常に日常の危険と隣合わせ / 痛みを感じることができない「先天的無痛無汗症」の少年の生活

ロケットニュース24 / 2013年10月30日 23時0分

常に日常の危険と隣合わせ / 痛みを感じることができない「先天的無痛無汗症」の少年の生活

「痛み」とはわれわれの身体にとって、非常に重要なサインである。痛みを感じることができるから、身体の変調に気付き、危険から身を守ることができる。それがもし感じることができないとしたら、命を常に危険にさらすことになり、生き続けることが困難になるだろう。

米アイオワ州に住むアイザック・ブラウンくん(5歳)は、生まれながらにして痛みを感じることができない「先天的無痛無汗症」と診断されている。これは原因不明の症状で、彼は「痛み」を知らない。母親は「(彼の)幼少期は完全な悪夢でした」と振り返っている。

・テーブルから落ちても楽しそうなアイザックくん
母親が彼の様子が普通の子と違うと気づいたのは、ささいな出来事だった。テーブルから床に顔から落ちたときに、泣きわめきもせずに、また痛みを訴えなかったのである。むしろそれを楽しんでさえいたそうだ。

・治る可能性がない
また別のときには割れたマグカップで、手を切っていることに気づかなかったり、加熱中のオーブンに手を置いたり。両親が彼の状態に気づくまで、常に日常に潜む危険に直面していたのだ。医師に相談したのだが、それが治る可能性がほとんどない状態だと知り、失望することになる。

・身体の変化を認めること
医師が両親に伝えたアドバイスは、「身体の変化(たとえば出血した場合など)を、彼自身が認めることができるように教えることです」というものだった。われわれは痛みがあるがゆえに、出血を良いものではないと知っている。しかし彼はそれを理解できない。だから、身体のどこかから出血したりした場合、「それは身体にとって良くないことだ」と、伝えなくてはならなかった。

・20~30倍の激痛
それからしばらくして、彼は遊び場で骨盤を折ったそうだ。そのとき彼は「足首が痛むと思う」と告げたそうだ。以前と比べて、自らの身体の変化に気付くことができるようになった。しかし母親は、「彼が感じる何か(痛み)は、本当は口でいう『痛み』よりも20~30倍の激痛を感じるはずなんです」と胸を痛めている。

・夏は冷却ベストを着用
もうひとつ難しい問題がある。それは彼が汗をかかないことだ。体温の調節がうまくいかないため、夏場は冷却ベストをつけていなくてはならない。彼の状態を注意深く見守っていないと、本人も体調の変化に気付かない可能性が高いのである。

・支援団体の存在
「先天的無痛症」および「無汗症」の人はアメリカで100人程度存在すると言われている。実はその支援活動をしている団体があり、アイザックくんの両親はインターネットでその存在を知ることとなった。同じような状況で悩む家族がいることを知り、両親は少なからず心の支えになったようだ。また、痛みを知らない子どもを危険から守る方法を詳しく知ることができるようになった。

・この先何年かかるか
「先天的無痛無汗症」は残念なことに治す術が見つかっていない。だが、近年になってその原因が遺伝子にあることが判明している。具体的な対処法が見つかるのは、この先何年かかるかわからないだろう。一方で、この遺伝子の研究は慢性的な痛みを抱える人の治療に役立つ可能性もあるという。

一日でもはやく研究が進むことを願う。「痛み」がはたす役割は、われわれが感じているよりもはるかに大きいのではないだろうか。

参照元:The InquisitrODDITYCENTRALYouTube

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