【おはよう短編小説】そうしないと自分を保てないんだ

ロケットニュース24 / 2012年3月5日 7時0分

【おはよう短編小説】オッス! オレは28歳独身のサラリーマン・村岡太郎だ。仕事は事務。給料は手取り16万円。ランチは毎日390円の弁当。朝は6時に起きて7時には家を出る。通勤手段はバスに1回乗って電車に1回乗る。通勤時間は家を出てから会社に着くまで約1時間20分。

今の仕事が楽しいかどうか? 楽しいはずないじゃん(笑)。ぶっちゃけこんな仕事は中学生でもできちゃうんだよね。だから別にオレがやんなくてもいいんだけど給料ほしいし辞めたいとは思わないね。お金がないとランチ食えないし生きていけないし。それに会社に不満を持ったって意味ないでしょ。

もちろんね、もっと楽しい仕事したいよそりゃ。いまの境遇を悲観したこともあった。でもね、オレみたいな平凡な男にゃ何かしようとしても「そう簡単にできるもんじゃないの」。不満に思うから何かしようと思っても何もできない。そうなるとまた不満がたまっていくでしょ?

どんどん不満がたまっていって、最終的に絶望に包まれてオワリ。そうなりたくないから、不満はあるけど自分を鈍感にして「不満とストレスのある自分」を見ないようにしたワケ。そうして「不満だらけの自分」を隔離しないと生きていけないのよ。

だってさ、いまオレ28歳でしょ? 10年後の38歳、20年後の48歳、いまのままペースを保ってやっていけるはずがないんだよね。何かアクシデントやトラブルがあって、きっと今の会社で働いていないと思うわけ。

でもさ、そんな先のこと不安に思っても解決なんてできないんだから、不安に思ったり悲観するだけ損なの。自我を消し去らないとやっていけないの。だからいつも明るくて前向きな自分を装って生きているよ。他人からみれば先のことを考えないノーテンキなバカに見えるかもしれない。けど、そうしないと自分を保てないんだ。

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