モー娘。小田さくらが語る「実力派」の葛藤とプロ意識

Rolling Stone Japan / 2020年12月31日 16時0分

小田さくら(Photo by Haruki Horikawa)

モーニング娘。20の2020年が終わり、モーニング娘。21の2021年が始まる。

コロナ禍の影響もあり2020年のリリースは「KOKORO&KARADA/LOVEペディア/人間関係No way way」「純情エビデンス/ギューされたいだけなのに」のみだったが、そのぶん個々の活躍にフォーカスが当たった一年だったように思う。Rolling Stone JapanではInstagramで注目を集めた生田衣梨奈にインタビューを敢行。グループの魅力を「広げる」という点で彼女が担っている役割を掘り下げた。

今回、12月にリリースされたモーニング娘。20「純情エビデンス/ギューされたいだけなのに」に合わせて、11期メンバー小田さくらに話を聞くことができた。2019年末〜2020年初頭にかけて実はスランプの真っ只中にいたという小田。そこからの自粛期間を経て、カバー曲に挑んだツアー、新曲への貢献など、2020年に彼女が経験してきたことを通して、新たな一年を迎えるモーニング娘。の未来を考えた。その魂のこもった言葉の一つひとつからは、音楽的な側面だけではなく、今ではグループの精神的な支柱になった小田さくらの姿が浮かび上がってくるだろう。

取材日の前夜、Twitterでトレンド入りしたトピック(小田によるLiSA「紅蓮華」カバーの動画が注目を集めた)からインタビューは始まった。

ー昨晩の「小田さくら」Twitterトレンド入りには驚きました。6月に発足したハロー!アニソン部の活動の成果とも言えますよね。

小田:最初は自信が全然なくて。私はアニソン部にあれだけたくさん出演させてもらって「(歌う曲を)選んでいいですよ」って言われてるにも関わらず、「紅蓮華」はそれまでずっと避けていたんです。そしたらこないだ、収録の前日に資料を見たら”明日、小田、紅蓮華”ってって書いてあって、え~! 歌うんですか!?って。 だから歌ってからもあんまり自信がなくて、トレンド入りが悪い方向だと思ったんですよ。でもそうじゃなかったので安心しました。



ー小田さんや今のモー娘。を知らない人も反応してましたよね。

小田:モーニング娘。には8年間いますけど、それでも尚、新しく知ってくださる方が多くて。ROCK IN JAPANのステージに立ったり、音楽番組の特番に出たり、そういうことがきっかけで「凄い!」ってその都度言われるということは、やっぱり見つけてもらえてないだけというか。モーニング娘。20のパフォーマンスを見ていただければ毎回爆発が起きるみたいな感覚があるので、もっと見ていただかないといけないなと思います。



ーなるほど。

小田:ROCK IN JAPANでは「体力おばけ」と言われ、その話に関する取材もたくさんさせてもらって、ネットの記事もたくさん出て注目を集めました。本当に凄い!って。でも私自身は、もっとカッコいいことを単独のツアーでやっていると思っているし、ROCK IN JAPANでも普段と変わらないことをやっていただけなので……ということは、いつも私たちがやってることは間違いじゃないと毎回思いますね。本当に見つけてほしい(笑)。


カバー曲を歌うコンサート「The Ballad」の舞台裏

ーアニソン部然り、2020年のハロー!プロジェクトは個々が発信していく作業が多かったと思うんです。モーニング娘。20もメンバーの意外が一面が知れたりして。個人的には生田(衣梨奈)さんと譜久村(聖)さんのInstagramがヒットでした。譜久村さんの女子力の高さがグングン上がっているのが日に日に分かって。

小田:ね! そうなんですよね。自粛期間中から見てると、みんなちょっとずつ可愛くなってます。家にいると、鏡と対面することも増えるじゃないですか。ちょっと太ったなぁとか、気づくことも多いだろうし、あと時間があるから何かしたいとか、そういうので皆見た目が変わっていってますね。私はインスタのアカウントを持ってないので、毎日見るというよりは「石田さんの見よう」って思って「石田亜佑美」って検索してチェックしてます。

