【チェルノブイリ取材】チェルノブイリはまだ観光地として成功していない / 原発職員が苦悩「面白半分でやってくる観光客がいて心が苦しくなる」

ロケットニュース24 / 2013年4月11日 15時0分

【チェルノブイリ取材】チェルノブイリはまだ観光地として成功していない / 原発職員が苦悩「面白半分でやってくる観光客がいて心が苦しくなる」

世界規模で甚大な被害を与えた、チェルノブイリ原発のメルトダウン事故。発生から27年が経過したいまも、その傷跡は癒えることなく残っている。そんなチェルノブイリ原発の半径30キロ圏内は許可なく入ることはできない。

・職員から苦悩の言葉
しかし、旅行代理店を通してウクライナの非常事態省に見学を申請し、許可が出れば入ることが許される。必ずチェルノブイリ情報センターの職員が案内役として同行し、ホットスポットや危険な場所を避けたり、各所を解説したり案内してくれる。今回、筆者(私)はチェルノブイリに出向いた。そして、案内をしてくれた職員から苦悩の言葉を聞いたのだ。

・何を持って観光地化の成功と言えるのか不可解
「チェルノブイリが観光地化して成功している」という声もあるが、何を持って成功と言っているのか不可解である。訪れる観光客の人数が多いから成功なのか? 少しでも人がやってくれば成功なのか? 復興につながるから成功なのか? そもそも観光客の来訪は復興につながっているのか? チェルノブイリ情報センターの職員であるモバさんは、次のように語っていた。

・面白半分でやってくる観光客に苦悩
「チェルノブイリを訪れて、現状をより多くの人たちに広めてくれる人がいるのはとても嬉しいことです。ですが、面白半分でやってくる観光客がいて心が苦しくなることもあるんです。私が説明してもなにも頭に入っていない」(モバさん 談)

・エンタメという意味での観光地ではない
ウクライナ人通訳のナターシャさんも「観光地といってもエンターテインメントという意味での観光地ではありません。チェルノブイリは学んだり考えたりするための場所なのです」と語っていた。

・一般的な意味での観光化はしていません
ウクライナの日本人向け旅行代理店『ウクライナ観光・現地オプショナルツアー』のスタッフは、「チェルノブイリ立入り禁止区域は一般的な意味での観光化はしていませんし、またできません」「いわゆる観光はOKとなりましたが、これは、研究者やジャーナリストでない一般人も立入りを申請すればOKになるという意味」と公式サイトにコメントしている。

・観光地化としてまだ成功していない
チェルノブイリは観光地化としてまだ成功していない。それは2回しかチェルノブイリに行ったことがない筆者でもわかることである。観光客がチェルノブイリに対して成熟した考えを持って訪れなくてはならないし、観光地化を目指すことが正しいかどうかさえまだわからない。しかし、真の観光地化としての成功があるとすれば、それは現地に住んでいる人たち、働いている人たちに大きな恩恵がもたらされたときである。

・ウクライナへの行き方
首都キエフまで直行便がないため、パリやフランクフルト、ローマ、アムステルダムなどを経由。成田空港からはANAやアリタリア航空、ルフトハンザドイツ航空、その他の航空会社が飛んでる。鉄道ではベルリンからワルシャワ経由、北京からモスクワ経由で行くことも可能。2013年4月現在、日本国籍の場合ビザは不要。

Report: Kuzo.


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