難病や障害がある人と家族のキャンプ「がんばれ共和国」今年で31回目 熱気球体験も 初めて参加した家族は
RKB毎日放送 / 2024年8月28日 19時4分
病気や障害がある子供やその家族が参加する2泊3日のキャンプ「がんばれ共和国」が今年も行われました。
今年で31回目となったがんばれ共和国に、かつては参加者の妹として今回は母親として、特別な思いを持って参加した女性がいます。
難病や障害がある人と家族など約150人が参加
「初めまして」「おかえりなさい!」
「おかえりなさい」というあいさつで始まった2泊3日のキャンプ「がんばれ共和国」。
難病や障害がある「キャンパー」とその家族が参加するもので、30年以上前から行われています。
今年は22のキャンパー家族やスタッフなど約150人が参加。
家族の介護の負担を減らすため、キャンプ期間中は、ボランティアがキャンパーに付き添います。
大浴場での入浴や、バイキング形式の食事を楽しむキャンパーたち。
普段できない体験に楽しそうな様子です。
かつては参加者の妹として 今回は母親として参加
川畑さんの家族「おいしいね」
川畑音心(ねね)ちゃんとその家族は今回初めてがんばれ共和国に参加しました。
特別な思いで待ちに待ったキャンプです。
熊本県玉名市に住む音心ちゃん。ダウン症やてんかんなどを患っていますが、両親と兄の瑛斗くん、姉のうたちゃんと毎日楽しく過ごしています。
母の和美さん(35)はキャンパーの宮脇久さんの妹で、自身も小学1年の時から10年近くキャンプに参加していました。
キャンパーのきょうだいとして参加していたことから、今回のキャンプには特別な思いがあります。
音心ちゃんの母・川畑和美さん「一番はそのお兄ちゃんお姉ちゃんにそういう人(障害のある人)たちもいるんだよという。普段はなかなか関われないじゃないですか。そういうところで楽しんでもらえたらなという」
父の龍平さんにとっては初めてのキャンプとなります。
父・川畑龍平さん「音心はまだ小さくて、いろんな病気とかわからない中でそういう障害を持つ親御さんたちと交流する中で、私たちもよりその理解するというか、状況を共有できる場があればいいなと」
(Q何が楽しみ?)
川畑瑛斗くん「めっちゃ食べたい」
2日目の早朝、参加者たちを夢中にしたのはキャンプの恒例イベント「熱気球」です。
音心ちゃんたちにとっては初めての体験。
少し怖がりながら気球に乗り込みます。「うわー!怖いよ!」
川畑和美さん「怖かったねしがみついとったね」
「転勤族なんですよね。2年ごとに転居していて・・・」「行く度に、誰も子供のこと知ってくれないからすごい不安になるんですけど、反対に私は楽しいなと思ったんです。考え方一つで変わるのかなと」
「がんばれ共和国」では親同士の意見交換の場が設けられていることも特徴の一つです。
父親同士、母親同士がそれぞれに集まって、病気や障害のある子を持つ同じ境遇だからこそ話せる悩みや不安を相談します。
「では今からがんばれ共和国キャンプ夏祭りを始めます!」
2日目の夜行われたのは、キャンプのメインイベント「夏祭り」です。
ヨーヨー釣りや射的などの出店が並ぶ空間にキャンパーたちも大はしゃぎです。
「閉国宣言これをもちまして第31回がんばれ共和国阿蘇ぼうキャンプを閉国します」
楽しい2泊3日はあっという間に過ぎてしまいました。
参加した家族「楽しかった」
(Q何が楽しかった?)
「気球」「あっという間に過ぎましたね。不安に思っていることとかもちゃんと答えてもらえたし、参加して良かったなと思います」
参加した家族「温かいしいいですよね。来て良かったです。私も皆さんと話をすると、勇気とかもらえるので良かったです」
がんばれ共和国阿蘇ぼうキャンプ 藤島麻子キャンプ長「親御さんとかと話しているとこの3日間でしか見せない顔があったりとか、普段笑顔が出たりとか、体がほぐれたりするのも少ないという子とかも温泉入ったらほぐれて体が伸びたりとか、いつも見ている親御さんが見てそう思ってくれるというのが、一番良かったかなという風に思います」
川畑さんたちにとっても初めて経験する楽しいひとときでした。
川畑瑛斗くん「楽しかった。野球」「気球は怖かった(また乗る?)乗りたいけど、乗れる自信が・・・」
川畑うたちゃん「外とかで遊ぶのが楽しかった(帰りたくない?)うん」
川畑龍平さん「なかなか日頃自分の悩みとか不安というのは言うこともできないから、そういうのが一つ言えただけでも親として一つ成長できたんじゃないかなというのはとても強く感じたのと、心からゆっくりできた旅行になりました」
川畑和美さん「あっという間に過ぎていって、ちょっとさみしいですね」「やっぱりこんな形で参加することになって、いろんな思いもあったんですけど、すごい楽しんでくれて安心したというか連れてきて良かったなと思いました」
参加者たちにとって素敵な夏の思い出となったがんばれ共和国。
名残惜しい思いを胸に参加者たちは笑顔で別れを告げ、来年またここで会うことを約束していました。
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