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リンゴ・スターの2020年総括、ポールとの変わらぬ友情、ビートルズ時代の記憶

Rolling Stone Japan / 2020年12月28日 18時30分

リンゴ・スター、2019年ロサンゼルスにて(Photo by Rebecca Cabage/Invision/AP)

リンゴ・スターは2020年も「平和と愛と音楽」に大忙し。最新EP『Zoom In』、ポール・マッカートニーとの長きにわたる友情、自宅検疫中に正気を保つ秘訣などを語ってくれた。

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リンゴ・スターは80歳になったばかりかもしれないが、悠々自適な生活をしていると責めることはできない。ビートルズのドラマーは、長年続けているオールスター・バンドのツアーこそできなかったものの、今年も音楽活動に大忙しだ。最新シングル「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」は、誰もが辛い思いをした2020年の年末に合わせて鳴り響く、まさにリンゴ流の愛と平和の讃歌だ。「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」では友人たちの手も借りている。リモートでヴォーカルに参加したのは、デイヴ・グロールやレニー・クラヴィッツ、シェリル・クロウ、クリス・ステイプルトン、ベン・ハーパー、義理の弟でもあるジョー・ウォルシュなど他多数――もちろん、イギリスを背負って立つベースプレイヤー、ポール・マッカートニーもだ。

3月、リンゴは自宅のスタジオで5枚組EPの制作に取りかかった。タイトルはずばり『Zoom In』。ロック界でもっとも愛される人物――もっとも社交的なレジェンド――にとって、ソーシャルディスタンス時代の音楽制作に慣れるのは大変だった。だが彼本人もつねに言っているように、何事もそう簡単にはいかない。「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」はダイアン・ウォーレンが歌詞を手がけた、ヒネリの利いた合唱曲。リンゴいわく「大晦日に、俺たちと一緒に声を合わせて歌ってくれたらうれしいね」

サー・リンゴはこの夏80歳の誕生日を祝して特別TV番組に出演し、マッカートニーとの「ヘルター・スケルター」など、友人らとリモート共演を果たした。2冊の書籍も出版を控えている。Juliens Auctionから出版される『Ringo Rocks: 30 Years of the All-Starrs』は変幻自在なスーパーグループの回顧録で、ウォルシュが序文を書いている。さらに自身2冊目の画集も抱えており、『Painting Is My Other Madness』という絶妙なタイトルがつけられている。我々はこうしたリンゴのスピリットにいつも救われる。だが今こそ、かつてないほど彼の存在が必要とされている。

リンゴはZoom取材に応じ、「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」について、ビートルズ時代について、ドラムを演奏することや絵を描くこと、自宅検疫中に正気を保つ秘訣、カセットテープの再燃、マッカートニーの最新アルバム、そしてレヴォン・ヘルムとの共演から学んだ教訓を語ってくれた。

Zoomでの制作、ビートルズ再発見

ー新曲のリリースおめでとうございます。どういう経緯だったのですか?

リンゴ:ダイアン・ウォーレンが歌詞を書いてくれてね。”忘れてしまった夜に捧げよう、決して忘れることのない友らと”素晴らしい表現だ。みんなが集うという内容が、今の時代にぴったりだと思った。誰でもみんな、よく覚えていない夜のひとつやふたつはある。そういう夜にはいつも、忘れることのない友達がそばにいる。

そういう連中が参加して手を貸してくれた。ポール・マッカートニーもだ。彼も加わっている。ジョー・ウォルシュ、シェリル・クロウ、ジェニー・ルイス、クリス・ステイプルトン、ベンモント・テンチ。デイヴ・グロールとベン・ハーパーには最初に声をかけた。最後の最後にレニー・クラヴィッツも加わった。フィネアス、ヨラ、ブラック・ピューマズも。コリーヌ・ベイリー・レイは見事に歌い上げている。みんながちょっとずつ一声貸してくれた。



ーパンデミック以前は、毎年必ずツアーをやっていらっしゃいましたね。

リンゴ:ツアーが大好きなんだ、だからだよ。今もできることなら外に出たいが、誰もいないだろうな。誰もが俺と同じようにブツブツ言ってるよ、「外に出たい、ツアーに出たい」ってね。今年1本目のツアーは5月だったんだが、3月になるまでキャンセルしなかった。パンデミックがこんな風になるなんて一体誰が予想できたっていうんだい? 来年まで続きそうだが、様子をみながらだろうね。

今年はツアーを2本予定していたんだが、パンデミックでダメになって残念だった。プレイするのが好きだから、何日か落ち込んだよ。それで結局EPを作った。おかげで助かったよ――レコードを作ったり、少々絵を描いたりね。

ー素晴らしい。あなたは10人が束になっても叶わないほどエネルギッシュですね。

リンゴ:9人だよ。(ジョン・レノンの声真似をしながら)「♩ナンバー・ナイン、ナンバー・ナイン……♩」

Zoomで収録したので、タイトルは『Zoom In』。今はなんでもかんでもZoom経由。この時代にふさわしいと思った。大晦日に、俺たちと一緒にみんなで歌ってくれたらうれしいね。5枚組のEPだ。EPのことなら俺に任せとけ。これまでさんざんやってきたからね。

ー全ては巡り巡ってくるわけですね。

リンゴ:すごい話を聞いたんだが、いまどきの若い子はカセットを聞いているらしい。あくまでも聞いた話だが、音楽雑誌で働いてる君の方がきっと詳しいだろうね。素晴らしいことだ。俺なんか、1年半前にやっとカセットプレイヤーを片付けたばかりなのに! でも、またカセットが復活したよ――レコードプレイヤーの横に置いてある。

ーひと回りするんですね。音楽は時代を超える。

リンゴ:その通り。すごいことだ。俺の場合、自分がいたバンドが毎日のように聴かれているのはラッキーだ。いつの時代も若い子がいまだにビートルズを発掘してるんだからね。正直びっくりだ。どの年代の人も俺たちの曲を聴いてるんだぜ? 今はストリーミングでそうとう聴かれている。すごくないかい? そのうちきっと、頭に小さなチップを埋め込むことになるよ。それで音楽をかけて、そこに直接ダウンロードするんだ。

ー若い子たちがビートルズを再発見しているのを見て、驚きますか?

リンゴ:まぁ、俺は若い子にいつも好かれてきたけどね。だがビートルズのリマスター作品は最高だね、ドラムの音が聞こえるようになった。バンドを始めたころ、最初に埋もれる音といえば真っ先にドラムだった。もっと低く、もっと低く、もっと、もっと。俺はたまにスネアを鳴らしてるみたいな感じだった。それがジャイルス(・マーティン)とリマスタリング技術のおかげでドラムが聞こえるようになった。よく言われるよ、「この演奏はあなた?」「ああ、俺だよ」ってね。最高だね。この点に関してはジャイルスがいい仕事をしてくれた。すごいヤツだよ。

ポールとの長きにわたる友情

ーあなたの音楽は常に人々を結び付けるものばかりだと思いますが、どうでしょう?

リンゴ:それがミュージシャンの仕事、俺たちの仕事さ。だから俺はライブが好きなんだ。自分に愛が向かってくるのを感じたい。わかるかい? 愛を感じて、愛で答える――スピリチュアルなんだ。だから今までずっと続けているんだと思う。(1963年に)イングランドでヘレン・シャピロのオープニングアクトをやった時のことを思い出すね。俺たちは彼女のバンドの前座で3曲演奏した。あの時、俺は彼女にこう言った。「おいくつですか? 40歳? まだ現役でやってるんですか?」 あの年頃だと、5年でもかなり長く感じられるもんだろう。それが今じゃ俺も80歳で、いまだに音楽がやめられない。

ーリモートで音楽を演奏してみて、いかがですか?

リンゴ:友情がものすごく大事になる。今は、みんなで集まるにはZoomが唯一の手段だ。俺たちが最初に「カム・トゥゲザー」をやった時、全員が同じ部屋にいた。でも今は「OK、君はここ、俺はここ」。でもそれが唯一の方法だから、素晴らしいミュージシャンたちは最大限に活用している。それしか手がないならOK、それでいこうってね。

俺はつねにミュージシャンと一緒にいるのが好きだった。曲は何でもいい、一晩中演奏に付き合ってられる。1人でじっとしていられないタチなんだ。とにかく一緒に演奏してくれる相手が欲しい、そしたらずっと演奏するよ。

ーこの夏80歳のバースデーを記念した特別番組では、相当な数の友人と演奏していましたね。

リンゴ:ああ、昔はハリウッドに2000人が集まったもんだ。バンドが俺のためにバースデーソングを演奏して、ケーキも用意してね。今年はそういうのは一切なし。でも実際どう祝ったかというと、ここだけの話――バーバラと車でビバリーヒルズまで飛ばしたんだ。そこには「平和と愛」といって、俺の手をかたどった高さ7フィートの彫刻があるんだ。そこに行って、彫刻と並んで写真を撮った。でも秘密だぜ。

ーあなたの手元に残ったのは1枚の写真だけ(All youve got is a photograph)。

リンゴ:そういうこと。冗談はこのくらいにして。でも真面目な話、友達には本当に世話になった。それだけは本当さ!