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ー小田さんもInstagram、向いてそうですけどね。

小田:はい。いろんな方から言っていただきます。

ーネコちゃんの写真が多くなりそう。

小田:そうですね。ネコとお化粧関係かなと思います(笑)。

ー小田さん自身もブログを連日更新したり、YouTubeのOMAKE CHANNELの自撮りアカペラでは11期オーディションで歌った「Be Alive」を披露したり、2020年はいろいろ発信されてましたよね。ハロ!ステでは「こういう時期だからこそ笑ってるようにしたい」と話してました。

小田:2020年は、ネガティブなものではなかったです。3〜4月は本当に何もなくて。それは今思うと本当に空白だったというか。何もしていなかったので、何も思い出せないって感じなんですけど。その後、ちょっとずつ活動が始まってから変わってきて。特に「The Ballad」(ハロプロのメンバーがソロでJ-POPのカバーを歌うコンサート)は、私だけじゃなくてハロメン全員が一度は壁にぶつかり、自分に失望した子もいっぱいいました。そこから這い上がろうとみんな頑張ってた。あの「The Ballad」ってコンサートは私たちからしたら本当に挑戦であり、試練でありました。自分たちのツアーは自信があるからっていうことよりも、毎回みんなが違うことに挑戦しているから、それぞれ毎回見て欲しいって思うのが今のハロコンです。



ーたしかに「The Ballad」は個々の力量に委ねられる部分が大きいコンサートですよね。

小田:私は皆さんの期待に100%以上応えたいから、頑張って120%でお返ししたとするじゃないですか。今回は最初から120%を求められてる感覚があるんです。だから、どうして100%じゃダメなんだろうって、毎回プレッシャーでした。最初の頃は、音程は外してないし声も出たし、なんでこれで誰も満足してくれないんだろうって、自分の中で葛藤があって。私の長所とか短所とかっていう問題ではなくて、小田はこれぐらい歌えるんでしょ?っていう漠然としたイメージで課題曲を出されたなーっていう印象で。言い換えると、ファンの方やスタッフさんが私にどれだけ期待をしているのかがすごく分かりました。


「もののけ姫」を歌う小田さくら

ー小田さんは、TV番組でも取り上げられた「逢いたくていま」だけでなく「First Love」「もののけ姫」などをカバーしましたよね。曲のスタイルもバラバラだしどれもめちゃくちゃ難しい歌曲ですけど、どうでしたか?

小田:「逢いたくていま」はすごい頑張りました。「The Ballad」を開催するより先にカバーすることが決まっていた曲です。サビは普通の音程なんですけど、私的に高すぎて音が出せなくて。でも練習をして、ボイストレーナーの先生にも助けていただいて、出せるようになりました。TV番組でも言われていたホイッスルボイスは、曲の最後でフェイクやってみてと急遽言われました。それまでフェイクなんてしたことがなくて、決められたものしか歌ったことがなかったので、アドリブでぱっと出たのがあの高さだったんです。そんな高い音出るの?って言われて、フェイクやってみようって言っただけのものがまさかTVで放送されるまでになるとは思ってなくて、うれしかったです。頑張って良かったなーって思います。



ー「もののけ姫」に関しては、ハロ!ステで冗談っぽくなる感じは避けたかったって言ってましたね。

小田:そうです。周囲の反応を見ていると「もののけ姫」難しそう、ちょっとネタ的に受け取ってる人も多い気がしました。「楽しみにしてるよ」って軽い感じで見られても、いやいや、こちらは真剣にやってるし本気なんだよっていうのを見せなきゃっていう。私、学生の頃から合唱が好きだったのもあって、ソプラノ歌手みたいに歌うのも楽しくて。今、YouTubeに公開されてるやつが、初めての「もののけ姫」なんですね。でもあの時より今の方が凄いです。自分でも気に入っていて、後輩たちが「何回も聴いてるのに今のほうが鳥肌立ちます」とか 、PAの方にも「どんどん凄くなってるね」って言っていただけたんですよ。だから自惚れではないなぁと思って。ちゃんとレベルを上げられてるのがうれしいです。



