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日韓結ぶ国際航路で命を軽視 裏管理簿や警報センサーの位置ずらしで浸水隠し運航継続 JR九州は「トップの指示で隠蔽」と謝罪

RKB毎日放送 / 2024年8月14日 17時33分

JR九州高速船が博多と韓国・釜山を結ぶ国際航路で、高速船「クイーンビートル」の浸水を隠ぺいしていた問題。

親会社のJR九州は15日、隠ぺいについて、全てトップの指示だったと明らかにしました。

博多~釜山「クイーンビートル」数々の不正が明らかに

JR九州 松下琢磨 常務執行取締役「夏休みに入り、旅行等で楽しみにされていた、多くのお客様のご期待を裏切ることになってしまいました。本当に申し訳ございませんでした」

JR九州の謝罪で始まった14日の会見ではクイーンビートルをめぐる数々の不正が明らかになりました。

「浸水を隠ぺいする」という前代未聞の出来事。いったい何があったのでしょうか。

航海日誌に「異常なし」 浸水は”裏管理簿”に記載

JR九州によりますと、今年2月、クイーンビートルの船首の部分に少量の浸水が確認されましたがJR九州高速船は、国土交通省に報告しませんでした。

それだけに止まらず航海日誌などには、浸水した場合も「異常なし」と記載する一方、浸水量に関しては裏で管理簿を作成し、記録していたということです。

警報センサー 鳴らないよう上にずらす

また、今年5月には浸水量が増加したため、浸水を知らせる警報が鳴らないように、従来よりおよそ60センチも高く警報センサーをずらしていました。

これらの隠ぺいについてJR九州は、全て田中渉前社長の指示だったと明らかにしています。

JR九州 松下琢磨 常務執行取締役「2月の12日でも報告をしない、そして2月13日現物を見て報告をしないということを決めたのはトップ田中でございます」

5月末にようやく国に報告

クイーンビートルは、最終的に、1メートルの浸水が発生したことで警報が鳴り、JR九州高速船は、ようやく国土交通省へ報告。

不正は抜き打ち監査で発覚

一連の不正については、8月6日、国土交通省の抜き打ちの監査で発覚しました。

クイーンビートルをめぐっては去年6月にも浸水を報告しなかったとしてJR九州高速船は国交省から行政処分を受けています。

再発防止策として、安全確保のための改善報告書を提出したにも関わらず、今回、発覚した安全をめぐる不正。

なぜ不正を?動機、説明せず

田中前社長がなぜ指示したのかその理由についてJR九州は明確な回答をしませんでした。

JR九州 松下琢磨 常務執行取締役「動機でありますが、そうしたことは調査を進めていきたいと考えているところ」

人命軽視に問われる責任

RKB 西尾健佑記者「博多港国際ターミナルには人はほとんどおらず、クイーンビートルの受け付けには、運休と書かれたはり紙がはられています」

クイーンビートルは13日から当面の間、運休していて、2万2000人に影響が出ているということです。

東京から訪れた人「利用したことありません。安全をお金で買っていると思うので、そもそも安全ではなかったことにそれを聞いてびっくりしました。その会社にはもう乗らないのかなって、信用問題になると思うので」

14日の会見でJR九州は「安全体制、安全意識の再構築を最優先に取り組む」と繰り返し、田中社長の解任に伴い就任した大羽健司新社長は「安全風土が定着していなかった」と安全意識を浸透させる姿勢を強調しました。

運輸事業者にとって安全の確保は基本であり、最も大事なことです。

国際航路で命を軽視した責任は重く安全に対する抜本的な改革が求められます。

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