ー友人のポール・マッカートニーは新曲のビデオにも出演しています。彼自身も『マッカートニーIII』をリリースしましたね。

リンゴ:ああ、そうなんだよ――彼はなんでもござれ。今回は彼にとっての第三段階、あるいはシリーズ3。それもたった50年間で。彼とはこっちで一緒に、ドジャースタジアムのステージで演奏した。いい関係だ。彼がこっちに来たときは立ち寄ってくれるし、俺がレコードを作るときはいつも彼のために1曲用意しておく。彼はいまでも、人生であった中でもっとも才能のあるベースプレイヤーだ。うまいヤツはごまんといるが、彼ほどメロディアスな演奏をする人間は見たことがない。しかも彼はこっちの意図をすぐに理解してくれる。ベースとドラムだから、一緒にバンドをやってた時は何度か意見を戦わせたこともあったし、お互い踏み込まないようにしていた。だがいったん踏み込んでからは、ぐっと親しくなったよ。

レヴォン・ヘルムとの共演から学んだ教訓

ーオールスター・バンドの新著も出版なさいますよね。これはどういった経緯ですか?

リンゴ:オールスター・バンドの30年間が詰まった本だ。バンドを結成したのは1989年――「そういえばバンドがいないな」と思って、電話帖を開いて電話をかけていったら、みんな「イエス」と答えてくれた。最初のオールスター・バンドでは、もちろん俺もドラムだが、レヴォン・ヘルムに参加してもらった。彼はドラムと歌どちらもいけるからね。でもまだ足りないと思って、反対側にはジム・ケルトナーを据えた。そう、あの当時はドラマー3人だったんだ!

バンドには素晴らしいプレイヤーが大勢参加してくれた。バンドメンバーは常に入れ替えているが、それはひとえに曲のため。必ずヒット曲をやるというのが、オールスター・バンドの売りなんだ。毎晩トッド・ラングレンに「バング・ザ・ドラム」をやってくれ、と頭を下げるのは疲れたよ。彼は「バング・ザ・ドラム」以外の曲ならなんでもやりたがっていた。「トッド、頼むよ。客は『バング・ザ・ドラム』を待ってるんだ」。でも、みんなベストを尽くしてくれる。それが何よりだ。もちろん、時にはここらで一息つこうかと思ったこともあったがね。

ーあなたが一息つこうと思ったことがあるなんて、信じがたいですね。

リンゴ:30年間で2回なら、まあ悪くないだろう。でもレヴォンはすごかった。時々、全力でプレイしてももうまくいかないことがたまにある。彼はよく、ステージを降りる俺にこう言ったもんだ。「大丈夫、ボス、明日は上手くいくさ」。それ以来ずっとこの言葉を胸に刻んでいる。

ずっとバンドでやりたいと思っていた。俺1人で、しかもドラムで(クルーナーヴォイスで歌い出す)「マーイ・ウェ~イ♩」なんて、俺にはできないよ。うまくいくわけがない。だから俺にはつねに演奏してくれる仲間が必要なんだ。ミュージシャンと一緒に一晩中演奏するのは最高だね。独りで演奏するなんて、俺には無理だ。面白くもなんともない。

新曲「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」ではデイヴ・グロールとベン・ハーパーに電話した――最初にあの2人に声をかけた。「月曜の予定は? こういう曲があるんだが、ヴォーカルを手伝ってほしいんだ」「OK」 ベルが鳴ると、玄関には2人が立っている。ドラムの鳴りがいい別室に行って、演奏する。そういうのが好きなんだ。

ーもう1冊の本、絵画集のほうはいかがですか?

リンゴ:タイトルは『Painting Is My Other Madness(絵を描くことは俺のもうひとつの狂気)』。「Drumming Is My Madness(ドラムをたたくことは俺の狂気)」というのが俺の口癖だからね。絵を描いてたおかげで、パンデミックを乗り切ることができた――EPと絵のおかげさ。

ー本2冊にレコード1枚――あなた以外の人が怠けてるように見えますね!

リンゴ:(大きく笑って)だったら、重い腰を上げて行動するんだね!


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From Rolling Stone US.

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