ー「召喚」ってワードを使って解説してましたけど、憑依系の歌い方ですよね。

小田:「J-POPバラードをやります」って言ってるなかで、J-POPバラードではない雰囲気なのかなっていうことを考えて、どうやって見せるか考えました。だから恥ずかしくないように歌おうっていうよりは、「もののけ姫」っていうものをいかに表現するかっていうのが結構大事でした。ちゃんと世界観を出す。私の出番の前後の曲も気にしないですし、このツアーのテーマがJ-POPバラードっていうことも気にしないで、とりあえず記憶が飛ぶくらいというか、夢だったのかな?ぐらいに異空間に持っていけたら成功かなって思ってました。

心の中ではしっかり私のまんま緊張感を持って、気をつけるところを気をつけながら冷静に歌ってるんですけど、見た目だけは別人であろうと。普通、そっちの方が無理なんですけど、でも終わってみると「小田ちゃんじゃない顔をしてた」とか「後ろに何かいた?」とか言われたりして。自分も歌い終わった後に、スッて息が吸えるようになるっていうか、肩の力が抜けるんです。だから中身できっちり冷静さを保っていても、それでも何となくいつもの自分とは違う感覚を持ちながら歌っているのかなとは思います。本当に記憶を失うわけではないので(笑)。


Photo by Haruki Horikawa



新曲「純情エビデンス/ギューされたいだけなのに」について

ー他のインタビューで「去年初めてスランプになった。自分の歌に不満はなかったのに疲労が蓄積したのか高音が思うように出なくなった」と語っていました。そこを乗り越えてようやくというタイミングでコロナ禍になってしまった。でも、今の「もののけ姫」の話のように、考えようによってはヴォーカリストとしてさらにパワーアップできる機会を得たとも言えますよね。「純情エビデンス」とか聴くとすごく感じます。

小田:いわゆるスランプというものを完全に抜けたのかと言われれば、私はまだ正直スランプだと思っています。10代の頃は成長の速度が凄くて、毎回手応えがあった。その時に比べたら絶好調ではないなぁと思いつつ、それでも過去の自分の動画を見て今あらためて聴くと音程外れてたりして、やっぱり今の私の方がちゃんとしてるなと。スランプだと思った時は本当にスランプでした。声が出なかったので。でも今のこのモヤモヤっていうのは、単純に自分のことを過信しているからなんだろうなって。私だったらこれぐらい出来るって自惚れてただけで、だったら自分の実力に沿った期待を自分にしてあげようと思ったんです。それこそファンの方が私に期待するのも、それは信頼の証だと思いますし、そこに追いつくのが私のお仕事ですけど、せめて自分の基準に合わせたものを自分に期待して、その基準をクリアしたら、ちゃんと自分のことを褒めてあげることを個人的な管理としてはやっていきたいなと思っているのが最近です。超期待しちゃってたので、自分に。

自分の歌が好きだったから完璧を求めてたんです。それこそ「紅蓮華」は今の自分にはできないと思って選んでなかった。私の実力じゃ無理だと思って。それでも評価していただけたから良かったなって。私自身は全部ダメって思ってたんですけど、思ったより歌えているところもありましたし、そういうところをちゃんと自分でも拾って、とにかく褒めてあげたいなって。スランプの時期は、自分にダメダメしか言ってなかったんです。今度からはちゃんと出来たところを褒めるっていう作業を自分にしてあげる2021年にしたいなと思っています。



ーつんく♂さんのライナーノーツには「過去からの脱却、次のステージへのステップアップ」って書いてましたけど、モーニング娘。が築いてきた偉大なレガシー=受け継いできたものも武器にしていこうという感覚はありました? 

