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スパークスとエドガー・ライト監督が語る、最新ドキュメンタリーと謎多きバンドの50年史

Rolling Stone Japan / 2021年2月10日 12時0分

スパークスとして活動するラッセルとロンのメイル兄弟(『The Sparks Brothers』より)(Courtesy of The Sundance Institute)

『ベイビー・ドライバー』『ショーン・オブ・ザ・デッド』などで知られるエドガー・ライトが監督を務めた、スパークスのドキュメンタリー映画『スパークス・ブラザーズ』が4月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他にて全国公開される。50年に渡る音楽キャリアを克明に描いた同作について、スパークスのいまだ謎多き魅力について、メイル兄弟とエドガー・ライトが大いに語る。

【動画を見る】『スパークス・ブラザーズ』予告編

スパークスには、気軽なファンなど存在しない。ファンとしてのこだわりのレベルがいくつか、という尺度でのみ測られる。例えば、ロンとラッセルのメイル兄弟が歩んできた長年に渡る音楽のキャリアに興味を持つきっかけとなったアルバムを手にして、生涯大切にしようと決めたとする。それがポスト・グラムロックの『Kimono My House』(1974年)であれ、ジョルジオ・モロダーがプロデュースしたディスコ後期の『No. 1 in Heaven』(1979年)であれ、或いは世界的に有名なFM局KROQで受けそうなモダンロックの『In Outer Space』(1983年)であれ、ファン・レベル1〜10で言えばレベル4に過ぎない。

スパークスのユニークでチャレンジングな回り道(1977年の錯乱したアルバム『Introducing Sparks』を称賛するなど)をきっかけにファンとなり、アルバム毎にコロコロ変わる彼らのサウンドに魅了され、さらに、21世紀に入ってもなおチケットを購入して彼らのコンサートへ足を運ぶファンもいるかもしれない。そんなファンはレベル6に相当する。ロンの不気味な表情と50年代風のファッションセンスをそっくり真似ているファンは、レベル7.5。背中にアルバム『Pulling Rabbits Out of a Hat』のジャケット写真のタトゥーを入れているなら、レベル8だ。

そして、多くの作品を残しながらも極度にマニアックな存在のバンドをテーマにしたドキュメンタリー映画が、3年間かけて製作された。バンド初期の成功から低迷期、ラインナップに名を連ねた人々、代表的なヒット作と失敗作、そして唐突な復活劇まで、バンドの全時代を網羅している。スパークスの全てがわかる作品だ。ファン・レベル1〜10を基準にすると、監督のエドガー・ライトのファン・レベルは25程度に達するだろう。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』等の代表作を持つライトはスパークスの超ファンで、バンドの50年に渡る音楽キャリアを初めて徹底的に掘り下げたドキュメンタリー映画『スパークス・ブラザーズ』を監督した。70年代のアリーナロックに始まり、パンク、パワーポップ、エレクトロポップ、ニューウェイヴ、90年代のオルタナ・ロック、ニューミレニアムのレイヴミュージックからポストパンク・リバイバル(フランツ・フェルディナンドとのコラボバンド「F.F.S.」としてアルバムを発表)に至るバンドの歴史と、完全に未知なる領域への寄り道までも描いている。この映画は、自分たちのロックンロールや映画への愛情と並外れたユーモアのセンスを実験的な作品に込めた、南カリフォルニア出身の2人兄弟の物語でもある。

ライト監督のドキュメンタリー映画には、インタビューや秘蔵映像の他、多くのユーモラスな要素も含まれる。歪められたバンド像を直視した作品で、スパークスのアルバムと同等の価値がある。馬鹿げた感じに見えるが嘘偽りはなく、皮肉めいているが愛情が込められている。ありがちな構成だが、どこかまるっきり異なるものとの境で揺れている感じがする。暴露する前から10もの見えすいた嘘を並べたバンドを主人公にした音楽ドキュメンタリーなど、他にはないだろう。そんなことは、まあ気にしないことだ。

『スパークス・ブラザーズ』がプレミア上映された完全オンライン開催の2021年サンダンス映画祭に先立ち、監督のライトとメイル兄弟にオンラインインタビューを行った。3人には、時には自己を犠牲にしてまでも、常に前進することを余儀なくされたバンドを振り返るプロセスについても語ってもらった。会話については長さを調整し、3人がどれだけ楽しそうに会話していたかを分かりやすく強調する目的で、内容の編集を加えている。

スパークスとの出会いとドキュメンタリー製作の経緯

ーエドガー監督にお聞きします。英国の多くのファン同様、スパークスを知るきっかけとなったのはテレビ番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』だったのでしょうか?

