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「”見立てる文化”が楽しい」野村萬斎さん 狂言の魅力を語る 走り回って酸欠になることも「基本的にはドラマ 気軽に見て欲しい」

RKB毎日放送 / 2025年1月24日 18時31分

1月、福岡市で伝統芸能・狂言を披露した野村萬斎さん(58)。狂言や能の魅力、そして福岡への思いなどについて、話しを聞きました。

Q.伝統芸能・狂言とは? 能楽師 野村萬斎さん「私の流行り言葉でいうと“おままごと”の延長、つまり”見立てる”この扇が『どぶどぶ』とやると、お酌した徳利になるし、受けると杯みたいになって、こうやるとお酒を飲んだことになる想像力というか、遊びがあるわけで『見立てる文化』が楽しい」

1月、福岡市の大濠公園能楽堂で開催された「ふくおか万作の会」。

野村萬斎さんの父で人間国宝の万作さんの代から38年続いている舞台で、親子三代による狂言を一目見ようと、多くのファンが訪れました。

観客「熊本から。去年夏初めて見て狂言に魅せられました」

観客の親子・母親「子供たちを前回の公演で大分まで連れて行った」
「ずっと中腰で歩いてすごい」
息子「笑えるところもあったら笑いたいし、すごいところをしっかり見つけながら見たい」

観客「20年30年に一度の大曲続き。どちらも見ごたえがある」

今回、萬斎さんが演じた演目は「釣狐」約260ある演目の中で最も体力と筋力を使うといわれています。

キツネの面を被った状態のため、表情ではなく、体全体を使って表現します。

野村萬斎さん「狂言の中で大曲と言われる大きな曲でしてね。2、30分で演じ切るのが普通の狂言で軽妙な笑いが多いんですけど。キツネの真似をするもんですから激しく走り回ったりするわけですよ。酸欠にもなるし激しく動き回るので体をそのために作りあげなければいけない。しかも、85分もの間、面を被っているので苦しいんですよ。ボクサーが試合前に体絞っていくみたいな。そういうニュアンス。ストイックなものを秘めながらやっているので」

「釣狐」は、年老いたキツネの物語。キツネ狩りをする猟師を説得するため、年老いたキツネは僧侶に化け、「殺生の罪深さ」や「祟りの恐ろしさ」を伝えます。

猟師はキツネ狩りを止め、罠で使っていたキツネの好物「油揚げ」を捨てます。僧侶に化けていたキツネは、その誘惑に負けてしまい、猟師に正体がバレてしまいます。

欲望のまま行動をするのか、それとも耐え忍ぶのか。日常生活の中でも起きそうな場面をコミカルに描いているのが、狂言「釣狐」です。

Q.今回の福岡公演でこの演目を選んだ理由とは?
野村萬斎さん「特に福岡では『万作の会』の第一回目が“38年前の父の狐だった”ご縁もあり、私も父が白狐をやったのと同じぐらいの年になりましたので、還暦になると一種生まれ変わるのでしょうけれど、58という還暦前に、ある種、肉体の限界と向き合いながらも、少し老いに向かっていける心境。私も60になる前にもう一度、取り組みたいなと」

RKB 本田奈也花アナウンサー「福岡でも公演をよくされていますがどんな印象をお持ちですか?」

野村萬斎さん「福岡、特に大濠公園能楽堂は観客席と舞台の距離感がとてもいい。近いですね。また、観客ののりがいいので、やっていてのせてもらえるというか、観客の反応も非常にありますから、いつも楽しみにしております」

本田奈也花アナ「最後に視聴者の皆さんへ一言お願いします」

野村萬斎さん「能、狂言は堅苦しく思われるかもしれませんけど基本的にはドラマです。何百年も続いてきた知恵、洗練の仕方、気軽に見ていただきたいですし、感心することはいくらでもあると思います。ぜひ、お目にかかりたいと思います。」

約30分にわたって聞いた狂言の魅力。最後に萬斎さんからこんな気遣いの言葉がありました。

野村萬斎さん「足大丈夫ですか?」

本田奈也花アナ「感覚がなくなっております。」

野村萬斎さん「撮影中に感覚がなくなったのも分かったよ。すぐ立たない方がいいと思う(笑)」

今年5月には福岡市の大濠公園能楽堂でアニメ「鬼滅の刃」を題材にした能が披露されます。

萬斎さんが演じるのは、鬼滅の刃で人気のキャラクター、煉獄杏寿郎と言うことです。

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