小田:つんく♂さんって「立場」って言葉を使うことが多いじゃないですか。私たちからしたらつんく♂さんは教科書のような存在なのに、つんく♂さんは自分の変化を止めようとしない……ってところがモーニング娘。の根本にはあって。モーニング娘。の23年の歴史って、つんく♂さんの血でもあるわけです。私たちは全員つんく♂さんの曲を、つんく♂さんが思うように表現して、つんく♂さんが好きなパフォーマンスをする。そこまでの「立場」を確立したつんく♂さん自身が、まだ変化しなきゃと思って、新しいものを取り入れて、音楽もいろいろ勉強して、いろんな人に会いに行ったりしてっていうのを見ていると、自分の未熟さを感じます。たかがスランプを乗り越えたくらいで、まだまだだなって。自分はモーニング娘。に8年在籍していて、このままでいいと思ったことは一度もないので、その精神は持ち続けていきたいなと思っています。


「しがみついていれば良い」の意味

ー小田さんと佐藤さんが歌う”栄光は過去のもの/未来には適応外”からの”しがみついていれば良い”のラインが印象的でした。過去の栄光は忘れて前へ進もう!みたいな意識になりがちだけど、いい意味でしがみついていてもいいんだ!みたいな。

小田:そうですね。手放してはいけないんですよ。しがみついてればいいっていう表現、考えさせられます。自分が自分でいられるならば、それは持っておくべきと思うんです。しがみついたまま進んで行けばいいだけですから。この曲の歌詞、1番の”栄光は過去のもの/未来には適応外/しがみついていれば良い”があって、2番の同じ箇所では”友情は絵空事/だとしても大事かも/そこをうまくすり抜ける”と来て、人生の話から急に女の子の話になるじゃないですか。私は絵空事みたいな友情って、正直あんまり実感がない。でもそういう女の子たちもいる中で、「だとしても大事」っていうのはわかるし、「そこをうまくすり抜ける」っていうのが、女の子にとってはそれこそが人生だったりするのかなって。遠いところと近いところ、この差が凄すぎて、どっちも見える。あまりにも遠くを見すぎて手前のことが見えなくなる曲じゃなくて、そこを目指すんだったら、まずはこの辺から解決しなきゃ……みたいなのを感じる歌詞です。

ーライナーノーツでは「『純情』のエビデンス(根拠)を掲げるわ。信じられないならどうぞ、検証してみてください。ここまで言い切る私は生意気でなかなかいいでしょ!? 可愛いでしょ!? 好きでしょ!?ということを叫んでいます」と解説されていて、つんく♂さんは天才だなと思いました。

小田:つんく♂さん自身は本当にいつまでも若い方ですよね、心が。これだけの経験をしてきたら普通は達観してしまうじゃないですか。達観とかじゃなくて、なんか若いです。凄い。

ー「ギューされたいだけなのに」の”なんもわかってないじゃない””なんも届いてないじゃない”とか、コロナ禍のこのご時世も考えると、いろんな意味ですごく「代弁してる」歌詞だとも言えますよね。こういう世界観はやっぱりつんく♂さんにしか書けない。

小田:これも凄い歌ですよね。私、この曲の主人公の女の子が10代なのか20代なのかで、意味が全然違うなと思って。10代だったら高校生の恋愛のように、むしろ憧れるくらい可愛いワガママって感じですけど、20代だったらちょっとヤバいかなと思いました。私は今21歳ですけど、この歌詞にあまり共感はしなかったです。私の想像の範囲を超えています。



ーたしかに「純情エビデンス」とは全然違う感情がありますよね。

小田:そうなんです。歌詞にある”青春エンドロール”だってまあまあなパワーワードじゃないですか。なのに”うさぎちゃんシンドローム”が強すぎて、青春エンドロールがかすむんですよ。うさぎちゃんは寂しいと死んじゃうんだよっていう曲ですもんね。なんかすごい、言いえて妙な表現をされたなって。

