米議事堂乱入の男、ペンス副大統領に脅迫メモ「正義が果たされるのは時間の問題」
Rolling Stone Japan / 2021年1月18日 6時45分
ドナルド・トランプ大統領支持者らが米連邦議会議事堂を占拠した暴動に関して、米連邦政府は単刀直入に「アメリカ合衆国政府の転覆を図った暴動」と記し、「議事堂に乱入した暴徒のねらいは議員の捕獲と暗殺だった」と主張している。
今回の事件で注目を集めた上半身裸でバッファローの帽子を被った男、極右陰謀論「Qアノン」の「シャーマン」を自称するジェイク・アンジェリことジェイコブ・アンソニー・チャンズリー容疑者は、暴力的な不法侵入や治安を乱した容疑で逮捕・訴追されているが、上記の表現はその裁判資料に書かれたものだ。
いまや誰もが知る議会乱入の写真からもわかる通り、チャンズリー容疑者は上院議会の演壇へと向かい、政府側の主張によれば、そこにマイク・ペンス副大統領宛ての悪質なメモを残したという。メモには「正義が果たされるのは時間の問題だ」と書かれていた。
【画像ギャラリー】「ペンスを首つり刑に」議事堂の外に置かれた首つり縄(写真19点)
問題の裁判資料は政府による「拘禁支持摘要書」で、その中で政府はチャンズリー容疑者が危険な人物であり、公判まで勾留しておくべきだと主張している。アリゾナ州地方検事局のマイケル・ベイリー検事が手掛けた資料には、チャンズリー容疑者が「麻薬常習者で」「支離滅裂な風変わりな思想を抱き、現実と結びつけることができない」と書かれている。またQアノンという「危険な過激グループの伝道師で」、「アメリカ合衆国政府の転覆を図った暴動の……中心的人物を自認している」と位置付けている。最後には「彼の経歴と人格をふまえれば、拘留する必要がある」と締めくくられている。
今回の政府による摘要書から、1月6日の議事堂乱入に対する表現が著しく厳しくなったことが伺える。もっとも、マイケル・シャーウィン連邦検事正代行はすでに、連邦政府は「扇動および共謀にからむ重罪で訴追する」意向だと発言した。ただし、チャンズリー容疑者の起訴内容はこれとは違う。彼は重罪2件、すなわち「市民騒動に関連して、あるいは騒動の最中に合法的に職務をまっとうしていた警察当局に対する」公務執行妨害と、「市民騒動を起こして議会職員を脅威にさらし、立ち入りを禁じられた建物に正当な許可なく違法に居座ったことによる」議会の進行妨害で起訴された。
チャンズリー容疑者は「エイリアン」を自称
摘要書によると、チャンズリー容疑者は精神不安定な危険人物で、「自分はエイリアン、または高次元的な存在で、今は地球にいるものの、やがて別の現実へ登っていくのだ、という考えを公言」するQアノンの熱心な信者と表現されている。Qアノンに関しては、「悪魔を崇拝し、人肉を喰らう小児性愛者が世界的な児童売春組織を運営し、ドナルド・トランプ大統領への反乱をもくろんでいるという根拠のない虚構に満ちた陰謀を信じる人々」と簡潔にまとめられている。
裁判資料には、チャンズリー容疑者がペンス副大統領宛てに残したメモの意味に対する連邦政府の疑問も記されている。チャンズリー容疑者は「マイク・ペンス副大統領、バラク・オバマ前大統領、ヒラリー・クリントン前上院議員、ジョー・バイデン次期大統領をはじめとする現職および過去の政治リーダーらはスパイで、多岐にわたる不正に関与していると延々と批判を並べていた」という。
メモが意味するところについて、政府とチャンズリー容疑者の意見は一致していない。摘要書によれば、「本人は、メモは脅しではないと陳述している」ものの、「政府はこれに強く反対している」。
チャンズリー容疑者の弁護を務めるセントルイスのアルバート・S・ワトキンス弁護士は、ローリングストーン誌に声明を宛て、依頼人は平和的な人物で犯罪歴もなく、ひとえに彼がリーダーと仰ぐドナルド・トランプ氏に従っただけだ、と述べた。「(チャンズリー氏は)大統領の言葉に耳を傾け、一緒にペンシルベニア・アベニューを歩いて議事堂へゆこう、という呼びかけを聞いたのです……1978年、ジム・ジョーンズという名の人物は群衆を説得し、元イギリス植民地ガイアナへと連れていきました。彼の信奉者はみな温厚かつ賢明な人々で、言われるがままにKool Aidを飲んだのです。1月6日の出来事で欠けていたのはただひとつ、Kool Aidでいっぱいになった大きなクーラーボックスだけです」。彼は依頼人の恩赦を請求するつもりだ、とも述べた。
from Rolling Stone US
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