【時を越えて】モネ名画『印象・日の出』 が何年何月何日何時何分の風景か解明されたと話題に / 分単位までかなり詳細な絞り込みに成功か

ロケットニュース24 / 2014年9月25日 23時0分

【時を越えて】モネ名画『印象・日の出』 が何年何月何日何時何分の風景か解明されたと話題に / 分単位までかなり詳細な絞り込みに成功か

有名無名にかかわらず、素晴らしい芸術作品は後世の人々を魅了し続ける。そして中には、現代からでは真実を見通すこともかなわない深い謎を投げかけてくる作品もあるのだ。例えばそう、モナリザの正体など未だ分からぬまま。

しかし日進月歩で進化する技術によって、歴史に埋もれた謎が解明される機会も増えつつあるようだ。今回は、なんと印象派画家として有名なモネの代表作『印象・日の出』が、何年何月何日何時何分に描かれた風景なのか、140年もの時を越えて解き明かされたというのだ!

・『印象・日の出』
印象派を代表するフランス人画家クロード・モネ。数ある彼の作品の中でも有名なのが、仏ル・アーヴルの港を描いた『印象・日の出』だろう。1870年代に描かれたこの美しい風景が、一体いつのものなのか詳細な記録は残されていない。そのため、絵の中の太陽が日の出なのか、日の入りなのか議論が展開されてきたという。

・解き明かされた時間
ところが今回、米テキサス州立大学の天文学者ドナルド・オルソンさんが、この風景の詳細な時間を突き止めたことを発表したのだ。その時間は……1872年11月13日午前7時35分! 一体どのようにしてこんなにも大昔のことを、分単位で解明することができたのだろうか?

・まずはホテルの位置の割り出し
この絵は、あるホテルの部屋から描かれたと記録されている。そこでオルソンさんは、ル・アーヴルの19世紀当時の地図と400点以上もの写真を参考に、その部屋の場所と方角を特定。そして、絵の中の太陽の位置を元に、日の出から20~30分後の風景だということを導き出した。

・潮の満ち干、太陽の位置、天気をチェック
さらに詳細な時間を割り出すべく、当時の潮の満ち干を調査した結果、絵に描かれた位置に太陽と潮の高さがくる日は、1872年と1873年をまたいだ11月中旬から1月下旬の間に19日存在することが判明。その上で、当時の気象データをチェックして、悪天候の日を対象から外したことで、候補日を6日にまで絞り込むことができたのだ。

・風の向きは?
さて、次の鍵となったのが、作品の左側に描かれている煙柱。右に流れるような煙の形から、風の向きを推測して再び気象データと照らし合わせたところ、最終候補として1872年11月13日と1873年1月25日が残されたのである。

そして最後の決め手となったのが、モネの残したサイン。彼がこの作品のキャンバスの上に「72」と記していたことで、1872年11月13日に軍配が上がったというわけだ。

・ネットからは賛否の声が
今回の発表に対して、「素晴らしい!」との感嘆の声が聞かれる一方で、「特定するには証拠が不十分だ」、「芸術的観点から、モネはこの位置に太陽を描いただけかもしれない」などと反論の声も寄せられていた。やはり世紀の画家モネの作品だけあって、議論はそう簡単には終わらないのかもしれない。

・ゴッホ、タイタニック、フランケンシュタインの謎にも挑む
実はこれまでもオルソンさんは、様々な歴史の謎を天文学や気象学見地から解き明かそうとしてきたのだ。

例えば、ゴッホの作品『麦束のある月の出の風景』が描かれた時と場所や、SFの先駆者とも名高いメアリー・シェリーが、不朽の名作『フランケンシュタイン』を書くきっかけとなった月の光の正体。さらには、タイタニックが沈んだ原因はスーパームーンだったなど、こちらの好奇心をバシバシ刺激してくれる面白い調査結果を次々と発表しているのだ。

今後も、確かな知識と鋭い観察眼、そして正確なデータを駆使して、歴史に新しい光を投げかけ続けるであろうオルソンさん。次は、あなたのお気に入りの名画の謎を解き明かしてくれるかもしれないぞ。

参照元: TEXAS State University、Twitter @Space.comNational GeographicMail Online(英語)
執筆:小千谷サチ

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