1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「ミルクの質より牛の命」猛暑で弱る乳牛たち 真夏の出産で命を落とした母牛も 牧場長が心砕く牛舎の暑さ対策

RKB毎日放送 / 2024年8月21日 18時33分

じりじりと照りつける太陽。連日続く猛暑に苦しんでいるのは人間ばかりではありません。乳牛を育てる牧場では弱った牛を前に「ミルクの質が下がっても牛の命を優先する」と異例の対策をとりつづけています。

暑さで搾乳量が減った

福岡県筑前町の永利牧場。ここでは、およそ100頭の乳牛を飼育しています。

RKB 田中康徳記者「連日の猛暑の中、暑さ対策を施しているこちらの牧場ですが、乳牛も少しお疲れのようです」

乳牛は寒さには強いものの暑さには弱い動物です。今年の夏は例年と比べて、搾乳量が1割ほど減っているといいます。

永利牧場 牧場長 近藤博昭さん「牛たちが飲む水分量は増えていますし、水分量の多いえさを好んで食べています。摂取する水分量が増えると、ミルクの脂肪分にもやっぱり影響がありまして、若干薄くなっているような状況です。繊維質のあるえさを与えたほうがミルクの質が良くなるのは分かっているんですけど、それでも、ミルクの質より、牛を生かすことを優先しています」

出産の翌日に死んだ4歳の母牛

実は今月、子牛を産んだ4歳の母牛が、出産の翌日に死んでしまいました。

暑さで、体力が低下したためだと近藤さんは話します。

永利牧場 牧場長 近藤博昭さん「獣医さんに聞いたら、暑さで見た目以上に体力を使ってエネルギーを使っているということで、それが影響して亡くなったということでした」

24時間、大型の扇風機

牧場側は、暑さを少しでもやわらげようと日中は毎日、牛舎に霧状の水を撒きながら大型の扇風機を動かしています。

例年は午前9時ごろから水を撒いていますが、今年は2時間早めて午前7時から午後7時まで撒き続けています。

また、夜も気温が下がらないため扇風機は24時間回しています。牧場側の電気代の負担もその分、大きくなっています。

暑さが和らいだあとのほうが深刻

近藤さんは、今以上に、暑さが和らいだあとのほうが影響が深刻だと心配しています。

永利牧場 牧場長 近藤博昭さん「牛は暑い時期に体力を使うので例年、暑さが和らいだあとに、より影響が出るんです。今年は、例年に比べてだいぶ暑いので、もう体力を使い切ってしまっているんですね。ですから暑さが終わってからの影響はもっと深刻になるだろうと思っています。これから徐々に涼しくはなってくるでしょうけど、そこからの回復に結構時間がかかってくるのではないかと。今年のこの異常な暑さなのでその辺をだいぶ心配しています」

福岡市では朝も気温下がらず

21日、福岡県内では、福岡市博多区の最高気温が38・2℃、中央区は37・8℃と共に今年一番の暑さとなりました。

福岡市では、けさの最低気温も29・5℃と全国で最も高く寝苦しい日が続いています。

街の人「太陽からの熱が違いますね」

太宰府市は34日連続の猛暑日に

一方、猛暑日の連続記録を更新し続けている福岡県太宰府市。21日も最高気温が38・3℃を記録し34日連続の猛暑日となりました。

太宰府市で「だいぶしんどいですよね、今年の暑さ」

外国人観光客「ベリーホット。ベリーベリーホット」

この暑さ、いつまで続くのでしょうか。気象台は、9月いっぱいは35℃以上の猛暑日になるところがあるとしています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください