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2020年に激変した音楽ビジネス、絶対知っておくべき12の事柄

Rolling Stone Japan / 2020年12月31日 10時30分

Photographs used in Illustration: Beth Garrabrandt (Swift); William Claxton(Dylan); Phone (DPA/AP Images)

音楽ビジネスが何もかも様変わりした2020年を振り返る。何千万という利益を生むTikTokのスニペット動画、バーチャル・リアリティにおけるスターダム、トラヴィス・スコットのマックナゲット抱き枕まで。業界の激変ぶりを象徴するこれら12の出来事は、2021年がさらに奇妙なものになるであろうことを予見している。

もし音楽業界がその歴史を自ら編纂できるとしたら、各ページは「変革」「革命」「天変地異」といった同義語の数々で埋め尽くされ、うんざりさせられるに違いない。しかし2020年においては、毎年の総括で必ず使われるそういった言葉がかつてないほど妥当に思われる。儲かるツアーや見通しのつきやすい予定表が存在せず、レコード会社やアーティストからスマートな起業家たちまで、誰もが新たな収入源とファンとの繋がり方を模索しなくてはならなかった。ユニバーサル・ミュージックのトップであるLucian Graingeは、同社の全従業員に先週送った年度総括メールでこう綴っていた。「2020年は、多くのものが失われた悲しい1年として記憶されるに違いない。だが同時に、我々が直面した課題に勇気を持って困難に立ち向かった時として記憶にとどめるべきだ」。何十億という利益を生み出すヒットが支える業界構造が完全に麻痺した1年を象徴する、奇妙な12の出来事を一挙紹介する。


1. バーチャル・コンサートの大衆化

Covid-19はかつて退屈で安直なものとみなされがちだったライブストリーミングを、音楽業界において最も急速な成長を遂げるエコシステムへと変化させた。世界的スターからアマチュアミュージシャンまで、ライブができなくなったアーティストたちは一斉に、ファンと繋がる手段としてライブストリーミングを活用するようになった。当初は自宅のソファでのカジュアルな演奏をiPhoneで撮影したような手軽なものが主流だったが、やがて多くの金と手間を費やした大掛かりなものが登場するようになった。感謝祭の週末に配信され好評を博した、エルトン・ジョンやマイリー・サイラス等の豪華ゲストを迎えたデュア・リパのライブストリームの総制作費は、約150万ドルに上ったという。またドバイから生配信されるKISSの大晦日コンサートは、桁違いの約1000万ドルがつぎ込まれたと言われている。

フォートナイトやロブロックス等、ビデオゲームの世界を舞台としたバーチャルコンサートも話題となった。文化的マイルストーンとなったフォートナイトでのバーチャルコンサートで、トラヴィス・スコットは約2000万ドルを稼いだとされ、リル・ナズ・Xのショーは3300万人が視聴した。同様のコンテンツを製作するWaveには、ジャスティン・ビーバー、ザ・ウィークエンド、J・バルヴィン等の大物たちがこぞって投資した。本物のコンサートの復活を求める声が止まない一方で、マネージャーやブッキングエージェント、そして数多くのアーティストたちは、コストや手間の面で有利なライブストリーミングが、パンデミック収束後も選択肢のひとつとして定着すると考えている。 — Ethan Millman

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2. マーケティング不要のリリース戦略

アルバムのリリースはかつて、何カ月にも及ぶティーザー露出、雑誌の表紙、トークショーへの出演などを必要とした。しかし今年、世界の各地で実施されたロックダウンによる市場の大混乱を主な理由として、大きな話題となった作品はオンラインでのバイラルヒット(例: TikTokでの15秒間から生まれたヒット曲の数々。春と夏にかけて音楽ファンを楽しませ続けた)、あるいはサプライズリリース(例: テイラー・スウィフトの『フォークロア』と『エヴァーモア』。両作とも発表と同時にシーンを席巻し、チャートを駆け上がった)という形でリスナーの元に届けられた。それを偉業とするか底辺への競争とみなすかは人次第だが、お金をかけずに瞬間的な勢いを数字に変えようとするリリース戦略のトレンドは、事態の収束後も続くに違いない。— Amy X. Wang

