妻への愛を示すために10年間にわたって「新聞広告」を出し続ける男

ロケットニュース24 / 2012年7月1日 20時0分

「広告」とは何のために存在するのだろうか? 商品やサービスの宣伝、そのほか紙面を買ってでも伝えたいことのために、存在するのかもしれない。

81歳の元弁護士、ジョー・インバーは一般的ではない方法で、新聞広告を活用している。それももう10年にわたって。彼は妻への愛を示すために、年に二回紙面を買い、新聞広告を出しているのである。
 
現役を引退した彼は、弁護士であった時代にかなり難しい事件を担当した経験を持つ。これまでに25の死刑判決の被告人の弁護を受け持ち、近年も世間を震撼させた犯罪に携わっていた。その業界では知らない人がいないと思われるほどの凄腕弁護士だったのである。

驚いたことに、世界的に知られる凶悪事件を引き起こしたスタンリー・ウィリアムズの死刑に立ち会ったという。この人物は重犯罪者でありながら、服役中に更生し9冊の書籍を出版、ノーベル平和賞にノミネートされたこともある。結局恩赦を受けることなく、2005年に処刑されている。

そんなジョーは、駆け出しの頃に、交通事故を扱い、そのクライアントだった妻アイリーンと出会った。事件が解決した後に、ジョーは彼女を誘い交際に発展、結婚を経てあたたかい家庭を築くにいたったのである。彼はアイリーンへの愛を示すために、2002年から毎年二回、次のような内容の新聞広告を掲載している。
 
「誕生日おめでとうアイ(アイリーンの愛称)、ローマンズ(米アパレル)へ買い物に行こう。会えなくて寂しいよ」
 
残念ながらアイリーンは、2002年7月8日に卵巣ガンで亡くなった。ジョーはそれからの毎年、彼女の誕生日と命日に広告を出しているのだ。継続すること10年、しかしジョーは「大したことではない」と語っている。10年目を迎える今年の7月8日には彼女の誕生日と命日を記し、
 
「いつも愛していることを忘れないで」
 
と、掲載する予定だ。娘のステーシー、孫のマルコの名前とともに。「広告」とは何のために存在するのだろうか? ジョーが10年間続けているように、誰かが生きた証と、自らの思いを伝えるために、利用されても良いのではないだろうか。

参照元:Los Angeles Times(英語)


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