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触る、舐める、挿れる、極悪ポルノ男優の所業が長年見過ごされてきた理由

Rolling Stone Japan / 2020年11月22日 6時45分

ロン・ジェレミー(Photo by Rolling Stone / Getty Images)

複数の女性に対する数々の性的暴行容疑で訴えられているポルノ俳優ロン・ジェレミー被告。被害者は20人以上で、容疑は1996年から2020年におよぶ。すべての起訴内容で有罪となれば、最長330年の終身刑が求刑される。

2017年、ローリングストーン誌が最初にジェレミー被告の性的暴行容疑を報じた際、被告はすべて同意のもとで行われたと主張していた。今回は同誌に掲載された当時の記事を完全翻訳。ジェレミー被告の声明も掲載する。

ポルノ歴40年の大御所ジェレミー氏は64歳(註:掲載時の年齢)。決して外見で名声を勝ち得たわけではない。毛深く、肉付きのよい体格にぼさぼさの髪、のび放題の口ひげから、すぐに「ハリネズミ」の愛称で呼ばれた。性器のサイズ、精力絶倫、熟練した技術でたちまちその名を知られるようになった。深夜に放映されるB級映画はもちろん、TVシリーズ『アンソニー世界を喰らう』や映画『デトロイト・ロック・シティ』などメインストリームの番組や映画にカメオ出演した。またミュージック・ビデオにも多数出演している(LMFAOの「セクシー・アンド・アイ・ノウ・イット」では、日焼けした体に金のチェーンをぶらさげて登場)。

【動画】逮捕前のジェレミー被告が出演したミュージックビデオ、60代にして水着の美女たちと共演

「彼はごく普通の男性の代表です」。ジェレミー氏とはかれこれ30年以上も友人関係にあるポルノ俳優兼監督のニナ・ハートレー氏はこう語る。「一般的なポルノ視聴者は彼を見て、『ロン・ジェレミーみたいな奴も女を抱けるなら、俺にも望みはある』と思うんです」

こうした理由から、ジェレミー氏はポルノ界の有力者としての地位を得た――しばしば社会からつまはじきにされる業界の、ちょっとお茶目な、家族の大黒柱のような存在。だが業界内には、実際はこうしたイメージとははるかにかけ離れていると主張する女性たちも大勢いる。ローリングストーン誌が十数人の女性たちに公式・非公式の取材を行ったところ、ジェレミー氏が業界のレジェンドという自ら地位と女性たちがセックスワーカーであることを利用して、同意という基本原則を平気で無視している、と彼女たちは主張する。

「世間は彼にそれを求めているんです。私が怒り狂ってTwitterに書き込めば、みんな『それがロンだよ』と言うでしょう。ファンがヘンなことをすればルール違反だと言うのに」と語るのは、ポルノ女優のケンドラ・サンダーランドさん。2015年、ダラスの見本市でジェレミー氏から突然上半身を舐められたという。


ポルノ業界の”開かずの扉”

「彼にはノーが通じません」と、元ポルノ女優のジェニファー・スティールさんも言う。彼女いわく、1997年12月にジェレミー氏から2回、1度は写真撮影の現場で、1度は彼の自宅のアパートでレイプされたそうだ。「彼はまるで、こっちが何も言っていないかのように行為を続けるんです」

ジェレミー氏はこうした主張を否定し、これまで女性たちと交わした性行為はすべて同意の上だったと主張している。「こうした主張は真っ赤なウソ、あるいは後からこじつけたものです」と、ジェレミー氏はローリングストーン誌にメールで宛てた声明でこう述べている。「私は今まで一度も、誰一人レイプしたことはありません。重大な疑惑はすべて警察によって捜査が行われ、判事から棄却されました。告発の大半は”痴漢行為”でした。この件で起訴されたり、裁判所に出頭したことは一度たりとてありません」

こうした主張のごく一部はこれまでメディアで取り上げられたが、ほとんどは閉鎖的な業界で働く女性たちの口コミで広まっていただけだった。

全く相手にされてこなかったと一部の女性は言う。「私は、彼をポルノ業界の”開かずの扉”だと思っていました」と言うのは、ポルノ女優のジェシカ・ドレイクさん。本人はジェレミー氏から暴行されたことはないが、「数えきれないほど多くの場面で、数えきれないほど多くの女性につかみかかろうとしている現場を個人的に目にしてきた」そうだ(”開かずの扉”とは、業界内で性的加害者と噂されているものの、容認されている人物を指す言葉)。

こうしたあからさまな無関心の原因は、ジェレミー氏が業界で一目置かれているからでもある。セックスワーカーに対する偏見で、女性たちがより一層名乗り出にくい状況であるというのもある。ハリウッドやメインストリーム系の他のエンタメ業界とは違い――適切な身体接触とそうでないものは、必ずしも守られているわけではないが、はっきり線引きされている――ポルノ業界の場合は当然グレーゾーンが存在する。大半の人々が顔見知りで(時にはカメラの前で体も重ねている)性的にオープンな世界では、撮影現場や見本市でお尻を叩くことは必ずしもふとどきな行為とは限らない。