3. 楽曲を売却するアーティストたち

ボブ・ディランが全楽曲をユニバーサル・ミュージック・グループに売却したというニュースはかつてのビートニクたちを震撼させたが、音楽業界の動向に敏感な人々にとってはそれほど衝撃的なことではなかった。2020年にはスティーヴィー・ニックス、マーク・ロンソン、イマジン・ドラゴンズ、カルヴィン・ハリス、バリー・マニロウ、RZA、ザ・キラーズ等のビッグネームが、楽曲の少なくとも一部を大企業に売却している。業界随一の貪欲さで知られるHipgnosis Songs Fundは、これまでに楽曲の買収に10億ドルをつぎ込んでおり、今後さらに大規模な投資を進めていく予定だという。ソングライターたちが楽曲の売却に積極的なのは、提示額が魅力的であるだけでなく、2020年にはツアーでの収益が見込めなかったためだ。またジョー・バイデンが大統領在任中に資本利得税の大幅な引き上げを検討していることも、その動きを加速させる要因となった。2021年の最初の数カ月においても、そういった傾向は継続すると予想されている。 — Tim Ingham

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4. 現実味を帯び始めてきた公平なレコード契約

本人の同意なしにアーティストの楽曲が売却されるというニュースは、いつ耳にしても気持ちのいいものではない。2020年にShamrock Capitalがスクーター・ブラウンからテイラー・スウィフトのレコードの原盤権を3億ドルで購入したことで、彼女は数年のうちに2度も憂き目に遭うことになった。しかし、彼女が2018年にユニバーサル・ミュージック・グループと交わした契約内容は、音楽ビジネスにおける因習打破のきっかけとなる可能性を秘めている。UMGとの契約以降、彼女は発表した全作品の原盤権を所有しており、それには昨年発表した『ラヴァー』と、今年リリースした『フォークロア』と『エヴァーモア』の2作も含まれる。ユニバーサルと傘下のリパブリック・レコーズは作品のマーケティングおよび流通のみを担当し、作品に付随する権利は保有していない。スウィフトが原盤権を巡って争い続ける中、彼女の宿敵であるカニエ・ウェストはTwitterでユニバーサルを激しく非難し、金銭面を含む自身のレコード契約における機密事項を記したページを公開した。ダムは決壊したのだろうか? メジャーレーベルのアーティストたちは今後、原盤の扱いや契約内容について交渉できるようになるのだろうか? 奮闘するウェストとスウィフトを孤立させまいと、今年は他にもいくつかのアーティストが不公平なレコード契約を批判する声を上げた。— T.I.

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5. 公平とは言い難いストリーミングビジネス

今年起きたコンサートビジネスの崩壊は、音楽業界において長年蓄積し続けている大企業に対する反感を改めて浮き彫りにした。パンデミックの最中でも、ストリーミングサービスやそのパートナーであるメジャーレーベル各社は莫大な利益を上げることができるのだろうが、そのエコシステムを健全に保つ上で不可欠な中堅以下のアーティストたちはどうなるのか? 業界団体のUnion of Musicians and Allied Workersはこれを機に、Spotifyにストリーミング報酬の引き上げをはじめとする様々な事項の見直しを求める大規模なキャンペーンを実施した。「(Spotifyが)利益を増やし続けているのに対し、音楽に携わる無数の人々はその努力に見合わない、ごくわずかなお金しか受け取っていない」。2万6千以上のアーティストが署名したマニフェストに、キャンペーンのオーガナイザーたちはそう記している。そういった動きが見られるなか、Bandcampは大手ストリーミング企業に対する有徳なプラットフォームとして存在感を示した。予め決まった日の売り上げに対する手数料が免除されるBandcamp Fridayによって、これまでに約4000万ドル(約41億円)がアーティストとレーベルに支払われた(Bandcamp Fridayは2021年もを継続される)。Apple MusicとSpotifyの両社が今年、インディペンデントのレーベルやベニューを支援する目的で多額の小切手を発行したことは、強欲な企業というイメージを改善する狙いもあっただろうが、こういったキャンペーンが功を奏し始めている兆候と言えるだろう。 — Simon Vozick-Levinson

