【米コロラド州銃乱射事件】自分の命を犠牲にして愛する人を守った男性が世界中から称えられる

ロケットニュース24 / 2012年7月23日 17時0分

【米コロラド州銃乱射事件】自分の命を犠牲にして愛する人を守った男性が世界中から称えられる

2012年7月20日、アメリカ・コロラド州オーロラ市の映画館で、銃乱射事件が発生した。映画バットマンシリーズの最新作『The Dark Knight Rises』の上映中に起こったこの事件では、今のところ12人の死者、58人の負傷者が出ており、世界中がこの残虐な事件に大きなショックを受けている。

犯行に及んだのは、ジェームズ・ホームズという男で、逮捕時自分のことを「ジョーカー」(映画バットマンシリーズに登場する悪役の名前)と名乗っていた。そしてその犯人から、自分の愛する人を命がけで守った男性が現在世界中に感動を与え、本物のヒーローとして称えられている。

彼の名前は、Jon Blunk(25歳)といい、事件発生当時、彼女のJansen Youngさん(21歳)と一緒に映画を見ていた。彼らは昨年10月に付き合い始めたらしく、注目を集めていた映画『The Dark Knight Rises』の公開初日チケットをゲットできたことを大変喜んでいたという。

しかし映画上映中、事件は起こった。Jansenさんは事件が起こった時、これは何かの冗談だろうと思ったという。しかし軍務経験のある彼氏のJonさんは、すぐさま異変に気づいた。この時のことをJansenさんは、ニュース番組のインタビューのなかで次のように話している。
 
「彼は、私にかがみこませ、『Jansen、かがんで、じってしておくんだ』と言いました。そして私を座席の下にとても強く押し込み、自分の体を盾にして私を覆ってくれたのです。彼は私の耳元で、ささやくように言いました。『銃を持った奴が、みんなを撃っている』と」
 
犯人による銃撃が行われていても、Jansenさんはこれが現実だとは信じられなかったという。そうして身を潜めていると、一人の女性が「撃たれたわ、撃たれた」と叫び出した。Jansenさんはこの時、自分の体がなにかの液体で濡れていることに気づいた。
 
「私はそれが何なのか、本当に分かりませんでした。その時、あちこちが濡れていて、私はこう考え始めました。『これは水風船に違いない。水風船以外のもので、こんなに濡れるはずはない』と」
 
しかし後に、それが血だったことが分かった。この他にも、Jansenさんは自分が隠れている座席の上で、ある男性が「Jessie(女性の名前)が撃たれた!」と大声で叫んでいるのを聞いており、「銃撃が聞こえるたびに、『もうダメだ……私は終わった』と思いました」とその時の心境を語っている。

そんな恐ろしいことが目の前で起こっていながらも、彼氏のJonさんは懸命にJansenさんを椅子の下に押し込み続けた。しかしある瞬間、Jansenさんは自分が撃たれた感覚を覚えた。それも何箇所に。恐らくこの時、榴散弾(りゅうさんだん)を受けたのだろうと、後にJansenさんは自分の胴に残った傷跡を見て、そう振り返っている。
 
「Jonはこの時、しっかり私を奥に押し込んでくれました……その後、私の背中を押す彼の腕の力が、全く感じられなくなりました。しかしそれでも、彼がそこにいるのは分かりました」
 
彼女はその時なにかが起こったのだろうと思ってはいたが、彼が亡くなっているとは思いもしなかったという。
 
「私は彼の体を揺すり、『Jon、Jon!行かなきゃ……ここから逃げなきゃ』と呼びかけた時、初めて彼が亡くなっていることに気づきました」
 
彼女が避難しようと、座席の下からはい出てきた時には、映画館にはほとんど誰もいなかった。そしてJonさんを肩に担ぎ、運び出そうしたが、彼は全く動かない。
 
「Jonは私を守るために、撃たれたのです。彼は私に生きるチャンスをくれました。彼はあの夜だけ、ヒーローだったわけではありません。ずっとヒーローだったのです。彼は言っていました。『Jansen、僕は自分の国のために働くため、生まれてきたんだ』と。彼は再び軍に入るつもりでした。それが彼のしたかったことであり、好きなことでした。きっとあの日、彼は可能なら、私にしたように他の人も守っていたことでしょう。そういう人なんです、彼は」
 
最後にJansenさんは、これからのことについてこのように話している。
「私は、今自分がコロラドに残りたいのかも分かりません。3日前、私はJonと暮らすため、Jonと一緒にいるために、コロラドに戻ってきたのです。しかし今は、何のためにコロラドにいるのか分かりません」

自分の命をかけて、愛する人を守ったJonさん。彼の勇姿、そしてJansenさんへの愛は、きっとこれからも語り継がれ、一生人々の心のなかで、その優しさは輝き続けていくことだろう。ここに謹んで、Jonさんのご冥福をお祈りしたいと思う。

(文=田代大一朗

参照元:YouTube/sweetablemaind, Daily Mail, NBCNews, The Blaze, Daily News America(英文)


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