【おはよう短編小説】やりたい事はあるけれど面倒だし冒険なんてできないからこのまま死にます

ロケットニュース24 / 2012年2月21日 7時0分

【おはよう短編小説】僕の名前は伊藤翔。大学を卒業して就職し、今年で27歳になります。僕が定年退職するまでこの会社にいられるかどうかわからないけれども、自分から辞めることはないと思う。好きな仕事じゃないけど生きていくためにはお金は必要だし、自分から辞めるなんてできない。

やりたいことはたくさんありますよ。やりたい仕事も趣味もたくさんあります。転職して入れるなら入りたい会社もあります。でも、いろんなことにチャレンジをして失敗したらと思うと怖いのです。仕事がなくて貧しい生活をするなんて嫌です。恐怖しかありません。だからこのままつまらない仕事でも続けていたほうがマシなのです。

だから、このままクビになったりしない限り、僕はこの会社を辞めることはありません。このままずっと何年も何年も好きでもない仕事を繰り返して、定年退職して、老いて、このまま死にます。

やりたい事はあるけれど、面倒だし冒険なんてできないからこのまま死にます。そんな人生に対して不満や不安はありますよ。しかしそれ以上に「恐怖」があるのです。今の「つまらないけど安定した生活」が崩れてしまうんじゃないかという恐怖が。

眠いのにムリヤリ起きて食欲もないのに朝ご飯を食べ、どんなに寒くても通勤のために外に出て、吐く息が充満した通勤電車に乗って会社に行って、自分じゃなくてもいい誰でもできる仕事をする。

でもそれでいいんです。誰でもできる仕事だったとしても、そこに自分がパーツとしてハメられたのならば、それは自分に運があったってことです。運があるから今の仕事ができるのです。せっかくのラッキーを「自分がやりたい事」に手を出したがために失ってしまうのは馬鹿のすることです。だからこのまま定年退職まで働いて老衰で死のうと思います。

■関連記事

ロケットニュース24

トピックスRSS

ランキング