全部焼けてしまいました」
祭りへの参加が危ぶまれていた小倉駅前町内会。
そんな中、打ち手の数が足りず参加を見送っていた別の町内会が太鼓を貸してくれることになりました。
京町第五町内会 重藤勝岩 会長
「町内自体に若い人、打つ人が4人もいない。だから全くできない。最終的に太鼓も手放すしかないだろうと思っていました。使ってくれる所があれば一番良い。うちの町内は使える望みがないので。よその町内に使って頂くのが一番良い。せっかく太鼓があるので」
小倉駅前町内会には小学生から60代までおよそ40人がいます。
今年も太鼓を叩けることが決まり、練習にも熱が入ります。
小倉駅前町内会 望月隼人 祇園委員長
「まさか太鼓が燃えたとは思ってなくて、今年は参加できないかと一番最初に思ったんですけど。火災の復興もそうですけど、なかなかいいニュースがない中で、この時期は各地でお祭りが行われていて盛り上がる時期だと思うので、小倉がこれで盛り上がってくれれば」
そして迎えた7月21日の本番。
山車に乗せた太鼓を打ち鳴らしながら、街を練り歩き、力一杯「復興の音」を響かせました。
小倉駅前町内会 望月隼人 祇園委員長
「子供たち皆がまた来年も出たいと思ってもらえたらそれが一番うれしい」
小倉駅前町内会 杉岡善徳 会長
「今年は太鼓がなかったので参加できないと思っていたんですけど、京町第五町内会が貸してくれるという祇園の一つの心をすごく感じた」
「被災しててもこの3日間は全てを忘れさせてくれる祇園太鼓の力はすごいと思います」
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