こうした理由から、ファンや他の出演者に対するジェレミー氏のふるまいは許容範囲内だと本人は言う。「撮影のために、”演技として”いちゃいちゃしたり、触ったりすることはあります」とジェレミー氏。「コンベンションでは、私はそれでお金をもらっているのです。女優たちもいちゃついて、触ってきます。それが我々の仕事です」


ポルノ業界という特殊な世界

だがローリングストーン誌が取材したポルノ女優の多くが、ジェレミー氏の行為はポルノ業界でも尋常ではないと言っている。誰からも愛される男という表向きのイメージを隠れ蓑にして、ジェレミー氏が、他の出演者の同意を無視していると言う者もいる。公共の場では、そうしたふるまいはよく言えば倫理的にいただけない行為、悪く言えば犯罪行為とみられるだろう。

「ロンは異常だと思います。性的いやがらせや性的暴行をしてまんまと逃げおおせられる人が、彼以外にいるとは思えません」。ポルノ業界歴20年以上の人気女優、ジュリア・アンさんもこう言う。「ホテルの部屋やコンドミニアム、オフィスや車の中でするのもどうかと思いますが、彼の場合コンベンションの真っ最中にするんですから」

【画像】「ロンは異常者」と語るポルノ業界歴20年以上の人気女優、ジュリア・アン(写真)

ポルノ女優のアンバー・リンさんは、ジェレミー氏のような男性の行為を「盛りのついた犬」とたとえた。「こちらの意志をはっきり伝える必要があります」と彼女は言う。

ローリングストーン誌が取材した俳優は、ポルノ業界でも基本的に同意を非常に重視していることをふまえれば、ジェレミー氏が行ったとみられる行為は極めて非道だと述べた。この業界では、スター俳優なら共演したくない俳優の「NGリスト」がある。またほぼすべての性行為を撮影前に細かく打ち合わせ、どこまでOKかを話し合っている。

ポルノ業界でも、同意の原則に違反して大問題になった例は2~3あるものの(有名なポルノ男優ジェイムズ・ディーン氏の性的暴行容疑など)、セックスワーカーたちは同意の確認の重要性を肝に銘じるようになっている。性的にどこまでOKか、境界線を話し合うのが慣例になっているのが主な理由だ。「ドルマークが関わる場合、実際のところ(同意の)線引きはより一層明確になります」とジュリア・アンさんも言う。

ジェレミー氏から性的暴行を受けたと告発した人々の大多数が、一時期ポルノ業界やセックス業界に携わっていたことも見過ごせない。

ポルノ業界ではよくあることだが、たとえ合法的だとしても、性業界には偏見が付きまとう。性的暴行や暴力事件の発生率も極めて高い。はっきり数字を出すことは難しいが、2014年、学術誌アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルスがセックスワーカーに対する性的・身体的暴力についてまとめた世界的統計によると、セックスワーカーは45~75%の割合で職場での暴力を受ける可能性が高いという。

にもかかわらず、警察に通報されるケースはごくわずかだ。明らかに、セックスワーカーが名乗り出ても警察から非難されるか、信じてもらえないのが関の山だからだ。


ジェレミーのふるまいは単なる「仕事上の危険」という問題ではない

「レイプされた被害者が責められるべきではない、と弁護士や判事が理解するようになったのはごく最近です」。 文化人類学者で『Sex at the Margins: Migration, Labour Markets and the Rescue Industry(原題)』の著者、ローラ・アグスティン氏はこう語る。「他の人は無意識のうちに、そうなったのは女性側が『そそのかすようなことをした』と思いがちです。それに加え、女性が性業界にかかわっていたとなれば、おそらく世間はたいてい『自業自得』と考えるでしょう」

言い方を変えれば、多くの人々の目にはセックスワーカーの性的暴行は同意原則の違反としてではなく、たんなる仕事上の危険と映っている。だからこそ、ジェレミー氏は長年こうしたふるまいを見逃されてきたのだ、と彼を批判する人々は言う。

「セックスワーカーになろう、ポルノ業界で働こうと決めた以上、それも仕事のうちだ、という考え方です」とバンクスさんは言う。彼女は2017年初期から、ジェレミー氏に対抗するソーシャルメディアキャンペーンの事実上のリーダーを務めている。

ジェレミー氏に向けられた容疑の大半は水面下でささやかれてきたが、法的資料によれば少なくともこれまで2度、苦情が申し立てられている。2003年、ジェレミー氏はミシガン州イプシランティのストリップクラブDeja Vuに出演後、猥褻容疑で警察から取り調べを受けた。イプシランティ警察署の元巡査部長ジョン・ミンジー氏によると、ジェレミーに会いにアン・アーバーから友人と車で駆けつけた女性が、彼と楽屋に消えた後、押さえつけられて強姦されたと主張した。

ミンジー氏いわく、女性の友人からは裏が取れなかったそうだ。「友人いわく(性行為は)同意の上だと思っていたそうです」とミンジー氏。警察はジェレミー氏にも事情聴取を行ったが、本人も同意の上での性行為だったと主張した。同郡のコンラッド・スティラー第1検事補はジェレミー氏を訴追しなかった(ローリングストーン誌はスティラ―検事補にコメントを求めたが、断られた)。