「純情エビデンス」は15期が入って若くなった影響が出てると思います。「ギューされたいだけなのに」は、横山(玲奈)とか森戸(知沙希)とか、あの辺がハマりませんか? 学生感みたいな雰囲気というか。つんく♂さんは私たちが中学生の時は、中学生に向けたような曲をくださったりしていたんで、メンバーに合わせて書いてくださってるなって感じます。


つんく♂さんが求めていること

ーいわゆる「EDM期」と呼ばれるようになってから取り入れてきたビートの質感とつんくさんが持ってるJ-POP的な「味」が曲を重ねるごとに絶妙なバランスでミックスされてきてるんじゃないかなーって思うんですよね。例えば「恋愛ハンター」(2012年)、「ブレインストーミング」(2013年)、「わがまま 気のまま 愛のジョーク」(2013年)、最近だと「ジェラシー ジェラシー」(2017年)、「人生Blues」(2019年)みたいに。

小田:たしかに。EDMというものに手を出すのが、本当に早かったです。「One・Two・Three」(2012年)とか衝撃でした。ここまでモーニング娘。は行くんだって。でも今「One・Two・Three」を聴いてもカッコいい。



ービートや音色が今っぽくても、結局モーニング娘。の曲になるっていうことは、つんく♂さんのDNAがめちゃくちゃ強いのかなって。

小田:そうですね。そう思います。

ーだからEDM期より前の曲と今の曲を並べてもそんなに違和感がない。

小田:最近の曲って、どこがサビでAメロやBメロはどれ?って曲が多いじゃないですか。「そうだ!WereALIVE」も同じように「今これ何メロ?」「何この間奏?」みたいなのがあるんですけど、この曲がリリースされたのって約20年前で(2002年)。つんく♂さんの凄さを思い知らされます。



ー「純情エビデンス」はEDM期以降の一つの集大成的な形にもなったと思うんですよね。疾走感もあるしキラキラ感もある。緩急つくところでトラップっぽいアプローチが入っているところもいい。この曲に関して、小田さんが歌唱面で気をつけたところは?

小田:とにかく自信を持つこと。この曲につんく♂さんが求めていることは、きっちり丁寧にというよりは、前へ前へのギラギラ感を出してくれよみたいな感じだと思うんです。だから私もこの曲は自信を持ってカッコよくやること。カッコよくってただただキメ顔することというより、そのキメ顔の中でふっと笑われると、その笑顔がすごい自信を持った人に見えたりするじゃないですか。そういう一瞬の笑顔みたいなものというか、内に秘めてるギラギラと、純情感。8年いるけどまだ純情みたいな精神がある……ということを自分がちゃん出そうって。こなれ感みたいなのは最近あったなと自分でも思うんです。パターンにはまってきたみたいな感じがちょっとあったので、そこからもう一回抜けたいです。この曲で。


Photo by Haruki Horikawa



「自分が動くことで、何かが変わる」

ー小田さんのターンがあって佐藤さんのターンが来るのも定番のスタイルになってきている感じはしますけど、今回はそれでもいつもと印象が違いました。

小田:はい。私のターン感が凄い出てます。14人いる中で私のターンってどれだけ重いものかっていうのを、感じながらちゃんとやりたくて。このパートは私が誰よりもきっちり出来るから、私が貰いました。だからちゃんとやりますって思わないと、もったいないです。逆に私以外の誰かがこのパートを担当することになって、その人が何となく歌っていたらふざけんなと思いますし。というのは全パートに対して思っています。AメロとかBメロとか、今回の曲だと”oh no baby”って言うパート、私には一回も来てないんですね。好きなリズムだから私も歌いたかったし……ってそういう風に考えるんです。

ーそういう気持ちの出し方が前より上手くなってきた?

