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「毎日死ぬ思いで生活してます」2024年夏 猛暑と災害が暮らしを直撃

RKB毎日放送 / 2024年9月3日 11時58分

今年の夏は、福岡県太宰府市で最高気温35℃以上の猛暑日が40日続き、国内最長記録を更新するなど、記録的な暑さとなりました。

さらに、南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたほか、台風10号が各地に爪痕を残しました。

様々な自然災害に見舞われた2024年の夏を振り返ります。

猛暑日 連続40日

太宰府市では最高気温35℃以上の猛暑日が7月19日から8月27日まで続き、国内最長記録を40日に更新しました。

太宰府市民
「返上したいですよ、こんな記録は。高齢者は特に大変。毎日死ぬ思いで生活してます」

「クーラーが消せない。日差しがすごいから家の中にいることが多くなりました」

太宰府天満宮の参道では、アイスクリームやかき氷を買い求める観光客や、日傘を差す人の姿が目立ちました。

北斎グラフィック 上鈴木 咲良さん
「国籍関係なく、小さい子からおばあちゃんまで日傘のお求めがすごく増えました。去年と比べて2倍以上」

太宰府市は熱中症対策として、市内17か所にクーリングシェルターを設置しました。

太宰府市 楠田大蔵 市長
「子供たちにとっても印象に残る、暑い夏休みになりました」

園庭にサンシェード

宗像市の玄海ゆりの樹幼稚園です。

強い日差しの中でも、子供たちに外遊びを楽しんでもらおうと、およそ4000万円をかけて、運動場に長さ25メートル、横幅30メートルある大型のサンシェードを設置しました。

玄海ゆりの樹幼稚園 高杉美稚子 教頭
「気象庁の危険指数の中で、外でなかなか遊べないという子供たちを考えた時に、このサンシェードがつくことによって、広い空間の中で子供たちがのびのびと自由にいつでも遊べるということがとても良かったなと思っています。子供たちを見る先生たちも、この日差しの中では大変疲れますので、そういう意味では日差しを防ぐことによって職員も軽やかに保育ができます」

動物も夏バテか

暑いのは人間だけではありません。

乳牛およそ100頭を飼育している筑前町の牧場では、搾乳量が例年より1割ほど減りました。

永利牧場 近藤博昭 牧場長
「脂肪分とかも若干薄くなっているような状況です」

およそ7万5千羽のニワトリを飼育している福岡県鞍手町の養鶏場です。

ニワトリは汗をかかないため体温調節がうまくできず、暑さで弱っていました。

野上養鶏場 藤井豪 社長
「通常だと1日6万個ちょっとは卵を産むんですけど今は5万個台なのでかなり効率は落ちてますね」

また、卵のサイズもLサイズの卵が3割ほど減っているということです。

野菜や果物にも影響

RKB 田中康徳 記者
「本来暑さに強いはずのバナナにも影響が出ています」

福岡県朝倉市のバナナ農園です。

バナナが日焼けしないよう、雨傘で日陰を作ったり紙をまいたりして対策していますが、ハウス内が高温になり、一部の木の葉が枯れています。

日照りが続いた影響で、オクラやキュウリなどの夏野菜にも影響が・・・

福岡県久留米市の畑では水分が足りないため、オクラは固くなっていました。

ゆめ畑 太宰府店 増田哲也 店長
「例年は夏野菜のオクラ、ピーマン、トマト、ナスあたりが売り場に溢れかえるくらいありますが、時期によって出荷の波があり一時的に切れてしまう。キュウリは雨が少ないためにまっすぐ育たず曲がっている。ニンジンは温度が高すぎたため、種を蒔いても発芽しない。」

福岡市内の青果店では水菜や春菊、ほうれん草などの葉物野菜が3倍以上高くなっていました。

野口青果 野口豊さん
「ほうれん草も高くなっているよ。300円で買います?買わないでしょ」

地震で防災グッズに需要

8月8日には、宮崎県沖の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生。

気象庁は南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を初めて発表し、注意を呼びかけました。

ホームセンターや家電量販店には防災グッズを買い求める人が多く訪れ、一部商品が品薄になりました。

ホームセンター「グッデイ」では、家具の転倒を防ぐ「突っ張り棒」や非常用の水を入れる折りたたみ式の「ウォータータンク」がよく売れたということです。

ヨドバシカメラ博多店 平木友崇さん
「防災グッズの定番はモバイルバッテリー。スマホの充電やコンパクトに持ち運びができるので、より多くのお客様にお求めいただいています」

一方、大手家電量販店のヨドバシカメラではソーラーパネルを搭載したリュックサックの注文が増えました。

リュックサックとして普段使いもできる上に、充電もできる一石二鳥のアイテムで、スマートフォンは1時間でおよそ18%の充電が可能です。

台風10号で被害

RKB 江里口雄介 記者
「福岡県添田町の県道451号です。大きな木が2本、根元から崩れ、電線に倒れかかっています」

8月29日から30日にかけて、ゆっくりとした速度で九州北部を横断した台風10号。

福岡県と佐賀県では合わせて、3人が死亡、強風で転倒し骨を折るなどして27人がけがをしました。猛暑に地震、台風と様々な自然災害に見舞われた今年の夏。

いつ起こるか分からない災害に対し、十分な備えが必要ということを改めて考えさせられました。

暑い夏 熱中症の疑い増加

福岡県によりますと、今年、熱中症の疑いで病院に運ばれたのは、きのう時点で4094人。

去年の3573人を大きく上回っています。

レジャー施設も明暗

福岡市東区の海の中道サンシャインプールはほぼ例年通り、およそ19万人が訪れましたが、太宰府市の「だざいふ遊園地」は例年の来場者数と比べて1割ほど減りました。

一方、来場者が増えたのはマリンワールド海の中道です。

7月は前年比118%の12万人、8月は前年比108%の19万人でした。

糸島市の白糸の滝は、7月は去年より1万4000人増、8月は集計中ですが、前年を上回る人が訪れたということです。

九州経済調査協会は「今年の夏は特に炎天下を避け、博物館や水族館などの屋内型レジャー施設や水辺空間など涼しさを求める傾向が強まった」と分析しています。

9月の気温と降水量

気象庁が発表した向こう1か月の九州北部地方は暖かい空気に覆われやすいため、前半、気温はかなり高くなる見込みです。

降水量は湿った空気や前線の影響を受けやすい時期があるため、平年並みか多い見通しです。

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