「結局のところ、言った、言わないになりました」と言ってミンジー氏は、女性の体にはあざも無理やり挿入された跡もなかったと付け加えた。「彼女は言い分を曲げませんでした。彼女は押さえつけられたと言ったが、彼は押さえつけてないと言いました」。ローリングストーン誌に宛てた声明の中で、ジェレミー氏はすべての容疑を否認した。「私は今まで誰1人レイプしたことはありません」

もうひとつは2007年、レスリー・サンチェスという女性が、マイアミビーチのイベントExxxoticaでジェレミー氏がブラの中に手を入れ、本人の許可なく胸をつかみサインしたとして告発し、彼は暴行容疑で勾留された。ローリングストーン誌が入手した警察の調書によると、「彼は無理やり引っ張って(サンチェスさんの)ブラから(胸を)出し、自分の名前をサインした」とある。ジェレミー氏はこれに対し、何も悪いことはしていないと主張している。「おそらくその週末は150人の胸にサインした。『RJより心を込めて』とね」と、情報サイトTMZに語っている。


一人の女優の告発がきっかけに

警察に通報した女性たちはいずれもセックスワーカーではなかったが、初期のころには同僚から告発を受けている。ポルノ女優のジンジャー・リンさんは1980年代から1990年代初期にかけてもっとも稼いだポルノスターの1人だ。2003年、リンさんはラジオ局KSEXの自分の番組で、1983年12月撮影中にジェレミー氏からレイプされたと語った。これに対してジェレミー氏本人は、ポルノ業界サイトAVNとのインタビューで容疑を否認した。「彼女と楽屋に上がっていって、シャワーを浴びたら、そういう感じになったのさ。さよならも、気まずさもなし……俺たちは仲のいい友だちだった。友だちをレイプするなんてありえないだろ?」(ジェレミー氏はジンジャー・リンさんも含め、誰1人レイプしたことはないと言う主張を曲げていない。「私に対する疑惑に関しては、これらはインターネットや紙媒体でかなり長い間で回っていました」と、ローリングストーン誌の声明で語っている。「真新しいニュースでも特ダネでもありません」)

事件はしばらく業界のコメントフォーラムで話題になったが、それ以上発展することはなかった。「誰も気にかけてくれないかのようでした。何も起こらなかった」。リンさんは去る10月、この件に関してブログに投稿している(コメントを求めたところ、リンさんはローリングストーン誌にブログのリンクを送ってきた。「語るべきことはすべて私のブログ記事に書いてあります。あそこに書いたこと以外にお話しすることはありません」と、彼女のメールには書かれていた)。リンさんは結局ジェレミーと仕事を続け、2010年にはポルノ版『ソウ』のパロディ映画で共演している。

ジンジャー・リンさんの公開告発をきっかけに、別の女優達もちらほら名乗りを上げた。そのうちの1人がジェニファー・スティールさんだ。スティールさんはローリングストーン誌とのインタビューで、1997年にジェレミー氏から性的暴行を受けたと語った。1度目はアダルト雑誌の撮影現場で、2度目は同じ日にロサンゼルスのアパートで。

スティールさんによると、最初にジェレミー氏と会ったとき彼女は25歳で、オレゴン州ビーバートンの今はなきキャバレーStars Cabaretの専属ダンサーとして働いていた。ジェレミー氏がミス・ヌード・オレゴン大会の審査員として来店した際、彼女は彼に業界でブレイクするためのアドバイスを求めた(クラブの元従業員は、スティールさんが同時期クラブで働いていたこと、ジェレミー氏が大会に出席していたことを認めている)。

当時スティールさんはトップダンサーを目指していた。そうなれれば、全米のストリップクラブでかなりの高給で雇ってもらえる。彼女はジェレミー氏に近づいて、ポルノ業界で少しばかり名前が出れば、自分のキャリアにも役立つと思うと言った。すると間髪置かずに「彼は急になれなれしくしてきました」と彼女は言う。「後から振り返って、やめとけばよかった、と思ったことのひとつです」


ポルノ俳優がレイプされたと言っても、周りが真剣に取り合ってくれない

スティールさんいわく、ジェレミー氏はプロデューサーを紹介して、女性同士が絡む写真撮影をブッキングしてやるから、ロサンゼルスのアパートに泊まりにおいでと誘った(当時彼女には付き合っている恋人がいたため、本人はあまり気乗りがしなかったそうだ)。それからほどなくスティールさんがロサンゼルスへ飛ぶと、ジェレミー氏から写真撮影をブッキングしたと聞かされた。性行為はフリだけでいいと言う。撮影の最中、ジェレミー氏は彼女をバスルームに追い詰め、ドアを閉めたとスティールさんは主張している。

「彼は『あんたの尻を見せてくれ、そしたら撮影でカタくなれるから』と言いました」とスティールさん。「すると彼はソノ気になって、私が気づかないうちにねじ込みました。私は嫌の一点張りでした。彼はやめてくれましたが、私が嫌だと言ってからずいぶん経った後でした」

スティールさんはショック状態だったそうだ。「写真撮影中、『あれはレイプだったの? あれはいったい何?』と考えていました」と本人。「(でも)撮影が終わるころには、自分が大げさに考えていて、たんなる過ちだったのだと思うようになっていました」。だからその晩ジェレミーの家に泊まり、彼と同じベッドで寝ることにも同意したのだという。だが、自分には恋人がいるので性的なことは望まないと念を押したそうだ。その夜、彼は再び彼女をレイプした。

