母親が議事堂襲撃に参加していた? リベラルな娘が取った行動
Rolling Stone Japan / 2021年1月14日 6時45分
18歳のヘレナ・デュークさんは二週間前、用事があるから叔母と一緒にしばらく留守にする、と母親に言われた。どんな用事かについて母親は言葉を濁したが、ヘレンさんは他に何も聞かされていなかったので、そのことについて特に気にしてはいなかった。
すると先週、ヘレナさんは勤務先のマサチューセッツ中心地のYMCA託児センターの同僚から、Stop the Steal(選挙人団の開票集計を止めようとするトランプ主導の抗議運動)の集会に参加していた反乱分子が国会議事堂に乱入したことを聞かされた。ヘレナさんは好奇心から、家族の居所を共有するアプリLife360で母親の居場所を探してみた。母親のテレーズは位置情報をオフにしていた。トランプ支持者の母親が以前から支持集会に参加したいと口にしていたことはヘレナさんも知っていたという。「もしかしたら母は議事堂にいるのかもしれない、だとしたら大変だわ、と思いました」と語る。「そしたら翌朝、いとこが動画を送ってきたんです」
問題の動画は、1月5日に撮影されたテレーズの拡散動画だった。全国から集まったトランプ支持者らはこの日首都に集結し、夕方には道路を占拠した。その夜テレーズを含む数名はDCのフリーダム・プラザ前で、警備部隊とみられる黒人女性を追いまわしていた。テレーズが女性の携帯電話をつかむと、相手は彼女の顔を殴った。動画にはヘレナさんの叔母と叔父にあたるアン・ロレンツとリチャード・ロレンツ夫妻の姿もあり、叔母のアンは女性を殴り返していた(ヘレナのいとこが、動画に映っているのは自分の両親だと証言した)。この騒動の後に撮影された別の動画には、顔から血を流したテレーズが暴行を受けたと話す姿が映っていた。
【動画】強烈な右ストレートをくらわす女性警官
裁判資料によると、アシャンティ・スミスとアン・ロレンツはいずれも暴行罪で起訴された(スミス氏がどの部署に所属していたかは定かでないが、ロレンツの起訴状にはスミスが警察官だと記載されている)。スミスは弁護費用を募るGoFundMeのページで、アンやテレーズの名前は出さなかったものの、プラザにいたトランプ支持者らが嫌がらせをしてきたのだと主張している。アンとテレーズが翌日の議事堂襲撃に参加していたかどうかはわかっていない(LinkedInとメールでテレーズ・デュークとロレンツ夫妻にコメントを求めたが、返答はなかった)。
【関連画像】米議会襲撃の生々しい様子(写真19点)
ヘレナさんは、動画に母親が映っているのを目にして「信じられない」と言いながらも、決して驚くことではないと言う。本人いわく、テレーズは以前からトランプ大統領を支持する発言をしていたし、数カ月前にヘレナさんがBlack Lives Matter抗議活動に参加したときには、あれは「暴力的な運動」だと言って家から閉め出されたそうだ。「母の思想や行動パターンは知っていました」とヘレナさん。「でも、ここまで成り下がったとは思ってもいませんでした。この動画で、母の人生は地に堕ちたことをはっきり思い知りました」
覚悟のツイートに共感の声
ヘレナさんは、なんと公の場で実の母親に対抗した。彼女はTwitterに動画のスクリーンショットを投稿。次のような文言が添えられていた。「ねえママ、私にBLM抗議活動に行くなと言った時のことを覚えてる? 危険な目に遭うあうかもしれないからって……でしょ?」。そして母親の名前と叔父叔母夫妻の名前をツィートし、証拠として家族写真も投稿した。「ハーイ、私はリベラル派のレズビアン。私の思想やBLM抗議活動に行った私の身を気遣う家族から、何度も家から締め出されたわ」と彼女はツイートした。
hi mom remember the time you told me I shouldnt go to BLM protests bc they could get violent...this you? https://t.co/9ZkbAq0ehO — Helena Duke (@duke_helena) January 7, 2021
デュークさんのツイートは約8万回リツイートされ、41万以上のいいねを獲得。ソーシャルメディアでは、トランプ政権になってからの数年間、同じように親族が過激化した大勢の人々から共感を得た。反響の大多数は好意的な一方、ヘレナさんによると、ネットで注目を集めるために母親を裏切った、と非難する一部の人々から脅しも受けているそうだ。こうした主張に、彼女は真っ向から否定している。「私はちっとも母を裏切ってなんかいません」と本人。「母にされたことと同じことをしただけです」
だが、拡散動画に映っていたのが原因で失業したテレーズ・デュークはそうは思っていない。ツイート拡散後、母親から送られてきた携帯メールをヘレナさんはローリングストーン誌に見せてくれたが、その中でテレーズは、家族を、とりわけテレーズと現在同居中の妹を危険にさらしたと娘を責めた。「私の行動で妹に何らかの危険が及ぶ、なんて母の口から言われるのはおかしいと思いました」とヘレナさん。「あの場に行って、あの女性に嫌がらせをした母の行動の方が、よっぽど私たちを危険にさらしていると思います」
from Rolling Stone US
ON THE CODE SHE DID WHAT SHE HAD TO DO MINK MINK
pic.twitter.com/mljLbZN4ym — ⁶Kid (@deep_dab) January 6, 2021
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
反ユダヤ主義拡大に警鐘 バイデン米大統領、停戦語らず
共同通信 / 2024年5月8日 9時53分
-
支持9割!「トランプ郡」はワシントンとNYが大嫌い 日本人と似ている?根底にある住民の思いとは…
47NEWS / 2024年5月3日 10時0分
-
【ヘレナ ルビンスタイン】母の日のギフトに、プレミアムなスキンケア体験を。フェイシャル トリートメントチケット付きのキットを限定発売。
PR TIMES / 2024年4月26日 12時15分
-
TiKTok禁止ならバイデン氏に責任、トランプ氏が若者に呼びかけ
ロイター / 2024年4月23日 7時23分
-
脳出血で倒れた30代男性、自ら死を願った驚愕理由 「長生きしたら不幸」と思えてしまう日本の問題点
東洋経済オンライン / 2024年4月14日 13時0分
ランキング
-
1「産休クッキー」に「お子が熱」。なぜ批判は、会社の構造ではなく“子持ち様”に向いてしまうのか
オールアバウト / 2024年5月8日 21時5分
-
2【実食レビュー】セブンイレブン、お値段そのまま「人気商品増量フェア」増量の具かぞえてみた - 2倍量、3倍量の“こんもり”盛り付けにテンション上がるぅ!
マイナビニュース / 2024年5月8日 16時16分
-
3「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
4SNS激怒「常識分からんのか」…相次ぐ「ホテルの備品持ち帰り」被害に弁護士「窃盗です」 どんな罰則がある?
オトナンサー / 2024年5月9日 7時10分
-
5「なぜポロリした」最終回に賛否・打ち切り説も? 急すぎる展開で終わったスポーツマンガ
マグミクス / 2024年5月8日 21時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください