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連続殺人鬼が残した謎 半世紀の間、誰も解けなかった暗号がついに明かされる

Rolling Stone Japan / 2020年12月15日 6時45分

ゾディアックの声明文「Z340」(Photo by Getty Images)

51年間誰も解けなかった連続殺人鬼ゾディアックの暗号の一つを解き明かすカギが、12月始めに米国・オーストラリア・ベルギーの一般人からなる暗号解読チームによって発見された。解読されたメッセージの正当性は米FBIも認めている。

ゾディアックの声明文「Z340」(340文字のアルファベットと記号が並んでいることからこう呼ばれる)が最初にサンフランシスコ・クロニクル紙に送られたのは1969年11月。その他一連の暗号文、脅迫状、証拠(被害者の服の切れ端)と一緒に、新聞社に送りつけられていたものだ。

暗号の一部は事件当時に解読されたが、「Z340」は51年間解読されないままだった。だが今回、アメリカのデヴィッド・オランチャック氏、オーストラリアのサム・ブレイク氏、ベルギーのヤール・ファン・アイク氏が、ブレイク氏の開発した解読ソフトウェアを使って再び解読に挑戦した。

オランチャック氏は先週投稿したYouTubeの動画で、解読にいたるまでの過程やこれほど時間がかかった理由を詳しく説明した(ゾディアック事件の犯人は綴りが得意でなかったことに加え、この暗号でも文字の配列ミスを犯していた)。

【動画】解読不能と言われた暗号をロジカルに解き明かしていく

最終的に暗号解読者が解き明かした文面はこう:

「みな私を捕まえようと楽しんでくれているかな。TV番組に出演して私のことをとやかく話題にしている人物は私ではない。私はガス室送りになることは怖くない。天国に行く時期が早まるだけだし、私のために働く奴隷たちが大勢いるからだ。他の連中は、手ぶらで天国に行くから死を恐れる。私は死を恐れない。なぜなら私の新しい人生は、天国で死を迎える安らかな人生だからだ」

(TV番組の件は1969年10月、ゾディアック事件の犯人を騙った人物がサンフランシスコの朝のTV番組に出演して、マーヴィン・ベリ弁護士と話をした一件のことを指している)

オランチャック氏は今月初め、FBIに3人の成果を提出。その後、FBIは暗号が解読されたと認めた。

#Breaking - Our statement regarding the #Zodiac cipher: pic.twitter.com/cJCtlDEbMw — FBI SanFrancisco (@FBISanFrancisco) December 11, 2020

ニューヨーク・タイムズ紙の取材にオランチャック氏はこう答えた。「あの暗号文のメッセージは、警察の役に立つ代物じゃないと思います。これまでと同じ、犯人が好き勝手に書いたくだらない内容です。人々を傷つけ、怖がらせるためだけのものです」

ブレイク氏もはこう付け加えた。「この暗号は、暗号業界の聖杯と位置付けられています。これまで50年間も攻略されずにいましたから、解決の糸口を見つける努力はどれも一大事業でした……僕らがラッキーだったのは、広大な砂漠の中からダイヤの粒を見つけ出すことができただけでなく、ダイヤ探しを始める上で、正しい砂漠を選び出せたことです」

ゾディアックは60年代後期から70年代初頭にかけて、ベイエリアで少なくとも5人を殺害したことが確認されている。犯人の身元はいまだわかっていない。1970年4月に残された謎の13文字入りの暗号文(「私の名前は……だ」で始まってメッセージが続く)は、今も解読されていない。

from Rolling Stone US





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