「身動きできませんでした」と本人。「何度も何度も嫌だと言って、結局無駄だとわかりました」。彼女は当時を振り返り、翌日に彼を大声で非難し、同意の原則を無視したと責めた。「私は完全に頭に来ていました。泣きじゃくっていました」と本人。その夜彼はカウチで眠り、スティールさんは翌朝ロサンゼルスを発った。なぜもっと早く発たなかったのかと言う質問に、彼女はこう答えた。「他にどうすればよかったんです? 歩いてロスから出ろと? 他に行く当てもなかったんです」

当時スティールさんは、元恋人やストリップクラブの同僚など大勢に事の次第を話した(ローリングストーン誌がスティールさんの元恋人にコメントを求めたところ、空港に迎えに行ったときに事件のことを告白されたと語った。スティールさんの友人アンバー・リンさんも、のちにスティールさんから事件を打ち明けられたと述べた)。彼女は2010年、ひっそりと業界を引退した。

スティールさんの事件についての質問に、ジェレミー氏はそっけなくこう言った。「そもそもなぜレイプ魔の家に行こうと思ったんだい? 勘弁してくれよ」と本人。「でたらめだよ」

スティールさんは警察に通報しようかどうか考えたものの、性業界にいた過去のせいで断念したという。「私自身、かなり性的に奔放でした」と本人。「ストリッパーでしたし、証明することもできませんでしたから」

ジェレミー氏が自分を狙ったのも、まさにそれが理由だとスティールさんは考えている。「女性たちが背負っているレッテルの陰に隠れる、それが彼のやり方です」と彼女は言う。「ポルノ俳優がレイプされたと言っても、周りが真剣に取り合ってくれないことを(彼は)知っているんです」


コンベンションでの悪行三昧

ジェレミーの容疑は数十年にもわたるが、ジンジャー・バンクスさんが動画を投稿してから――ニューヨーク・タイムズがハーヴェイ・ワインスタイン被告の特ダネをすっぱ抜いてから――ようやく業界外に非難の声が届くようになった。



バンクスさんはローリングストーン誌とのインタビューに対し、コンベンションで彼から暴行を受けたと主張する十数人の女性と話をして、ジェレミーに対抗しようと思い立ったと語った。「業界の人々に問いただすと、『ああ、それがロンだから』と言われるのが落ちです」とバンクスさん。「そういう態度が、私を駆り立てたんです――業界内の人たちはことを知っていながら、受け入れてしまっていたんです」

彼女はManyVidsというWEBサイトで仕事をしていたが、同サイトがジェレミー氏を授賞式の司会に抜擢すると知った。怒りに震えたバンクスさんは、「痴漢魔」と関わる会社は応援できない、と会社に向けてツイートした。会社側は直ちにジェレミーを司会から降板させた。

「業界のレジェンドと目されていた男性から暴行を受けたと名乗り出た女性の数の多さに驚かされました」。 ManyVidsのマーケティング・マネージャー、ローラ・スカヴォ氏はローリングストーン誌に宛てたメールでこう述べた。「そうした理由で、うちの授賞式の司会から彼を外すことにしました」

ソーシャルメディアから多数のプレッシャーを受けてExxxoticaもこれに続いた。ローリングストーン誌がコメントを求めたところ、Exxxoticaの運営ディレクターを務めるダン・アダムス氏はこう語った。「ここ数カ月間、ソーシャルメディアに次々現れる疑惑をふまえ、授賞式側も決断し、ロンには直接連絡して今後うちのイベントには出席しないことでご了承いただくことにいたしました」。それからほどなくFree Speech連合というアダルト業界関係者向けの団体も声明を発表し、数々の容疑を受け、2009年ジェレミー氏に授与したポジティブ・イメージ賞を撤回すると発表した。

ポルノ業界のコンベンションの参加者がポルノ俳優に触ろうとするのは珍しいことではないが、見本市で俳優が本人の同意なしにファンや業界の同僚に触るのはまた別の話だ。

ちなみにジェレミー氏の場合、胸にサインしてもらおうと彼に近づいてくるファンが大勢いることは指摘しておくべきだろう。「私が彼のそばにいるときはいつでも、みんな私の前を素通りして、私を押し倒して彼に迫っていきます」とドレイクさんも言う。「それからこれも言っておいたほうがいいでしょうね、彼のところへ行って上着をめくり、彼に胸をわしづかみされてサインしてもらいたがる女性を何人も見てきました。素人の女性が彼にとびかかって、キスして、彼に向ってポーズを取ったりね」

それでも一部の女優や見本市の参加者は、本人の同意なしで見本市で胸をさわられたり、指を挿入されたりしたと主張している。「中にはぜひ(触ってほしい)という人もいるでしょう」。元ポルノ女優で、見本市にもたびたび出演していた元アダルト女優のジェシー・ジェーンさんはこう語る。「でもそうじゃない女性も大勢います。私も実際にこの目で見てきました」。ジェーンさん自身はジェレミー氏から望まない接触を受けたことは一度もないそうだが、彼がたびたび「(女性たちを)わしづかみにして、触ったり、陰部をいじろうと」していたのを見たことがあるという。


「人々に触り、人々から触られることで私はお金をもらっています」

痴漢行為の容疑についてコメントを求めると、ジェレミー氏はたしかに触ったことは認めたが、基本的にはそれも自分のブランドのうちだ、とも述べた。「痴漢容疑に関しては、ああ、確かに俺は触り魔さ」と、彼はローリングストーン誌に語った。「痴漢疑惑に関して言えば、たしかに私は触り魔です。つまり、触り魔として番組やイベントや撮影会に出演し、人々に触り、人々から触られることで私はお金をもらっています。私は以前ほど若くたくましくもありませんが、いまでもお客を集められます」

ジェーンさんのようなベテランの俳優なら、見本市や業界イベントで避けるべき人物を見分ける分別や知恵も持ち合わせているだろう。だがダニカ・デインさんのような人々やファンは必ずしもそうとは限らない。彼女はジェレミー氏に会った当時、撮影経験はまだ1度だけで、業界の新入りだった。

当時20歳だったデインさんは、2014年に初めてExxxoticaに参加した。ニューヨークでSM女王をやっている友人のサラ・ヴァイブスさんと一緒に、ニュージャージ州エディソンで行われた広大なコンベンションセンターでブースを見て回った。その時、ジェレミー氏がサインしている姿が目に止まった。

デインさんはすぐにジェレミー氏に気づき、2人は話し始めた。彼は彼女がアジア人のハーフみたいだと言い、彼女は彼と同じ大学に通っていたと言った。数分後、デインさんの話によれば、ジェレミー氏は2人をExxxoticaの楽屋へ招待し、無料の食事やドリンクを一緒に食べよう、と誘った。「タダでキャンディをあげるよ、と言われて車に乗り込むバカな子供みたいでした」とデインさん。「今になって思えば、もっと注意するべきだったんです」

2人が楽屋に行くと、警備員と思しき男性が1人と別の女性が1人、他にも大勢の人がいたそうだ。デインさんの話では、ジェレミー氏は一緒に何枚か写真を撮ったあと、彼女の陰部に指を挿入したという。ヴァイブスさんとデインさんは、やめてくれ、それはやりすぎだ、とジェレミー氏に言ったそうだ。「私は『こういうのはいい気がしない』と言いました」とデインさん。「すると知らないうちに、いつの間にか彼の性器が私の中に入っていたんです」

やりすぎだからやめて、と言ったあと、ヴァイブスさんはジェレミーをデインさんから引きはがしたそうだ。2人はブースへ逃げ込み、そこで友人のニナ・ハートレーさんと落ち合った。デインさんは泣き出した。「すごくショックでした」と本人。「そこまで深く考えていなかったんです」。帰宅後、彼女は性感染症のテストを受け、事件のことは頭から消そうとした。その日遅く、デインさんは高校時代の親友に事の次第を打ち明けた。その友人の他、ハートレーさんや、見本市から宿泊先のホテルへ向かうシャトルバスで話をしたジェシカ・ドレイクさんが彼女の話を裏付けている。

「彼女はめちゃめちゃ動揺していました。彼が自分を利用しようとした、と言っていました」とドレイクさんは当時を振り返る。「どうしたらいいかわからないようでした。結局、警察には通報したくない、表沙汰にはしないという結論に達しました。私も(彼女の決断を)尊重しました」

ローリングストーン誌に宛てた声明の中で、ジェレミー氏はデインさんとヴァイブスさんが、警備員や他の人々がいる「楽屋テント」についてきたことを認めたが、好ましくない身体接触が行われたことは否定した。「他の人たちがこちらを見たり、携帯電話を見たりしている間、私たちは一緒にセクシーな写真を何枚か撮りました」と彼は書いている。ポルノ制作会社Love Libraryのオーナー、チャズ・ローマ氏もその場にいたそうだが、ヴァイブスさんとデインさんは「楽しそうでけらけら笑っていました。なんであれ、同意のない行為が起きた様子は全くありませんでした」とローリングストーン誌に書いた(デインさんはこれに反論している)。


業界の「顔」だから周りは何も言えない

見本市でジェレミー氏から不適切な接触を受けたと主張する女優はデインさん1人にとどまらない。バンクスさんの拡散動画に登場する幾多の主張に加え、ポルノ女優ジェイ・タイラーさんも、2013年にロサンゼルスの業界コンベンションでジェレミー氏と会った際に、同意なく指を挿入されたという。「私は業界に入りたてでした。彼と写真を撮りたかった。すごく興奮していて、私もポルノ女優です、と彼に言いました」と本人。「一緒に写真を撮っていたら、彼が私のドレスに手を伸ばして指を挿れてきました」(一緒に見本市に来て写真を撮ったタイラーさんの恋人も、彼女の話を裏付けている)。

リンゼイ・Gさんはポルノ業界を専門とするジャーナリストで、2009年にエディソンで行われたExxxoticaでジェレミー氏にインタビューしようと接触した。彼女は名刺を渡し、Tシャツにサインしてくれと頼んだ。すると彼は彼女のシャツをめくりあげ、胸をわしづかみにし、そこにサインしたそうだ。そのあと胸をブラへ戻し、彼女の同意なく唇にキスしたという(一緒に見本市とアフターパーティに出席していた元同僚も彼女の話を裏付けている)。

