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ドーム球場に設置検討!夢の新技術「ペロブスカイト太陽電池」とは?

RKB毎日放送 / 2024年10月17日 15時43分

ソフトバンクホークスの本拠地・みずほPayPayドームの屋根に「ペロブスカイト太陽電池」の設置が検討されています。従来のシリコン系太陽電池に比べ、薄い・軽い・柔らかいため加工しやすく、様々な形状の建物にも設置できると注目されている「ペロブスカイト太陽電池」。いったいどんなものなのでしょうか。

原材料についての心配「ほとんどない」

ペロブスカイト太陽電池の開発を国内でリードしているのが積水化学工業です。

積水化学工業 PVプロジェクト 森田健晴ヘッド「ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン系の太陽電池と比べると、重量は10分の1、厚みは20分の1ぐらいで、かなり薄くて軽くて柔らかい太陽電池で、今までつけられなかった所に、色々な所につけていけるのが特徴です。」

ペロブスカイト太陽電池の主な原材料はヨウ素で、ドロドロに溶かした溶液を印刷技術などを活用しフィルムに塗布して生産しています。

積水化学工業 PVプロジェクト 森田健晴ヘッド「主原料のヨウ素は日本の埋蔵量が世界1位、生産量が2位で、原材料についての心配はほとんどありません。商業化も2025年、来年ですね。ガラスでやるなら簡単なんですけどフィルムなので、コストを抑えながらいかにこの耐久性を上げるかが一番の課題です。」

課題は耐用年数

シリコン型太陽電池の耐用年数はおよそ20年。

一方、ペロブスカイト太陽電池の耐用年数は現状で10年相当とされています。

積水化学工業 PVプロジェクト 森田健晴ヘッド「シリコンの太陽電池、さぁどこに捨てよう、とか廃棄で困っていると思うんですけど、これだけペラペラですと廃棄の問題もかなりクリアしやすい。最近よく出てきているのが、『使えなくなったメガソーラー、その上に貼ってくれないか?』みたいな話も来ていて。今メガソーラーを捨てようとすると、すごくお金がかかるんですよね。上に貼ってあと10年しのげないかと。『そんな市場もある?』というところで、国も注目している感じです。」

積水化学工業は本社ビルの壁面などで実証実験を行っていて、来年4月に開幕する大阪・関西万博では、バス停の屋根に設置することが決まっています。

みずほPayPayドームの屋根にも?

RKB 三浦良介記者「ソフトバンクホークスの本拠地、みずほPayPayドームです。福岡市はこのドームの屋根にペロブスカイト太陽電池を設置することを検討しています。」

みずほPayPayドームの屋根全体に設置されれば、日本初の取り組みですおよそ3000キロワットの発電量が見込まれていて、これは従来のシリコン型太陽電池を設置している一般家庭およそ600戸分に相当するということです。

自治体と企業がプロジェクトを環境省に提案

今年6月、福岡市は福岡ソフトバンクホークスや積水化学工業、西部ガスなどと共同で、「ペロブスカイト太陽電池を中心とした脱炭素化推進プロジェクト」を環境省に提案。

9月27日に、「脱炭素先行地域」に選定され、2030年までに国から最大40億円の補助金が交付されます。

福岡市 環境局・脱炭素社会推進課 田尾幸一朗 課長「福岡市は天神などの大都市部を抱えております。都市部においては、今までの太陽光発電の設備を設置することや増やしていくことはなかなか難しいという課題がありました。次世代型のペロブスカイト太陽電池の実装にチャレンジすることによって、大都市型の新たな脱炭素のモデルを確立していきたいと思っています。」

2030年までに検討・実施する取り組みとして、ペロブスカイト太陽電池を天神エリアのビルや中央区唐人町のこども病院跡地の再開発事業で、2027年春に開業する病院や商業施設、マンションなどの屋根や壁面に導入。

さらに、みずほPayPayドームの屋根全体に設置することで、対象エリアのCO2排出実質ゼロを目指したい考えです。

太陽電池 シリコン型との比較

【シリコン型太陽電池】
発電効率20% 耐用年数20年

【ペロブスカイト太陽電池】
発電効率最大15% 耐用年数10年相当

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