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JR九州の「鉄聞」 惜しまれつつ・・・100号を最後にインスタへ 去年は「フリーペーパー・オブ・ザ・イヤー」最高賞にも

RKB毎日放送 / 2025年1月9日 19時26分

JR九州の東京支社が発行している「鉄聞」というフリーペーパーがあります。

去年は、「フリーペーパー・オブ・ザ・イヤー」最高賞にも選ばれました。

10年以上、1人の社員が制作を担当していて、このほど区切りの100号が発行されました。

「九州の旅、首都圏の人に知ってもらいたい」

2013年に運行を始めた豪華寝台列車「ななつ星in九州」、

浦島太郎の竜宮伝説をモチーフにした「指宿のたまて箱」など、

九州の列車の旅を、首都圏の人たちに広く知ってもらおうと発行されているのが、フリーペーパーの「鉄聞」です。

創刊当時から現地を”取材”して制作

制作を担当しているのはJR九州東京支社の保戸田麻衣子さん(43)。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「色鉛筆は12色くらい。無い色は混ぜて使っています」

2011年の創刊当初から「鉄聞」づくりに携わってきました。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「ほとんどの列車に実際に現地に行って乗ってみて、
あと現地の方のお話を聞いたりとか、
あとはJR九州の各支社の方に同行取材してもらったりとか、
いろんな方にご協力いただきながら発行しました」

創刊当時の上司は当時をこう振り返ります。

JR九州 宮野原佳 総務部担当部長
「保戸田さんが私のところに鉄聞っていうフリーペーパーをやってみたいと
言ってきたのが最初のきっかけなんですよね。
自分でイラストの学校まで通ってずっと続けてくれたんですよね。
それはすごい印象深いですね。
彼女はやっぱり真面目で実際に現地に取材に行くんですよ。
その場所まで行っていろんな方の話を聞くんです。
紹介されているお店も、一軒一軒ちゃんと彼女が訪ねて行って書いている。
本人がやりたいと言って始めた仕事とはいえ、
まぁ、丁寧に作っているなと思います。
千葉の出身なんですよね。
逆に九州愛がこんなにたくさんあって私たちJR九州にとっても大事な社員です」

イラストも記事も全て手書き

保戸田さん自身が一番印象に残っているのは「ふたつ星4047」のイラストが描かれている「鉄聞」88・89号。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「育休明けで久しぶりに取材に行って、
久しぶりに鉄聞を書いたという思いがありまして、
上手に書けたかなと思っています」

「鉄聞」の一番の特徴はイラストも記事も全て手書きであることです。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「もともとフリーペーパー専門店がオープンしたときに、
既存のパンフレットを持って行ったら、
それはフリーペーパーではなくパンフレットだと断られてしまいまして、
たまたま目に入った小学生が書いた手書きの新聞を見つけて、
それで『こんな感じで手書きで書いてきたら来たらいいですか?』
とお伝えしたら、店主の方が『いいですよ』とのことだったので、
手書きで書いてみました」

ただ、手書きにしたことで苦労もあったと言います。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「イラストは苦手です。
カルチャー教室に通ったり通信教育をしたりして練習しています。難しいです。
なかなかうまくならないです」

「フリーペーパー・オブ・ザ・イヤー」最高賞に

そんなイラストも「温かみがある」と好評の「鉄聞」。

2013年には「日本フリーペーパー大賞」の読者投票部門で1位になりました。

去年は「フリーペーパー・オブ・ザ・イヤー」で最高賞に選ばれました。

記念すべき100号が完成

保戸田さんの日ごろの業務は経理や秘書などのデスクワーク。

こうした日常業務のかたわら、「鉄聞」の制作をしていて構想から完成まで、およそ1か月かかります。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「できました~」

記念すべき100号が完成しました。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「良かったです。安心しました!!無事に出来上がって」

当初は月一回の発行が基本でしたが、保戸田さんが産休の間は発行せずコロナ禍以降は2か月に一度のペースに変更。

創刊から13年あまりでこのほど100号に到達しました。区切りの100号は、保戸田さん自身や見守ってきた人たちの思いで埋め尽くされています。

紙面には、読者への感謝の言葉が綴られています。

(100号より)
「今までありがとうございました!2011年から発行を開始した鉄聞。
今回で100号をむかえることができました!
これもひとえに皆さまの応援があってこそ続けることができました!
おしまい。そして新鉄聞へ出発!」

元祖鉄道アイドルもファンのひとり

元祖鉄道アイドルの豊岡真澄さんも「鉄聞」ファンの一人です。

元祖鉄道アイドル 豊岡真澄さん
「鉄聞の魅力は、なんといっても手書きの温かさじゃないでしょうか。
写真とかデータで残すこともできますけど、
手書きのぬくもりに勝つものはないと思っているので、
いつもその温かみを感じながら読んでいます。
門司港駅が100周年を迎えた時と、グランドオープンを書いた時の
この二つの号がとっても好きで、駅舎も歴史あって素敵ですし、
この駅舎書くの大変だったろうなって思いながら、
門司港駅って、駅長さんと駅員の方の制服が違うんですよ。
私きょう、JR九州さんの制服をお借りしてるんですが、見てください、
ちょっとレトロな制服が、門司港駅だけの、そういう情報も鉄聞にしっかりと
書いてあって『あー、おさえてるな』と思いました」

豊岡さんはこんな楽しみ方をしているそうです。

元祖鉄道アイドル 豊岡真澄さん
「鉄聞を見て『あ、門司港のこのカレー食べに行ったな』とか
『駅員さんたち、こういう制服だったな』とか、
逆にその懐かしい思い出フォトアルバムとして1枚のこの鉄聞を見ている
っていう楽しみ方をしています」

「鉄聞101号」は?

「感謝」の思いが込められた「鉄聞」の100号は500部印刷され、都内にある九州各県のアンテナショップなどに配られました。

かごしま遊楽館 観光案内コーナー 矢幡千穂さん
「今どき手書きのものってないんですよね。
九州の人の温かさがすごく感じられるということで、喜んでいただいています。
結構すぐに無くなります。
紙の貴重な資料っていうのは珍しいので、ほんとは続けてほしいです」

「鉄聞101号」は、あるのでしょうか。

JR九州 保戸田麻衣子さん
「今後は101号ではなく、インスタグラムで随時投稿してくようにしていきます。
これからは列車ですとか九州の食、駅舎とか
いろんな九州の情報を発信していきたいと思っています。
なるべくコンスタントに投稿していきたいと思っています」

紙の新聞からインターネットでの発信に変わりますが、これからも手描きの温かさはそのままに、九州の魅力を伝え続けます。

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