「写真を撮っている人たちが笑っているのが聞こえました」。リンゼイさんは2017年6月に出版した著書『Watching Porn(原題)』でも事件について触れている。彼女はローリングストーン誌とのインタビューで当時をこう振り返った(本人曰く、著書の内容についてジェレミー氏からはなんの連絡もないそうだ)。「どうしたらいいかさっぱりわかりませんでした」と本人。「とにかく恥ずかしかった。私はプロに徹しようとしていたのに、そこにはプロフェッショナルのかけらもなかった。彼は最初から、誰にでもそうするみたいに、頭の中で計画していたんでしょう」

のちにジェレミー氏は、Exxxoticaのアフターパーティで彼女と彼女の同僚に近づいてきた。彼は後ろから彼女につかみかかり、首にかみついたという。その時は笑ってごまかしたが――「場をしらけさせたくなかったんです」――その時の経験で「心底動揺した」そうだ。

「以前にも性的暴行を受けたことがあります。同じ反応ではありませんでしたが、手は汗ばみ、すべてがチカチカするような感じでした。過去のトラウマに対する反応ですね」と本人。だが彼女の連れは笑い飛ばした。「彼は業界の看板ですから」と彼女は言う。「彼はよくも悪くもポルノ業界の顔。だからみな、彼の好き放題にさせるんです」

ジェレミー氏から性的暴行やハラスメントを受けたと言う女性たちにローリングストーン誌が行った取材の内容には共通点がある。本人たちは彼の行為に気分を害し、最悪の形で侵されたと感じているものの、彼と真正面から対面するなど、ましてや告発することなどできないとも感じていたことだ。それも業界内での彼の評判のせいだ。ワインスタイン事件後の今でさえ、著名な男性の評判がドミノのように崩れ落ちたとしても、おそらくロン・ジェレミー氏だけは性的な行き過ぎ行為が許されるだけでなく、それを期待される地球上で数少ない男性の1人だ。皮肉にも、こうした彼の評判が防護壁になってしまった、と被害者たちは言う。

「彼のせいで仕事ができなくなるのが怖いんじゃありません。彼にはそんな権力はありませんから」と、業界のベテラン、ジュリア・アンさんは言う。「私がもっと恐れていること、もっと頭にくるのは、私が何か言ってもみんなから白い目で見られて、『でも、それがロンだから』と言われることです」


コンベンション出演を理由に痴漢行為を正当化している

ジュリア・アンさんとジェレミー氏は2011年、他のポルノ俳優らと一緒にジャマイカのネグリルにあるトップレスOKのリゾート、ヘドニズムIIで特別出演を控えていた。彼女はゲスト用のお土産に入れるサイン入り証明写真を持ってきてもらおうと、ホテルの自室にジェレミー氏を呼んだ。

「彼は私に近づいて、君には足のマッサージが必要だ、と言いました。私は『いいえ、結構』と言いました」と本人。「すると彼は『いやいやマッサージが必要だ、マッサージしてやろう』と言いました。そして私をベッドに押し倒して、足をつかもうとしました」

この時点で彼女はパニック状態になり、彼を部屋から追い出したという。「あの瞬間、私が何を言っても無駄だと感じました。ひたすらつかみかかられ、押し倒され続けました」と彼女は言う。

その後まもなくジュリア・アンさんは、今回の出演を企画したぽるの俳優ショーン・マイケルズさんに、ジェレミーがホテルの部屋で無理やりマッサージしようとしてきたことを伝えた。マイケルズさんも、ジュリア・アンさんからジャマイカ滞在中に襲われそうになったという話を聞いたと認めている。「彼女は、彼とひと悶着あったと言いました。彼と一緒にいたがりませんでした。私は『ねえ、どうしたい? どう対処してほしい?』と聞きました」。マイケルズさんはその後ジェレミー氏にこの件を話したそうだが、本人はジュリア・アンさんとホテルの部屋で話をしていたら部屋を出ていけと言われた、と答えたそうだ。

マイケルズさんと親しい友人数名に話した以外、ジュリア・アンさんは今に至るまで誰にも口外しなかった。

「警察署に行って、『通報したいです』という自分の姿を想像しました。警察はきっとこう言うでしょう、『あのハリネズミですか?』。バカバカしい。まともに取り合ってもらえるわけがありません。とにかく一刻も早く忘れたかったんです」

「誰に話せというのです?」と、彼女は声を震わせ、感情的になりながらこう付け加えた。「みんなすでに知っているというのに?」

この事件についてジェレミー氏にコメントを求めると、彼は大したことじゃないと答えた。「ヌーディストが自由にセックスするリゾート、ジャマイカのヘドニズムで、数年前私に足をマッサージされそうになったという人もいましたね?」と本人。「それは記事にするほどのことですか?」

2013年に心臓発作を起こして以来、ジェレミー氏はもっぱら低予算のメインストリーム系の映画やTV番組にカメオ出演する他、時折ポルノ長編映画に性行為が絡まない役柄で出演していた。たいていはファン・コンベンションや見本市に登場しているが、ポルノ
仲間ですら彼は今も一番の人気者だと言う。

