”保護者は傷口を広げないこと”突然の悲惨な事件・・・子供の心のケアと対応は 専門家「否定せず見守ることが必要」
RKB毎日放送 / 2024年12月17日 18時17分
北九州市のファストフード店で中学生2人が殺傷された事件。
事件への不安から、登校を控えた児童や生徒は16日は4168人、17日は2124人でした。
子供たちの心のケアをどうすれば良いのか、そして突然、事件に遭遇した際にどう対応すれば良いのか、専門家に話を聞きました。
突然起きた、悲惨な事件。
発生から時間が経って間もない今、子供たちに対して、保護者が避けるべきことは「傷口を広げないこと」と専門医は話します。
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック 飯島慶郎 院長
「子供が今、感じている感情や体験を否定するようなコミュニケーションを避けていただきたい。『大したことないよ』とか、『もう忘れなさい』とか、そういうふうに子供の感情や体験を軽視したり否定するような言葉、例え元気づける意味であっても、自分の気持ちに向き合ってくれないっていう思いを持つこともありますので、そういうことは避けるべきであると思います」
さらに事件について、無理やり話を聞くことも避けた方が良いといいます。
出雲いいじまクリニック 飯島慶郎 院長
「無理やり話させてしまうとトラウマを強化してしまう話もあり、本人がしゃべりたいならいいんだけど、無理やり話させるというような介入はむしろ有害である。追体験させてしまう訳で、そっとしておいてほしい所に2回同じ出来事、3回同じ出来事を経験させることになります」
非常に強いストレスを受けると、急性ストレス障害につながる恐れもあります。
その発症を見逃さないようにと、飯島院長は話します。
出雲いいじまクリニック 飯島慶郎 院長
「『急性ストレス障害』というのは、心理的に非常に動揺する出来事が起こった場合に、不適切なまでに心身が過剰に反応してしまったっていう状態です。一つは睡眠が変化するのはよくあることだと言われ、悪夢を頻繁に見るようになったり、夜中にぱっと目が覚めることが増えたり、もしくは寝つけない、不眠症状が出てくることが多いです。それから、過剰に怖がるようになることがありますので、外出ができなくなるとか怖くて電車に乗れなくなるとか」
また、「一人でいることを怖がる」などもサインの一つということです。
改めて、今、保護者が出来ることとは?
出雲いいじまクリニック 飯島慶郎 院長
「子供自身の体験を受け入れてあげるということが必要になると思います。否定しないこと。共感的に共有し、体験を共有してあげることで、必要以上に根掘り葉掘り聞かないことで、安全な環境を提供しながら病気の発症に注意しながら見守ってあげることが必要になると思います」
続いて、犯罪などの危機管理を専門としている日本大学の福田充教授に聞きました。
もし突然、事件に遭遇した場合、私たちはどう対応すれば良いのでしょうか?
日本大学 福田充 教授(専門:危機管理)
「どんな武器を持っているか、どのような行動を取るかわかりませんので、基本的にはすぐ距離をとって逃げることが一番大事」
今回の事件を受け、北九州市の小中学校などでは、保護者に対し、登下校に付き添うなど対応を依頼しています。
日本大学 福田充 教授
「その容疑者が犯罪を重ねるということはありえますので、子供たちの安全を確保するという意味では重要な対策になるし、有効な手段だと思います。基本的には学校内で子供たちを守る安全というのは比較的確立されている状況だと思います」
その上で、日常生活のなかではどのような状況でも犯罪に巻き込まれる恐れがあることを、意識した方が良いと福田教授は話します。
日本大学 福田充 教授
「不審者を感知した場合には急いで逃げる、もしくは声を出して助けを求める。そういった機敏な行動を取れるように日々意識、社会教育していくことが大事だと思います」
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
専門家「不審者いればすぐ逃げて」 孤立受け入れる重要性も 通り魔事件、身を守るために
産経ニュース / 2024年12月16日 19時52分
-
中山美穂さんの親族に群がる「マスゴミ」に見えてしまう…「芸能人の死」を報じる新聞・テレビに欠けていること
プレジデントオンライン / 2024年12月13日 16時15分
-
北新地放火で亡くなった院長の思いやり胸に…上司らに退職迫られた男性、6年10か月ぶり職場復帰
読売新聞 / 2024年12月13日 15時0分
-
「脳がバグる!」競合他社がまさかのCMコラボ「YES!にしたんクリニック」 出演料は全額寄付も告白
ORICON NEWS / 2024年11月25日 11時56分
-
<漫画>「夫が突然殺された」女性漫画家に聞く、当時の心境「警察官の鋭い目つきが、まるで私を疑っているように感じた」
日刊SPA! / 2024年11月20日 15時53分
ランキング
-
1103万円の壁見直し、折り合わず=国民民主「打ち切り」―3党協議
時事通信 / 2024年12月17日 17時38分
-
2トランプ次期大統領が急転直下、石破首相との早期会談に意欲…狙いと昭恵氏「懇談」を巡るナゾ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月17日 16時3分
-
3万博前売り券の販売、計画の半分740万枚にとどまる…関電・大阪ガスが計10万枚を追加購入
読売新聞 / 2024年12月17日 15時0分
-
4釧路市の港で車が海中転落 搬送された男性2人死亡「ドリフト走行がうるさい…」苦情も
HTB北海道ニュース / 2024年12月17日 18時1分
-
5聖籠町次第浜の空き家敷地から男性遺体 死体遺棄事件として捜査本部設置 新潟県警
BSN新潟放送 / 2024年12月17日 14時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください