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「巨大地震注意」いざという時に… ママ防災士に聞く子どもと備える防災術

南海放送NEWS / 2024年8月9日 7時0分

南海放送

午後4時43分、報道フロアに鳴り響いた緊急地震速報の音。

机の下に潜りながら、落ち着け、落ち着けと心の中で自分に言い聞かせるも、迫りくる地震への恐怖を感じていた。

宮崎県で最大震度6弱を観測した日向灘を震源とする8日の地震。マグニチュードは7.1。

愛媛では最大震度4と、現時点で被害などは確認されていないが、地震後気象庁は、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表し、巨大地震が発生する可能性が普段と比べて相対的に高まっているとして、今後の政府や自治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとるよう呼び掛けている。

大人でも冷静さを保つのが難しい、地震。

子どもは、それ以上の恐怖を感じ動揺するだろう。

子どもの安全を守りつつ、少しでも緊張感や恐怖心を和らげる方法はないだろうか。

松山市在住で中学1年の長男、小学5年の次男、幼稚園児の長女の3児の母、石井けいこさん。ベビーマッサージなどの教室を主催するほか、防災士として子育て中のお父さんやお母さんに向けて防災術をSNSなどで発信している。

そんな石井さんに伺った。

「触れてあげるだけでリラックス効果」

3児の母で防災士の石井さん

石井さん:「揺れを感じた後、子どもを抱っこして“トン、トン、トン、トン”っと一定のリズムで、体をさすってあげることで情緒が安定するんです。トントンしながら『大丈夫、大丈夫。こわかったね』と声をかけてあげる。特に仙骨(お尻の割れ目の上あたり)を優しくマッサージしてあげることでリラックスしたり、ストレスが軽減したりすると言われています」

「人のぬくもりを感じる事ってとても大きなリラックス効果に繋がるんです。手を握るだけでも良い。子どもだけじゃなく、大人も触れているだけでホッとするんですよね」

また、自分の体を触るだけでも緊張した体がほぐれるという。

仙骨付近を撫でながら一定のリズムでさすってあげる

離れ離れで地震に遭遇したら…家族をつなぐ「防災カード」

8日の地震が発生した時、筆者は仕事中、1歳の息子は保育所にいた。

幸い仕事場も保育所も被害はなく、通常通り迎えに行くことができたが、子ども達が学校に行っている時や遊んでいる時、お父さんお母さんは仕事や買い物中…など、家族が離れ離れでどこにいるのかも分からない状況で地震が起きたら…

石井さんは“防災カード”の携帯を提案している。

防災カードには、事前に家族で話し合った、待ち合わせする避難所などを記載し、普段持ち歩くバッグや財布、子ども達の場合はランドセルや通園バッグに入れておく。

石井さん:「アレルギーや基礎疾患、暗い場所が苦手、など子どもの特徴を防災カードに書いておくと、親と合流する前に子どもが避難所などでカードを別の大人に見せることで自分の身を守る材料に。防災カードに家族写真を付けておくと、家族を探す際のヒントになります」

防災カードを作ろう
防災カード(見本)

「ゲーム感覚に近いかも」日常生活の中に自然と防災を取り入れていく

石井さん:「地震がきたらどうするんだっけ?と言うと、幼稚園児の娘はダンゴムシのポーズをしたりカバンで頭を隠したりします。子どもにとっては、ジェスチャーゲームのような感覚に近いかもしれません。日常生活に災害への備えを溶け込ませることが子どもにとって自然と防災が身に着くきっかけになるんです」

「近所を散歩する時も“この道には高い塀があるから気を付けなくちゃね”とか“この道は今工事中だから地震が起きたら、もしかしたら通れなくなっちゃうかも”など、子ども達と会話をしながら歩くことで、家族で避難所に向かうルートを想定できたりします」

ダンゴムシのポーズをとる石井さんの長女(写真:石井さん提供)

「巨大地震注意」という情報が初めて出され、政府は今後1週間程度、日頃からの地震の備えの再確認や地震が発生した場合に、すぐ避難できる準備を続けてほしいとしている。

石井さんに話を伺った時、防災といえば、これまで防災グッズや非常食などモノを備えることへの意識が強かったが、それに加えて、ふれあう、話し合うなど、日ごろから“し合う”ことも防災の大切な安全・安心対策のポイントだと改めて感じた。

(オピニオン室 清家夕貴)

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