コンベンション出演を理由に痴漢行為を正当化していることについて、ジェレミー氏はこう書いている。「もし、そうした交流で一度でも不愉快な思いをした方がいらしたら、心からお詫びいたします。そのような意図はありませんでしたし、胸が張り裂けそうな思いです」。とはいえ、ファンは列をなして、むさくるしい大口叩きの野卑な伝説のポルノ俳優からサインを求めている点も指摘し、それこそファンが求めるものだのだとも述べた。

「この声明を呼んでくださる方には、私が何千というコンベンションやサイン会をこなしていることを思い出していただきたい」と本人。「40年間、毎年世界中で約50万人と写真を撮っているのです。触られたという苦情は、行列に並んでいる人々が求めていることと全く同じです。ただ、彼女たちはそれでハッピーにはなれなかったんです」


監督たちはジェレミーの性的暴行を否定

さらに、ジェレミーのポルノ絶頂期の後も長年仕事をしてきた監督たちは、ジェレミー氏がわいせつ行為を働いたという話は聞いたことがないと言う。自作で何度もジェレミー氏を起用してきたトップクラスのポルノ監督、アレックス・ブラウン氏は、彼とは28年の付き合いだが彼が性的加害者だとは思えない、彼が撮影現場で不適切な行為をしたのは一切見たことがない、と言う。「彼がレイプ魔ですって? 僕は信じません」と本人。「彼は女の子と一発ヤりたがる盛りの付いた犬か? 確かにそうです。アダルト業界にいる(異性愛者の男性の)99%はみんなそうでしょう」

自作の映画で何度となくジェレミー氏を起用し、1990年代から彼のカメラマンを務めているジム・パワーズ氏は、彼に対する告発をより批判的にとらえ、「くだらない魔女狩り」とみなしている。「こうした告発に対する私の考えはこうです。ワインスタインで散々騒ぎ立て、それに便乗しているんですよ」

彼はジェレミー氏が「女たらし」だとは認めたが、そういったふるまいはポルノの撮影現場では日常茶飯事で、彼らしさの一部だとも言った。「ロニーは何年もポルノ業界の、無害な男として通ってきました。ロニーは決して女の子をレイプしようとなどしない。女の子が『ちょっとロニー、あっち行って』と言えば済むことです」

低予算のメインストリーム系映画や長編ポルノへの出演の他、ジェレミーはRon de JeremyというラムやHedgehogジンといったリキュールなど、数々のブランドに名前貸しをしている。また業界内外を問わずクラブや授賞式にも顔を出し、業界での問題についてメインストリームの記者のインタビューも定期的に受けている。去る1月には、アダルト業界最大の業界紙のひとつXBIZの授賞式の司会まで務めた。

「ロンは根はいいヤツなんですよ、ただ何十年もポルノ会の有名人として生きてきただけで」。XBIZの創設者兼出版人のアレック・ヘルミー氏はローリングストーン誌のインタビューにこう答えた。「現実として、ポルノの人気俳優が業界のイベントでファンと触れ合うのはよくあることです。ロンはそういうふるまいを喜んで引き受けていることで有名ですが、もちろんファンの同意の上です。彼はポルノの代表的存在、ロックスターのような存在なんです」

とにもかくにも、ジェレミーは業界の広告塔で、事実上メインストリーム系メディアとの橋渡し役としての役割を謳歌している。孤立し、極端に周辺に追いやられ、極端に差別されたコミュニティで、とりわけ魅力的でもない年配の男は、おそらく自分しか会員のいない唯一のクラブの支配人に選ばれた。彼はそうした地位をそうやすやすと明け渡す気はないようだ。だが、よく言えば同意のルールの軽視、悪く言えば性的加害者的な一連の行動パターンを一部の同僚が見逃してくれたのもあって、彼がこうした地位にたどり着いたのは当然の成り行きだったのかもしれない。

「もはや業界はロンを必要としていません」とタイラーさん。「(彼は)ただ見本市のチケットを売り、セックストイの発売記念イベントに行き、自前のラムを売るだけ。でも、必要とされているとは思いません。彼が幸せになれる場所は他にいくらでもあるでしょう。でも、この業界じゃありません」


ロン・ジェレミー氏の声明全文

まず言わせていただきたいのですが、私は性的暴行を受けたと名乗り出た女性や男性を全面的に支持します。現実にいる加害者は、とらえてしかるべきです。現在私の名声は、すでに捜査が行われ、おとがめなしとされた過去の疑惑によって汚名を着せられています。ですが、社会がいかに変化しているかは理解していますし、そのために、女性や男性を丁重に扱ってきたのに評判に少々傷がつかざるを得ないのであれば、それも致し方ありません。私は勇気をもって名乗り出て、こうした組織的問題に対抗する男女すべての人々を支持いたします。

私に対する疑惑に関しては、これらはインターネットや紙媒体でかなり長い間で回っていました。真新しいニュースでも特ダネありません。私にとってショックなのは、さんざん他の媒体で報じられ、間違っていることが何度も証明されてきたにもかかわらず、御誌が再び取り上げていることです。