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6. バイラルヒットの多発

2020年にブレイクを狙ったアーティストがすべきことはただひとつ、それはバイラルヒットを出すことだった。パンデミックによって人々が対人距離の確保や自宅にとどまることを強いられるなか、発掘ツールとしてのラジオの求心力は著しく低下した。その穴を埋めたのは紛れもなく、今年のポップカルチャーの中心的存在となったTikTokだった。映像編集の自由度の高さと膨大な音楽ライブラリーを備え、誰でも簡単に使えることができたTikTokは、退屈して時間を持て余していた人々の心を掴んだ。また見計らったかのようなタイミングの良さも、同アプリの成功の一因だった。TikTokは2018年の夏に全世界で利用可能になったばかりだったが、2019年に親会社である中国のByteDanceが口パク動画アプリMusical.lyを廃止したのちにTikTokと融合させたことで、前者のユーザーの多くがそのまま流れる形になり、TikTokは爆発的な勢いでシェアを拡大した。昨年にアクティブユーザー数は約60パーセント向上(5億人から8億人に増加)し、さらに政府による圧力がその人気に拍車をかけることになった。TikTokの発表によると、2020年にはクレア・ロージンクランツやディクシー・ダメリオ、Powfu、Priscilla Block、Tai Verdes等を含む70組以上のアーティストが、同プラットフォームでのブレイクをきっかけにメージャーレーベルと契約したという。



またTikTokがきっかけで往年の名曲が再び注目されるケースが頻発したことで、同アプリはマーケティングおよびプロモーションツールとしても有力となった。RCAは売り出し中の新人テート・マクレーをTikTok上で強力にプッシュした結果、彼女は今年深夜のトークショーへの初出演やMTVのVMAノミネート、そしてポップ系ラジオ局でのブレイクを果たした。しかし真のゲームチェンジャーとなったのは、TikTokを用いたマーケティングに特化した少数の企業だ。Against the Grain (ATG)は3月だけで、様々なレーベルやアーティストから依頼されたキャンペーンを160以上実施した。テートとATGの例が示しているように、ただアカウントを持っているだけで成果が出るわけではない。TikTokを起点とした成功は、エクスクルーシブのコンテンツやメイキング映像、知恵を絞ったテーマやチャレンジ、そして何より頻繁な投稿を必要とする。— Samantha Hissong


7. 需要あるところにブランドあり

最大の収入源であるツアーが実施不可能となり、無数のメジャーアーティストが途方に暮れるなか、有り余るほどの資産を有する世界的大企業の数々は進んで手を差し伸べた。

今年本誌の取材に応じた代理店のいくつかによると、ブランドとのパートナーシップへの関心はかつてなく高まっており、契約成立のためにはこれまで以上に迅速な行動が必要だという。ブランド契約の代名詞のような存在であるトラヴィス・スコットは今年、例年以上に多くのパートナーシップを締結した。プレイステーション、ナイキ、アンハイザー・ブッシュ、フォートナイトとのパートナーシップはもちろん、大きな話題を呼んだマクドナルドとのコラボレーション「トラヴィス・スコット・ミール」は一部店舗での食料不足を招いた。さらにマクドナルドとは様々なコラボグッズも発売し、幅約90センチのマックナゲット抱き枕は即完売した。またバッド・バニーやポスト・マローンがクロックスとコラボレートし、醜いが履き心地のいいシューズを出したことや、レディー・ガガが新作『クロマティカ』の発売に際して、不可解な色の特製オレオを発売したことも話題となった。またアイスクリームメーカーSerendipityへの投資を発表したことも記憶に新しいセレーナ・ゴメスは、ブラックピンクをゲストに迎えたシングルにちなんだフレーバーのアイスクリームを発売した。2021年にはこういった動きが落ち着き、ツアービジネスが復活することを願うばかりだ。— E.M


