住居侵入と窃盗 71歳の男性に無罪判決 福岡地裁「心神喪失の状態であった」

マンションに侵入し現金の入ったショルダーバッグやスマートフォンなどを盗んだとして住居侵入と窃盗の罪に問われた男性（71）の裁判で、福岡地裁は11日、男性に無罪を言い渡しました。

福岡市に住む無職の男性（71）は、去年7月、福岡市博多区や中央区のマンションに侵入し、現金およそ4万円が入ったショルダーバッグやスマートフォンなどを盗んだとして住居侵入と窃盗の罪で起訴されました。

検察側は「財産的価値の高いもののみを選択して窃取している」などと主張し懲役10か月を求刑。

男性側は「統合失調症に罹患しており、心神喪失の状態であった」などとして、無罪を主張していました。

11日、福岡地裁の加々美希裁判官は、心神喪失の状態だったとする男性側の主張を認め、男性に無罪を言い渡しました。

判決は、「活発な幻覚妄想や思路障害のために、本来持ち合わせていた違法性の認識に照らし合わせて行動を取ることが困難な状態であった」などと判断しています。

無罪判決を受け、福岡地検の藤野晃俊次席は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントしています。