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建設業界の2025年問題 人手不足の救世主 狙うは”外国人大学生” ベトナムの大学と連携して人材育成する建設会社

RKB毎日放送 / 2025年1月6日 18時40分

団塊の世代が全員75歳以上となり、高齢化に伴う様々な問題が生じるとされる2025年問題。

特に建設業界では職人の高齢化が進み人手不足が深刻となる中、新たな取り組みを始めた建設会社を取材しました。

ベトナムの大学関係者が見学に

福岡県糸島市の建設会社「へいせい」が建てたモデルハウスです。

この日、ベトナム人の男性2人が訪れました。

部屋の間取りから柱の材質まで、くまなくチェックしていきます。

ズイタン大学 建築学部 ホアン・ハー 教授「日本の技術が非常に高いのは世界でも有名なんですけど、やはり家はそれを全部表現できるというところに非常に感動しています」この2人、家を探しに来たわけではありません。

へいせい 建築部 濱里芳文 部長「ベトナムのズイタン大学様の方からフー副学長とハー教授に来ていただいて、日本の「へいせい」がどういう風な仕事をしているか、どういう風な業態なのかというのを説明しております」

「高齢化をいかに食い止めるか」狙いはインターン生

ズイタン大学は社会主義国であるベトナムに初めて設立された私立大学です。

「へいせい」は2024年9月、この大学の中に建設業について学ぶ「スキルアップラボ」という研究室を設立しました。

大学からインターン生を受け入れることが狙いです。

へいせい 建築部 濱里芳文 部長「募集をかけてもなかなか若い方が応募に来てくれない。弊社の方でも高齢化がどんどん進んでいっておりますので、それをいかにして食い止めるかというところが今の課題になっております」

高齢化深刻な建設業界・3人に1人以上が55歳以上

団塊の世代が全員75歳以上となり、高齢化が進むことで様々な問題が生じると言われている「2025年問題」。

特に深刻なのが建設業界です。

総務省の労働力調査によると、建設業の就業者で55歳以上の割合は年々増え続け、2023年には約37%に。

その一方で、29歳以下は約12%にとどまっています。

救世主は”外国人”さらに外国人学生も・・・

こうした中、「へいせい」は8年前から外国人労働者を積極的に受け入れてきました。

現在、建設現場では外国人のスタッフ20人が働いています。

福岡市南区の建設現場で、監督の役割を担うベトナム人のフイさんです。

へいせい ジエック・カイン・フイ 所長補「自分は専門とか日本語を高めて両国を発展支援したいと考えて、実現をするもっとも早い方法は日本に住んで働くこと」

人手不足を外国人労働者で補ってきた「へいせい」。

しかし、足りないのは建設現場で働く人だけではありません。

建物の設計やCGを作成する人も不足しているため、人材の育成と確保を目指し、今回、ベトナムの大学に研究室を作ったのです。

へいせい 建築部 濱里芳文 部長「見えますでしょうか?こちら部屋の中のパースですね。3Dの画面になってます」

RKB 江里口雄介 記者「これも学生さんが作ったやつ?」

へいせい 建築部 濱里芳文 部長「そうです。ある程度技術は持っているんですけれども、若干日本と違うというか、例えばこちら彼が作った3Dのパースですけれども、すごく見栄えは良くて、いいんですけれども、なかなか日本の家でこういう森の中というか、林の中にあったりする家っていうのは少ないのかなと」

RKB 江里口雄介 記者「確かに。」

連携の成果「広げていきたい」

学生たちは日本の建築様式やシステムを学び、その中で選抜された1人がインターン生として1年間日本にやって来ます。

今年のインターン生に選ばれたヒエンさんです。

ズイタン大学 建築学部 4年 グエン・ティ・タイン・ヒエンさん「日本に行きたい理由は、日本の文化を学びたくて、そして日本が使用しているCGソフトを勉強したいと思ったからです。インターンで自分が日本でやっていけるか確認して、もしチャンスがあれば日本に戻りたいと思います。」

この会社では、スキルアップラボで学んだ1期目のインターン生が働いています。

ズイタン大学 インターン生 チャン・ティエン・サンさん「日本人の働き方勉強したいです。例えば、職場での時間厳守です。挨拶の文化です。私は日本の文化が好きです」

サンさんが作るCGは精度も高く、広告にも使っているそうです。

へいせいGHD 広報主任 永翁慎介さん「彼はまだ大学生なので1回ズイタン大学のスキルラボに戻って、学んだ日本の建設ソフトをスキルラボの生徒に教えてもらう予定です」

RKB 江里口雄介 記者「また戻ってきてほしいという思いは?」

へいせいGHD 広報主任 永翁慎介さん「めちゃくちゃ戻ってきてほしいです」

職人の高齢化が進み人材の確保が難しくなる中、注目される海外の大学との連携。

両者は今後、さらに取り組みを広げていこうと考えています。

へいせい 建築部 濱里芳文 部長「これをどんどんいろんなゼネコンさん、他の会社の方に広めていって、ベトナムと日本という大きなくくりで今後大きな協力が出来るかなと思っています」

ズイタン大学 グエン・フー・フー 副学長「今回の成功事例はベトナムで今、注目を集めていて、今後は提携している大学の学生にも使ってもらおうと思っています」

RKB 江里口雄介 記者「そうしたらハー先生はどんどん忙しくなりますね?」

ズイタン大学 グエン・フー・フー 副学長「そうです」

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