私は今まで一度も、誰1人レイプしたことはありません。重大な疑惑はすべて警察によって捜査が行われ、判事から棄却されました。告発の大半は「痴漢行為」でした。この件で起訴されたり、裁判所に出頭したことは一度たりとてありません。それにこれらは過去の話です。確認してみてください、私が裁判所や刑務所に入ったという公的記録はどこにありますか。私が逮捕されたのは20年前に一度きり、ハル・フリーマン氏と言論の自由を求めて戦った時だけです。痴漢容疑を捜査したい警察はいつも、イベントの映像だのなんだのを見たが、悪いことや不法なことは何も行われていなかった、と言っていました。そして、虚偽の告発をした人々を訴えますかと尋ねてきました。私は一度もそうした措置に出たことはありません。

痴漢疑惑に関して言えば、たしかに私は触り魔です。つまり、触り魔として番組やイベントや撮影会に出演し、人々に触り、人々から触られることで私はお金をもらっています。私は以前ほど若くたくましくもありませんが、いまでもお客を集められます。しかもこれは理性の範囲内で、警察官や警備員がつねに存在する前で、何十台ものカメラや一般大衆の目の前で起きていることです。ですが真面目な話、ロン・ジェレミーのそばにいれば、私が少しばかりお触りをするだろうとあなたも予測するものでは? そうでしょう。私はそれで生計を立てています。私はケヴィン・スペイシー氏やルイス・CK氏、ワインスタイン氏、コスビー氏とは違います。

40年以上もの間、ファンやAV仲間は金を払い、長い列を作って私に会いに来ます。サインや写真を求め、私といちゃつき、私の体のあちこちを(たいていは服の上からペニスを)触りたがります。身体を触っていいかと尋ね、乳房にサインしてくれと頼む人も大勢います。コンベンションやサイン会、イベントでファンやほかの出演者と一緒に写真を撮る時は、たしかに唇や頬にキスすることもあります。乳房だろうとどこだろうと、リクエストされたところにサインします。撮影のために、”演技として”いちゃいちゃしたり、触ったりすることはあります。コンベンションでは、それで私はお金をもらっているのです。女優たちもいちゃついて、触ってきます。それが我々の仕事です。ジンジャー・バックスさんが私を「痴漢魔」呼ばわりした動画を見たなら、動画に出てくる人々がみな笑顔で「お触り」しているのがわかるでしょう。私が彼女たちを追いまわしたのではない、彼女たちのほうから寄ってきたんです。

もし、そうした交流で一度でも不愉快な思いをした方がいらしたら、心からお詫びいたします。そのような意図はありませんでしたし、胸が張り裂けそうな思いです。

この声明を呼んでくださる方には、私が何千というコンベンションやサイン会をこなしていることを思い出していただきたい。40年間、毎年世界中で約50万人と写真を撮っていいるのです。触られたという苦情は、行列に並んでいる人々が求めていることと全く同じです。ただ、彼女たちはそれでハッピーにはなれなかったんです。

私は一度も、誰1人レイプしていません。もしそうした主張をする人がいれば、名誉棄損で法的に訴えます。

告発した人々に会ったことがないとか、交流したことがないとは言いません。大半の方々は覚えていませんが、仕方ないでしょう? 当時は数百人もの人々と会っていたでしょうから。コンベンションで楽屋に連れ込まれたという女の子がいましたね? そのことは私も覚えています。誰も無理強いはしなかった。彼女とその友人は、私と楽屋に行ってもいいかと尋ねてきたんです。「楽屋」というのは、実際は小さなテントで、出演者はそこでくつろぎ、軽食をつまみます。その小さなテントには警備員も含め、他に7人いました。他の人たちがこちらを見たり、携帯電話を見たりしている間、私たちは一緒にセクシーな写真を何枚か撮りました。私が過ちを犯したなら、コンベンションの警備員が私を止め、警察を呼んだはずです。ヌーディストが自由にセックスするリゾート、ジャマイカのヘドニズムで、数年前私に足をマッサージされそうになったという人もいましたね? それは記事にするほどのことですか?

地球上からよからぬ連中は抹殺されてほしいと私も心から願います。そうしてしかるべきです。ですがこうした主張は真っ赤なウソ、あるいは後からこじつけたものです。40年間、私は一度も相手のボーイフレンドからも誰からも殴られたことはありません。

こうした疑惑を思うと、胸が痛みます。私や私の仕事に傷をつけるからではありません。それは受け入れられます。ただ、彼女たちが嘘をついているからです。世間には深刻な性的暴行などの被害を受け、自分たちの声を聞き届けてもらおうとしている女性や男性がいるのに。

重ねて言いますが、実際に交流があった後、後からこじつけで言いがかりをつける女性がいることは非常に迷惑です。ですが、私はコンベンションやイベントで悪いことも、常識はずれなことをしたことはありません。こうしたイベントは本来楽しい時間を過ごす場所です。ジンジャー・バンクスさんが作成した動画は、音を消してみてみれば、ロン・ジェレミー賛歌動画にも見て取れます。動画に出てくる人々は、みな私と楽しんでいます。

これは全くのデタラメです。ですが、こうして私の言い分をお伝えするチャンスをいただけたことに感謝いたします。

――ロン・ジェレミー

from Rolling Stone US

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