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殺人事件で奪われた通帳から引き出した金を使った女(48) 「脅されて返却できなかった」は本当か 12日判決 裁判で被害者の妹との共謀を否認

RKB毎日放送 / 2024年12月11日 16時48分

去年6月、福岡県水巻町で当時52歳の女性が殺害され、通帳などを奪われた強盗殺人事件。

女性を殺害したとされる妹(52)と共謀し、強盗致死などの罪に問われた女(48)の裁判は、12日に判決が言い渡されます。

不可解な2人の関係性や食い違う主張について、これまでの裁判を振り返ります。

事件に関与したとされる人物

辻つぐみさん(当時52)を殺害したとされる妹の辻和美被告(52)。

そして、12日に判決を迎えるのは和美被告と共謀したとされる岡村恵美被告(48)です。

2人は職場で知り合い、ママ友としてつきあいを続ける中で金の貸し借りをめぐって関係が変化します。

和美被告は「借金返済のため」、長年、路上生活をしながら売春で稼いだ金を岡村被告に送金したと主張。

その総額は5800万円に上ることが確認されています。

さらに岡村被告に渡す金を工面しようと、和美被告が姉のつぐみさんの自宅を訪れた時に、事件は起きました。

和美被告は1審で無期懲役の判決

去年6月、水巻町の町営住宅で辻つぐみさんが殺害され、通帳や印鑑が奪われた強盗殺人事件で逮捕・起訴された、つぐみさんの妹・和美被告と和美被告と共謀したとされる岡村恵美被告。

つぐみさんから奪った通帳で和美被告が引き出したおよそ103万円のうち、岡村容疑者は少なくとも91万円を受け取り、2人の子供にも分けたうえで、全て使い切ったとされています。

強盗殺人の罪に問われた和美被告には、今年8月、無期懲役の判決が言い渡されました。

強盗致死罪に問われている岡村被告「共謀していない」

一方、岡村被告は現場まで和美被告を送迎するなどしたものの、殺意はなかったとして強盗致死の罪に問われています。

11月14日に開かれた裁判員裁判の初公判で岡村被告は、強盗致死事件についての起訴内容を否認しました。

岡村恵美被告「私は共謀していません。無罪です」

「債権者と債務者」か「支配者と従う人」か

20日には、共謀したとされる和美被告が証言台に立ち、岡村被告との関係性について、「債権者と債務者のような関係」「借金の返済として、売春で稼いだお金を送金していた」と証言。

しかし、岡村被告が法廷で主張したのは真逆の関係でした。

岡村恵美 被告
「(和美被告は)逆らってはいけない人。支配者と従う人としか答えられません」

5800万円は「指示されて預かっていた」

20年以上前に当時の職場で出会ったという和美被告と岡村被告。

「ママ友」として始まった2人の関係について、岡村被告は和美被告が借金の返済をする中で大きく変わったと話しました。

岡村恵美 被告
「借金の返済について、言ってこないことなどを指示された。言うことを聞かなければ、家族を拉致したり殺害したりすると脅された」

そのうえで、和美被告が岡村被告の口座に送金した5800万円についても、「指示されて預かっていた」と主張。

また、犯行時に和美被告が使う服とバッグを準備したことや、和美被告をつぐみさんの自宅近くまで送迎したことについては、「すべて指示されたこと」「目的などを尋ねることは許されていなかった」などと話しました。

和美被告がつぐみさんから奪った通帳から引き出した現金を受け取ったことについては…

岡村恵美 被告
「返そうとしたが脅されて返却することができなかった」

検察 懲役27年を求刑

検察側は、岡村被告について「心理的に上位の立場であることを利用し、自らの手は汚さず和美被告に実行犯を担わせて大半の利益を得た」などとして、懲役27年を求刑。

一方、弁護側は「岡村被告は和美被告にマインドコントロールされていた」などと述べ、強盗の共謀はなかったと主張しました。

不可解な関係の中、岡村被告の共謀の有無が最大の争点となるこの裁判。

裁判員らの判断が注目される判決は、12日に言い渡されます。

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