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20年にわたり売春の収入を”渡し続けた女”と”受け取り続けた女” 強盗致死事件で共謀はあったのか?”渡し続けた女”が不可解な関係を証言

RKB毎日放送 / 2024年11月23日 15時4分

去年6月、福岡県水巻町で殺意はなかったものの知人の女と共謀して知人の姉を殺害し、通帳や印鑑などを奪ったとして強盗致死の罪に問われている無職の岡村恵美被告(48)。14日の初公判で知人の女との共謀を否定し、無罪を主張した。

19日の裁判では、姉に対する強盗殺人罪などで1審で無期懲役の判決を受けた知人の女が出廷した。知人の女は、売春で稼いだ現金を約20年にわたって岡村被告に渡し続けていた。

合計5800万円もの大金を受け取っていた岡村被告と渡していた知人の女。謎が多い2人の関係について知人の女は何を語ったのか。

知人の女と共謀したとされる強盗殺人事件 岡村被告は殺意がないとして強盗致死の罪に問われる

小倉北区の無職・岡村恵美被告(48)は去年6月2日、福岡県水巻町で辻和美被告(52)と共謀して和美被告の姉・つぐみさん(当時52)の顔に催涙スプレーを噴射し、首を圧迫したうえ両手両足を結束バンドで緊縛。

つぐみさんを窒息死させたうえ、通帳3冊や印鑑などを奪ったが岡村被告には殺意はなかったとされ強盗致死の罪に問われている。

一方、共謀したとされる和美被告は、強盗殺人の罪に問われ、今年8月、1審の福岡地裁小倉支部で無期懲役の判決を言い渡された。(その後控訴)

14日に開かれた初公判で岡村被告は「私は共謀していません。無罪です」と起訴内容を否認している。

共謀して強盗殺人事件を起こしたとされる”売春収入を渡していた女”証人尋問

19日、検察側が申請した岡村被告と共謀したとされる和美被告の証人尋問が行われた。

上下ジャージ姿で法廷に入ってきた和美被告の姿を見た岡村被告は、いきなり震えながら泣き出した。

その後も和美被告を直視しないよう下を向いたり顔を背けたりしたため、審理開始後に弁護士が「被告の精神状態を保つため証人と距離を置きたい」と裁判長に要請。

裁判長がこれを認め、岡村被告の座席は証言台から50センチほど遠ざけられた。

共謀したとされる女が語る犯行動機「岡村さんのお宅がお金に困っている…」

和美被告は、2008年ごろに夫と2人の子供を残して失踪。その後はホームレスになり売春で生計を立てていた。

現金が必要だった理由について、和美被告は「岡村さんのところのお宅がお金に困っているっぽかったので、姉に泣きつこうと思った」と話した。

検察官:「なぜ岡村被告は金に困っていた?」
和美被告:「私が思っていたのは、娘がPTSDで入院しているということで、その入院費が払えていないと思ったので」

検察官:「なぜ娘は入院していると思っていた?」
和美被告:「そう聞いていました。岡村さんから」

売春して返し続けた岡村被告への借金については「借りた覚えはない」「額は分からない」

検察側は冒頭陳述で「岡村被告は和美被告から平成16年(2004年)頃から総額約5800万円の送金を受けていた」と主張。

送金した和美被告は「借金を返済するために売春で得た金を送金していた」などと話す一方で自分が返している借金について”何のために借りたか””いくら借りたのか”がわからないと言った。

検察官:「どうして送金していた?」
和美被告:「(岡村被告に)お金を貸しているといわれていたので」

検察官:「いくら?」
和美被告:「額は分かりません」

検察官:「あといくら返さなければいけなかった?」
和美被告:「分かりません」

検察官:「借りた覚えはある?」
和美被告:「いいえ。私にはないです。残していた子供たちにお金とかを渡していたのではないかと思っていました。じゃないと貸している意味が分からないので」

犯行に使われたスプレーは…知人の女”岡村さんからもらったお金で購入”