小田:そうですね。「純情エビデンス」の初披露がテレ東音楽祭だったんです。ツアーとかで歌う機会もなく、いきなりTVの生放送で初生歌っていう環境で。”栄光は過去のもの”っていう、この私のターン、曲の中で最初に出てくるソロパートなんですよ。もし私のパートが失敗したら、練習してきてない感じが出るじゃないですか。だから絶対ちゃんとやるって思って。すごく気を張ってリハーサルに臨んだんですけど、その時に石田(亜佑美)さんが「やっぱあんた凄いわ」って言ってきてくれて。それで緊張がほぐれたというか、私が歌う意味だなって思いました。ソロパートの一人目の出来でその曲の印象が全然変わるし、その日1日のテンションもみんな変わると。曲に対する不安が生まれると思うんですよ。だけどちゃんと外させずに本番も歌えたっていうのが、自分の中では、この立ち位置だけは守って行きたいって思いました。ちゃんと信頼してそういう場所を持たせてもらえるように、これからもなりたいです。

ー小田さんはブログにファーストサマーウイカさんとの写真を投稿してましたよね。BILLIE IDLE®の話や初期BiSの話をしていて、すごくいいなーと思ったんですけど、モーニング娘。20って親善大使的な存在だなって思うんです。J-POP、アイドル、ロック、芸能界、いろんなところに出て行けるし、そこでいろんな人たちに愛されつつ自分たちが作り上げてきたものを体現している。でも、小田さんが最初に言ってた「もっと多くの人に見つけてもらう」には、それだけでは足りないのかもしれないですね。

小田:そうですね。グループに加入して日が浅いとか、自分が生まれる前だから、どれほどのグループだったかをリアルタイムで知らないとか、そういうのはしょうがないとは思うんですけど、それを知ることでありがたみというか、特別なところに自分が今いるんだってまた一つ輝ける気がするんです。「自分はモーニング娘。のメンバーとして選ばれた人だ」って思うだけでも自信が増すと思うので、その上で個々で「何かやります!」って気持ちを大事にしてほしいなと。みんな謙虚なので、私のこのガツガツした感じは結構うっとうしがられるようなことも多いんですよ。けど言ってしまったら私だってオーディションで7000分の1になった経験があるわけで、14人のモーニング娘。20の中で責任を持って頑張ってると思います。「自分が何かをすることで、何かが変わる」ということをもっと自覚してくれたらいいなって。1/14ではなくて、各々一人でもやっていけるくらいのスキルを持っているのに、なぜか14人揃うと一つにまとまるというのがカッコいいじゃないですか。それぐらいみんなが自分自身にワクワクしてほしいです。

ーその謙虚さがみんなから愛される理由にはなってますよね。

小田:愛されはします、身近な方から。愛されはするけど、でも 本当にそれしかできないの?って思うんですよ。みんなもっとできると思うし、私もこのグループが大好きでこれからも頑張って行きたいし、後輩にいろいろ伝えて行きたいけど、正直いつまでいるか分からない。そう考えると私くらいの自信家がもう一人ぐらいいても、輝けるんじゃないかなって。謙虚なだけのグループになってほしくないんです。奥ゆかしくて慎ましいのはいいことですけど、それってパフォーマンスに対しては違うと思うんです。謙虚すぎると自分たちのカッコよさに気づけなかったりするので、そこをもっと自覚したら、全員フル装備で戦えると思うんです。伝説の剣も持ってる、幻の鎧も着てるしみたいな状態で挑んでいけば、もっとカッコよくなる。自粛期間中に自分たちの映像を見て、モーニング娘。20ってこんなにカッコよかったんだって、私ですら思ったので。

ーそういう意味で「純情エビデンス/ギューされたいだけなのに」はかなり強力な曲になったと思います。

小田:そうですね。この曲がきっかけで、自然とその道筋ができればいいし、私も何か手伝えたらいいなと思ってます。

【画像】メンバーのカラーで分けられたモー娘。のマイク(実際にライブで使用されるもの)

【関連記事】笑うだけではダメ」モー娘。小田さくらが考えるトップに立つために必要なこと


Photo by Haruki Horikawa

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