8. メジャーレーベルを圧倒したDIYレーベルとアーティストたち

パンデミックの最中におけるDIY音楽の爆発的増加を、本誌はどこよりも早く報じた。TuneCoreやUnitedMastersを介して各プラットフォームにアップロードされた楽曲数は、2019年から飛躍的に増加した。それは世界全体のレコード業界に影響を及ぼすうねりを生み、メジャーレーベルのストリーミング市場におけるシェアの一部を奪うことになり、インディセクター全体での年間利益は20億ドル以上に達した。またMidia Researchによると、現在は音楽制作をする人の数が世界全体で約1400万人に上り、DIYシーンの影響力は今後さらに増していくという。そういった動きに、メジャーレーベルはどう反応するのだろうか? 何十年もの間、市場シェアへの執着は多額のコストを要する前線でのA&R戦略と結びつき、リリース過多の状況が毎週のように見られた。ワーナーの株式が公開され、近いうちにユニバーサルもそれに倣うことが見込まれる現在では、メジャーレーベル各社の関心は市場シェアよりも利益率へと変わりつつある。— T.I.

9. それでも独占したがるメジャーレーベル

2015年、音楽業界が世界全体で新譜の発売を金曜日に統一することを決定した時、インディーレーベル各社は多様性が失われ、シーンがアメリカ産ポップ一色になってしまうことを懸念した。だが蓋を開けてみれば、その真逆のことが起きた。現在ではスウェーデンやフランス、イギリス、ナイジェリア、フィリピン等のアーティスト(その多くはインディーのヒップホップアーティスト)たちが、母国においてストリーミング(およびチャート)で成功を収めている。その傾向にはメジャーレーベル各社も注目しており、ユニバーサルは過去18カ月の間にアフリカと東南アジア、そしてイギリスでDef Jamをローンチするとともに、モロッコやイスラエル等で開いた新オフィスに投資している。一方ソニー・ミュージックは最近、東アフリカと南アフリカにおけるA&R活動に多額の投資を行うとともに、フランスでエピック・レコードをローンチした。これらはそういった動きのごく一部に過ぎない。多国籍企業である各メジャーレーベルは、無数に存在するのローカルシーンの掌握なくして、グローバルな音楽業界を制することはできないことをよく理解している。— T.I.

10. 中国を中心とした業界構造へのシフトチェンジ

このトピックは今後、本誌の音楽ビジネス総括記事に毎年登場することになるだろう(少なくとも中国の巨大エンターテインメント企業Tencentが世界全体の音楽業界を手中に収めている間は)。Tencentを中心とする企業連合は今年、ユニバーサル・ミュージック・グループの株の10パーセントを購入し、つい最近その数字を20パーセントにまで引き上げた。またTencentはワーナー・ミュージック・グループの少数株主となったほか、インドにおけるSpotifyのライバル企業Gaanaの株保有率を34パーセントまで増加させた。そして同社は10月に、AIによってストリーミングサービス上で最もホットな新人アーティストを解析するA&Rツールで知られる、イギリスを拠点とするInstrumentalの少数株主となった(その目的は各レーベル、というかTencentがライバルよりも先にそういったアーティストと契約することだ)。さらに同社はSpotifyの株の9パーセント、Epic Gamesの株の40パーセントも保有している。後者の看板商品であるフォートナイトが最近、トラヴィス・スコットをはじめとする大物アーティストたちによるバーチャルコンサートを開催し始めたことは偶然ではない。 — T.I.