検察側は、犯行に使われた催涙スプレーについて和美被告に質問した。

検察官:「どこで入手しましたか?」
和美被告:「その日(事件の日)岡村さんに(車に)乗せていってもらって購入しました」

検察官:「代金は?」
和美被告:「岡村さんからいただきました1万円札です」

「岡村さんと合流して水巻に送ってもらいました」催涙スプレー購入後、2人は水巻町へ

検察官:「買った後は?」
和美被告:「岡村さんと待ち合わせして合流して、水巻の病院のところに送ってもらいました」

検察官:「降りるとき何か持っていた?」
和美被告:「ポーチの中に催涙スプレーとガムテープ、結束バンド、スマホを持って行きました」

検察官:「実家でどうした?」
和美被告:「姉に(玄関ドアを)開けてもらって家に入りました」

検察官:「その後は?」
和美被告:「居間で姉と向かい合いになって、姉にお金を貸してもらえないかという話をしたら、案の定(以前の借金を)返していないことを言われ、預けていた子供のことを言われ、だんだんエスカレートする感じがありまして、もっていた催涙スプレーを姉に噴射しました」

検察官:「かけたらどうなった?」
和美被告:「目を押さえたままガタッと立ち上がって両サイドがガラス張りで動いたら危ないと思って、仰向けに倒しました」

検察官:「その後は?」
和美被告:「それからうつ伏せにして結束バンド。両手首足首を結束バンドで(縛った)。近くにあったビニール袋で猿ぐつわを口にしようと思ったんですけど、姉の口の端っこから血が見えたので、それを口にしたら痛いだろうと思ってやめて、バッグのありかを聞いて、バッグの方に移動しました」

検察官:「バッグは?」
和美被告:「すぐ目に付くところにあり、中身をチェックして通帳と印鑑と車の鍵が入っていたのでそのまま出ました」

奪った通帳から現金を引き出し知人の女 そのほとんどを岡村被告へ

和美被告はつぐみさんの通帳や印鑑を奪い、実家から出た後、銀行で計102万8000円を引き出して岡村被告と合流。引き出した現金はほぼすべて岡村被告の手に渡ったという。

検察官:「岡村さんにはいくら渡した?」
和美被告:「102万5000円」

検察官:「何て言っていた?」
和美被告:「『ありがとう』と言っていました」

検察官:「実家であったことを岡村さんに話した?」
和美被告:「いいえ、全然」

検察官:「催涙スプレーや結束バンドを使ったことは?」
和美被告:「言ったと思う」

共謀を否定する弁護側が強盗の事前相談について質問 知人の女「一度もない」

弁護側からの反対尋問では、和美被告との共謀がないことを裏付けようとする質問が続いた。

弁護士:「つぐみさんの家に行くのはあなたが考えた?」
和美被告:「そうですね」

弁護士:「防犯グッズ店を恵美さんが調べていたのは?」
和美被告:「調べてと頼みました」

弁護士:「強盗するという話をしたことはあった?」
和美被告:「ないです」

弁護士:「一度もない?」
和美被告:「はい」

不可解な関係 知人の女にとって2人は”債権者と債務者。人に説明するとき友人”

岡村被告のことを逮捕後の勾留質問で「友人」取り調べでは「親友」と表現した和美被告。法廷で2人の関係について聞かれると「債権者と債務者の関係」とはっきり答えた。

弁護士:「令和5年(2023年)6月当時、和美さんと恵美さんの関係は?」
和美被告:「債権者と債務者」

弁護士:「友人という認識は?」
和美被告:「すみません。私の中ではありません」

2人の関係については裁判官からも質問があった。

裁判官が「本心は債権者と債務者。人に説明するときに友人と言っていた?」と尋ねると和美被告は納得したように「はい」と答えた。

2日間にわたる被告人質問では何が語られるのか判決予定は 12月12日

休廷を挟みながら、6時間半に渡った和美被告への証人尋問は終了した。

11月25日と26日には岡村被告本人に対する被告人質問が行われる。

事件について、また和美被告との関係について岡村被告はどう語るのだろうか。

RKB毎日放送 奥田千里

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