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「不登校って何?」海外のビジネスコンテストで繰り返された質問に目からウロコ 参加した高校生が感じた学びの可能性「枠を外れてもいいんだ」

RKB毎日放送 / 2024年8月6日 19時8分

ビジネスアイデアを競うコンテストの世界大会に、日本代表として2人の高校生が参加しました。

2人が考えたのは、不登校の小中学生を支援したいと考えた企画でしたが、審査員から何度も聞かれた質問があります。

「不登校って何?」

全国105チームから日本代表に選ばれた

福岡雙葉高校の2年生高田優菜さんと梅津音々さん。2人はアメリカのNPO団体が主催するビジネスアイデアを競うコンテスト「ソーシャルイノベーションリレー」で、全国105チームの中から日本代表に選ばれ今年6月、世界大会に出場しました。

2人が考えたのは、不登校の小中学生と通信制高校の生徒がオンラインの会議システムでつながり、一緒に勉強をするというサービスです。

「教える」ではなく「一緒に勉強する」

この日はデモンストレーションとして不登校の中学1年生ひいろさんが参加し、ふたりが考えたアイデアを見せてくれました。

高田優菜さん「中学生になってから久しぶりだけどどう?最近元気にしてる?うんいい感じ?そしたらじゃあ、きょうも勉強始めていこうかなと思います。きょうはどのくらいできそう?」

このサービスは塾や家庭教師のように何かを教えるのではなく、オンライン上で一緒に勉強するというものです。

コンテストでは、1時間の勉強を月12回行い月額3980円と設定しました。

高田優菜さん「お疲れ・・・どう?集中出来てた?」

ひいろさん「一人でやるよりは、一人じゃないからみんなでやっている感じがするから集中できます。勉強する時間も増えました。」

実は高田さんと梅津さんも過去に不登校の経験があります。

梅津さんは、小学校で学校に行けなくなり、フリースクールに通いました。

梅津音々さん「私たちが不登校だった時に何が困ったかなっていうのを考えたら、やっぱり学習っていうところに、自分ではなかなか手がつけられなくて困ったっていう課題が2人共通であったので、やっぱりそこにフォーカスしたいなっていうのはありました。」

2人は当時のことを思い出しながら、企画のキーワードを出しあったり、ビジネスとしての収支を計算したりして企画案をまとめていきました。

大学の先生との出会い専門家にもアドバイスを求めました。

児童虐待や不登校の問題などについて研究している筑紫女学園大学の大西良准教授です。

高田優菜さん「今まではずっと”教える”ということに固執しちゃっていたんですけど、”見守る”というやり方もあるんだなって気づかせてくれたのは大西先生」

筑紫女学園大学 大西良 准教授「教える人と教えられる人の縦の関係じゃなくて、見守ってくれる斜めの関係というかね。伴走者というかね、そういう人がいると学びってさらに深まるんじゃない?そんな話をしてたよね。不登校って一言ではなかなか言い表せないんですけど、いろんな葛藤を抱えている状態というふうに見れるのかなと思うので、思っている気持ちを出せるようなそんな環境を作っていくことが大事かなと思います」

不登校の時に寄り添ってくれた父

梅津さんが小学1年で不登校になった時、隣で一緒に勉強してくれたのは父親だったといいます。

梅津音々さん「父がリビングの机で一緒に勉強しないかって言われて。ただ寄り添って隣で勉強してくれた父の存在にすごく感謝です。」

父親の由都さんにその時の思いを聞いてみました。

音々さんの父 梅津由都さん「大人も一緒に、例えば全然違う勉強でもいいかもしれないです。同じ空間にただ一緒にいるだけでも孤独感は感じないかもしれないですよね。」

Q,心配な時期もありましたか?
音々さんの父 梅津由都さん「生き方って多分、ある程度選択するものは、今の時代特に、昔と違うとすれば、もっとあるのかなと感じています。」

コンテストでは入賞できなかったけれど・・・

自ら考えたアイデアを持って臨んだビジネスコンテスト。残念ながら入賞はなりませんでした。

実は、コンテストで審査員から繰り返し聞かれた質問があります。

「不登校って何?」

高田優菜さん「海外には”不登校”という概念がないみたいで、何度も聞かれました。不登校、を英語で説明するのがとても難しかったんです」

ふたりは、「felt uncomfortable in a class room」、「教室にいると居心地がよくない状態」だと説明しましたが、不思議がられたそうです。

梅津音々さん「海外では、学びの場として学校以外の場所を選ぶことも当たり前になっている。フリースクールなど自分の学びたいことを学べる場所に行くという選択は、決して特別なことではなく『学校に行けない』という感覚ではない。不登校という概念が日本特有のものだと気づかされました」

いつか起業したい

「自分たちと同じ経験をしている小中学生をサポートしたい」そんな思いから始まった不登校支援のアイデア。2人は、ビジネスとして成立するよう、さらにブラッシュアップしていつか起業し、日本でも不登校の概念をなくしたい、と話しています。

梅津音々さん「やっぱり不登校生の方たちが自信を持って世界に活躍していけることが、不登校の概念をなくすことにもつながるんじゃないかなって私は考えているので、支援の仕組みがより今の時代に適したものになればなというのは考えています。」

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