11. ライブミュージックの未来

くぐもった音とアンバランスなミックス、グリッチと遅延、そしてiPhoneで撮影したムービーからなるバーチャルコンサートを、心から楽しんでいる人などいるのだろうか? 正直なところ、パンデミックによる隔離生活が始まった当初のライブストリーミングコンサートは、音楽業界において不可欠かつ大きな収入源というよりはギミック、あるいは苦肉の策として登場したマーケティング手法としか思えなかった。しかし、状況は今や一変した。PatreonやMaestroをはじめとするライブストリーミング企業は、驚くべきペースで成長し続けている。今年頭の時点で、後者が1カ月の間に開催する有料バーチャルコンサートの平均数は50公演だったが、夏にはその数が200公演に達した。高クオリティのコンテンツ制作は高額だが、それ以上の価値を生み出し得る。デュア・リパが今年行った唯一のバーチャルコンサートの制作期間は数カ月間におよび、総コストは150万ドル以上に達したが、1枚10ドルのチケットが約28万4000枚売れたことを考えれば、彼女が多額の利益を得たことは間違いない。より大きな成果を上げたのはBTSで、今年開催された一度きりのバーチャルイベントBang Bang Conで、彼らは約2000万ドルを稼いだ。こういった機会は、既に高い知名度を誇っているミレニアル世代のスターたちに限られているわけではない。オンラインプレゼンスよりも過酷なツアースケジュールで知られる往年のカントリー歌手たちもまた、最近ではその恩恵に預かり始めている。本誌は8月に、週に5日のペースでMaestroでライブストリーミングを実施しているMelissa Etheridgeは、1年間で約60万ドルの利益を同プラットフォームから得るはずだと報じた。

何カ月間も営業できずにいる各ベニューも、そこに突破口を見出している。ニューヨークのLe Poisson Rougeは9月に、独自のサブスクリプションサービスを開始した。最近では、ライブストリーミングで収益を得ようとする取り組みを支えようという気運が消費者の間で高まっている。エレクトロニックデュオのボブ・モーゼズは、元々はビデオゲームのユーザー向けだったプラットフォームTwitchでライブパフォーマンスを配信しており、サブスクリプションの月額は4.99ドルから24.99ドルに設定されている。パフォーマンスのライブストリーミングというビジネスは、パンデミック収束後も続くのだろうか? 世界のどこからでも楽しめること、そして来年に予定されているデュア・リパの有観客コンサートのチケット売上が70パーセント増加したことを考えれば、答えはイエスだろう。サブスクリプション、または1度きりのチケット販売というビジネスモデルが今後も成立するかどうかは不透明だが。— S.H.

【関連記事】Twitchの音楽部門責任者が語る「コミュニティを作ることの大切さ」


12. アンバンドルと再バンドル

2010年代、IT系スタートアップ各社は魅力的で斬新なアイディアによって、既に確立されていたメディアのエコシステムをから顧客を奪おうとした。そして登場したのが、膨大な量の音楽を無料で楽しめるプラットフォームや、あらゆる映画やテレビ番組をいつでも安価で提供するサービスだ。毎月複数のサービスから請求が送られてくるケースがごく一般的な現在、それらを世に送り出した企業は各サービスのバンドル化を進めている。様々なマルチメディアプラットフォームを吸収しながら巨大化していくその姿は、まるでジェンガの塔のようだ。ポッドキャスト企業を次々に買収したSpotifyは、Huluとのパートナーシップによるディスカウントディールを少し前に実施した。10月にはAppleもその流れに乗る形で、Apple MusicとApple News+、そしてApple TV+等のサービスを含むマルチティアのサブスクリプションバンドル(Apple Oneというネーミングには問題が伴ったが、本項の内容とは無関係)を開始した。一方でGoogleはYouTube TVとYouTube Musicを所有し、Disneyは増え続ける自社コンテンツ用のプラットフォームを運営している。そして猫の写真ばかりで中年向けの無害なプラットフォームに見せかけているメディア界の巨人Facebookは、あからさまにTikTokを模倣したInstagram Reelsや、音楽制作アプリFacebook Collab等の製品をローンチしている。

こういった取り組みは何を意味しているのか? 一言で言えば、スタートアップによる断片的なサービスに一喜一憂したり、「友達から教えてもらったこの新しいアプリ面白いよ」といった時代は終わったということだ。メジャーなテック企業は今やメインストリームのメディア組織であり、何もかもを保有してゆっくりと肥大化しているそれらは、エンターテインメントの世界を完全に支配しつつある。ちなみに、彼らはあなたのあらゆる個人情報を把握している。 — A.X.W.


From Rolling Stone US.

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