「今後の鳥町食道街の復興に向けた礎になれば・・・」 火災から1年 焼きうどん「だるま堂」がキッチンカーでの営業をスタート
RKB毎日放送 / 2025年1月13日 18時28分
北九州市小倉北区の鳥町食道街などを襲った大規模火災から今月で1年が経ちました。
復興に向けた取り組みが進められるなか、伝統の味を守り続けてきた老舗の「だるま堂」が新たな一歩を踏み出しました。
食欲をそそる香ばしいソースの香り。
小倉発祥のご当地グルメ、「小倉焼うどん」です。
小倉焼うどんの発祥の店、「だるま堂」の竹中康二さん(56)。
11日、火災で焼失した鳥町食道街の跡地で、キッチンカーでの営業をスタートさせました。
50代女性客「美味しいです」
50代男性客「ここが復活したっていうのをネットか何かで見たのでとりあえず来てみようかなと」
終戦直後の1945年に創業した「だるま堂」。
名物の焼うどんは、当時、食糧難で焼きそばの麺が手に入らず、干しうどんで代用したのが始まりとされています。
多くの人に愛されてきた「だるま堂」ですが、6年前、2代目の店主が亡くなり、一度閉店に。
「地元が誇る食文化を守りたい」と店を引き継いだのが竹中さんでした。
だるま堂・竹中康二店主「今から75年前くらいに焼うどんがこの街で生まれて、ずーっと75年間ここで焼いて提供され続けてきて、当たり前が続けている形になっていけばなと」
しかし去年1月、正月でにぎわう鳥町食道街一帯を大火が襲いました。
岩本大志 記者「北九州市の商店街です。商店が建ち並ぶこの一帯で激しい炎と煙が上がっています」
だるま堂・竹中康二店主「すごいですね、黒煙が今また。鎮火するのかなと思ったら、また爆発音が・・・なんとも言えないですね」
火は瞬く間に燃え広がり、隣接する商店街とあわせて36店舗が被災。
「だるま堂」も水道や電気などが止まり、営業中止に追い込まれました。
だるま堂・竹中康二店主「なかなかどうするかというのを僕が先の展望が見えないという状況ですよね。ここの場所っていうのはやっぱりうちはこだわりたいですよね」
被災後はイベントでの実演販売などを続け、去年4月には小倉井筒屋への出店までこぎつけた竹中さん。
「いつかは元の場所で営業を再開したい」と、今回、食道街の跡地にキッチンカーの店舗として復活させることを決めました。
だるま堂・竹中康二店主「前のがのれんやしね、長いけんね、中の顔が見えんけど・・」
オープン前日にはのれんや横断幕を掲げる場所のチェックなど、開店準備に追われていました。
今回、出店するのはもともと「だるま堂」があったすぐ隣の場所。竹中さんには強い思いがありました。
だるま堂・竹中康二店主「(店の)形は残っているんだけど、ここでの営業はできない状況であったというつらい状況だったんですけど。この場で生まれた元祖の焼うどんの味をその場所でご提供することができるっていうことが意義があるのかなと」
そして迎えたオープンの11日。子供の客「おいしいです」
中には、被災前から「だるま堂」をよく訪れていた人も。
40代男性客「だるま堂の味ですねこれは。昔の鳥町食道街みたいにカウンターに座って鉄板の前で、そんなお店がまた再建できたら嬉しいなと思います」
40代男性客「写真撮ります。おいしいですね。独特のソースと言いますか、細いうどんといいますか、ああこうだったなと思い出しながら食べているんですけど」
火災から1年。小倉焼うどんの味を継承してきた「だるま堂」が、再開に向けた新たな一歩を踏み出しました。
だるま堂・竹中康二店主「ここでだるま堂が復活するっていうことがですね、今後の鳥町食道街の復興に向けた礎になればいいなと。鳥町食道街が再生する時にはきちんとした形でこちらにお店としてぜひとも復活したい」
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