「好きになった人がたまたま同性だっただけ 別れて異性と結婚することが正しいの?」沙智さんの疑問 福岡高裁はどうこたえるか 同性婚訴訟 13日判決
RKB毎日放送 / 2024年12月12日 17時2分
同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして、同性カップルらが国を訴えているいわゆる「同性婚訴訟」。
全国各地で判決が出る中、福岡高裁でも13日に判決が言い渡されます。原告のカップルは、社会の変化を感じています。
司法に、原告の思いと社会の変化は届くでしょうか。
沙智さん(38)と亜美さん(34)7年半前に交際スタート
福岡市に住む石橋亜美さん(34)と副島沙智さん(38)。
2人は7年半ほど前にSNSを通じて出会い、交際をスタートしました。
副島沙智さん「好きになった人がたまたま同性だっただけであって、それはおかしいから結婚は認めないと言われると、じゃあ一緒に生涯過ごしたいと思っていても別れて異性と結婚することが正しいんですかって私は思いますし」
2年前、当時住んでいた東京都で、同性同士のカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓」を行いました。
石橋亜美さん「いわゆるプロポーズ用のリングがあって、それと枯れないバラを1本というのを用意していたんですけど『これからも一緒に過ごしていこうね』という話をしていたんですけど『ああうんそうだね』という話をしてて、なんか刺さってないな、あれおかしいなって」
副島沙智さん「お店のスタッフさんからおめでとうございますみたいなことを言われたときに、『へっ』ってなって『あ、ごめん、これプロポーズ?』みたいな感じでね。未だに笑いのネタです」
法的な「ふうふ」ではないから・・・
2匹の愛犬と一緒に暮らす2人。
自治体の制度上は「パートナー」と認定されたものの、未だに法的に「ふうふ」とは認められていません。
副島沙智さん「将来、自分が亡くなったときに自分の財産だったりとか私の持ち物に関して直接受け取れないじゃないですか。この子(愛犬)も私名義で飼ってるんですけど、今私が亡くなったときにお願いしたくても法律上私のものってなるとやっぱ1回うちの家族を通さないといけないのでそれっておかしいよねって」
石橋亜美さん「成人した大人がそれぞれ自立した状態で責任を持って生きていくということに関しては、性別はやっぱり関係がないとはすごく感じるので、なんでそこの壁が取れないのだろうかということはすごくやきもきするところではあります」
全国の「同性婚訴訟」
2人のような同性カップルが同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして、国を訴えているいわゆる「同性婚訴訟」は、全国で提起されています。
「合憲」という判決を出した大阪地裁を除き、3つの地裁で「違憲」や「違憲状態」という判決が言い渡され、いずれも原告が控訴しています。
九州でも福岡市や熊本市に住む同性カップル3組が原告となって提訴。
福岡地裁は去年6月、「違憲状態」との判断を示しましたが、それを不服として原告が控訴しています。
今年3月、札幌高裁は1審の札幌地裁が出した法の下の平等に反するという「違憲」判断に加え、婚姻の自由を定めた条項についても新たに「違憲」と判断。
今年10月には東京高裁でも、札幌高裁と同じく「違憲」という判断が示されました。
各地で「違憲」という判断が出される中、亜美さんと沙智さんも社会の変化を実感しています。
「まさか生きているうちに・・・」感じる社会の変化
石橋亜美さん「まさか生きているうちにそんな前向きな話になるとは思ってなかったんで」
副島沙智さん「同性だからとかで認められないってやっぱ悲しいなって思うのはずっとあって。人それぞれの幸せがあっていいんじゃないかなって」
13日に福岡高裁で言い渡される全国3例目の高裁判決。
亜美さんと沙智さんは未来のための前向きな判断を期待しています。
石橋亜美さん「私たちも堂々と生きられるような配慮というかその辺も考えて判決していただけることを望んでいます」
副島沙智さん「小さい頃はマイノリティという言葉もなかったですし、受け入れられる未来がまず見えなかったけど、最近になってすごい未来が見えるようになったので、期待はしています。もう籍入れられるようになったらすぐ入れたいですし、入れたら入れたで周りに入れたよーっていう報告はしたいなと思っています」
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