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架空の注文を運んだことに…フードデリバリー業者から配送報酬を騙し取ったとして全国初の検挙 大手事業者「由々しき事態」

RKB毎日放送 / 2024年8月21日 18時3分

コロナ禍で急拡大したフードデリバリーサービス。

そのシステムの弱点を突き、架空の発注をして配送報酬を騙し取ったとして、先月までにベトナム国籍の男女を含むグループが逮捕・起訴されました。

全国初となったフードデリバリー業者の配送報酬をめぐる詐欺事件の検挙。その手口とは?

コロナ禍で市場急拡大のフードデリバリーサービス

飲食店で作られた料理などを指定した場所に届けてくれるフードデリバリーサービス。

コロナ禍で外出を控える人が増えたことで市場が急拡大し、すっかり生活に定着しました。

利用者は、フードデリバリー業者が提供するアプリを通じて料理などを注文。

注文を受けた事業者は利用者から商品の代金に加えて手数料を徴収し、商品を運んだ配達員に報酬を支払います。

スマートフォン1台で手軽に利用できるサービスですが、これらの仕組みを悪用したとして、先月までにベトナム国籍で無職のド・ヴィエット・ドゥック被告(25)、飲食店経営のグエン・ティ・トゥイ被告(24)、飲食店従業員の高木陸(たかぎ・りく)被告(36)ら男女5人が電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕・起訴されました。

悪用の手口架空の注文を配達したことに配送料を騙し取る

まず、ド被告が複数台のスマートフォンでアプリを操作し、知人のグエン被告が営む飲食店に「架空の注文」をします。

注文を受けたグエン被告は商品を作っていないにも関わらず、配達員に商品を渡したように偽装。

ド被告が配達員のアカウントが登録された別のスマートフォンで商品を届けたことにして、「架空の配達」を成立させていました。

配達員のアカウントは高木被告ら日本人の男2人のものだったということです。

こうしてフードデリバリー業者から配送報酬を騙し取ったとされるド被告らのグループ。

より多くの利益を確保するために目を付けていたとみられるのが配送報酬が増額される「業者独自のルール」です。

時間帯や場所だけでなく、所要時間でも変わる配達報酬

配送報酬は時間帯や場所によって異なりますが、1回あたり数百円というケースも少なくありません。

一方で今回、ド被告らのグループには、フードデリバリー業者から1回あたり3000円あまりが支払われていました。

複数のフードデリバリー業者に登録している配達員のAさんに話を聞きました。

配達員Aさん「18分383円と出てくるが、実際に配達して所要時間がオーバーすると報酬が伸びる。例えば30分かけたとしたら多分500円とか600円になるイメージ。実際に30分2000円くらいの依頼を受けて、大雨の影響で40~50分かかったことがあるが、そうすると配送報酬が1.5倍や2倍になることもあった」

ただ、こうした行為を繰り返し行えばフードデリバリー業者側が気づく可能性があるといいます。

配達員Aさん「わざと時間を使ってみたいなもので1回3000円にするのは全然できると思う。ただ何回もやっていると明らかに不自然になるのでアカウントが止まる可能性がある」

Aさんはこれまでも配達員の不正について聞いたことはあったそうですが、今回のように「注文者と飲食店、配達員」が手を組んだとみられる手口に注目しています。

配達員Aさん「注文者と飲食店、配達員で組んでいるんだったら僕が今まで聞いていた不正よりさらにやりやすいと思います。ほぼバレないですよね、注文者から会社に通報されることがないから」

警察は5人の認否を明らかにしていませんが、高木被告らの他にも複数人がアカウントを貸すなどして、1000万円以上をだまし取った疑いがあるとみて捜査を進めています。全国初となったフードデリバリー業者の配送報酬をめぐる詐欺事件の検挙。

5人の初公判は9月に、福岡地裁で開かれる予定です。

「由々しき事態」と大手事業者対策の検討が必要

フードデリバリー業者の配送報酬を騙し取ったとされる今回の詐欺事件について、国内でサービスを展開する出前館は、「由々しき事態であると考えています。プラットフォームの安全性を高めるためにも対策の検討は必要であると考えています」とコメントしています。

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