エドガー・ライト:そう、5歳の時だった。1979年に観たあの番組ははっきりと記憶に残っている。彼らが「Beat the Clock」か「The Number One Song in Heaven」を演奏したのか、それとも両方やったのかまでは覚えていないけれどね。両親がいわゆる『NOW』シリーズの先駆けとなったベスト盤レコードをよくかけていて、その中の1曲に「Beat the Clock」が含まれていた。また別のレコードには「When Im With You」が入っていて、どちらもよく聴いていた。

「Beat the Clock」は、5歳の子どもでも一緒に歌えるようなキャッチーな曲だった。子どもながらに「この曲は何について歌っているのだろう?」などと考えていた。モンティ・パイソンのコメディを見て、全ては理解できなくても、どうにか内容を知りたいと思うのと一緒だ。スパークスのおかげで私は、もっと賢くなって知識を付けたいと思うようになった。物事を深く追求したいと考えるようになったのも、彼らのおかげさ。



ーということは、スパークスの音楽に初めて触れたのはジョルジオ・モロダーの時代からでしょうか?

エドガー:スパークスの歴史を語る時に気づいたことがある。ファンがスパークスのどの時代から好きになったかを繋いでいくと、一つの年表ができあがる。あるいはファンの出身地を調べていくと、ロンドンとロサンゼルスを行ったり来たりしている。ロンドンのファンはおそらく、「This Town Aint Big Enough for the Both of Us」かモロダー・プロデュースのアルバムでスパークスを知ったということが分かる。また、ある年齢層の米国人に受けるのは『Angst in My Pants!』だ、となるだろう。つまりどのファンにも、それぞれに「最初の」スパークスがある訳だ。

その後ティーンエイジャーになって、デヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージック、T・レックスなどをよく聴き出した頃、スパークスが明らかにグラムロックの集大成のようになっていた。「これがあのスパークスか? 確かに同じヴォーカルでキーボード中心だけれど……」と思った。私にとっては不可解だった。インターネットもない時代だったから、あらゆる情報を繋ぎ合わせてスパークスの全貌を知るのも一苦労だった。90年代になると、彼らの「When Do I Get to Sing My Way」がヒットしてMVがしょっちゅう流れていた。「これが15年前と同じバンドか? なぜラッセルが若返って見えるんだ? どうなっているんだ?」と思った(笑)。それからハードコアなファンになって彼らにのめり込んだのは、2000年になってからだった。(2002年の)アルバム『Lil Beethoven』の頃かな。




ー彼らのドキュメンタリー映画のアイディアが浮上したのは、いつ頃でしょうか?

エドガー:『ベイビー・ドライバー』の脚本を、ロサンゼルスのフォルモサのすぐ近くにあるこのオフィスで書いていた時、スパークスのアルバムをよく周りの皆に聴かせていたんだ。ある時「スパークスはTwitterをやっているのかな?」とふと思い付いた。そして探し当てた彼らのアカウントを見ると、何と「スパークスにフォローされています」(Sparks Follows You)となっていたのさ!

ーそのフレーズを、そのままスパークスのアルバムのタイトルにできそうですね。

ロン・メイル:それ、いいね!(笑)

エドガー:彼らと知り合う前は、ロンとラッセルが地球上の住人だとは思いもしなかった。ロックの世界のJ・D・サリンジャーか何かだと信じていた。彼らがロサンゼルスという私と同じタイムゾーンで暮らしているだけでなく、Twitterまでフォローしてくれているとは驚きだった! 早速Twitterで「本当にスパークスのアカウントでしょうか? 私はあなた方の大ファンです」とメッセージを送ってみた。おそらくバンドのアシスタントか誰かがアカウントを管理しているのだろうと思っていた。ところが、5分かそこらでラッセル本人から返信が来たのさ。「そう、本人さ。僕たちは君の映画の大ファンなんだ!」ってね。それから24時間も経たないうちに、ビバリーヒルズでロンとラッセルと朝食を共にしたんだ。

数年後、アルバム『Hippopotamus』リリース後のツアーのコンサートに、フィル・ロード(映画『LEGO ムービー』の共同監督)と一緒に出かけた。彼もスパークスの大ファンだ。バルコニー席の両隣には、セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズとトニー・バジルがいた。会場を見渡すと、観客の年齢層は16歳〜60歳と幅広かった。私はフィルの方を振り返り、「このビッグなバンドが過小評価されているのは、彼らの全体像を説明するものがないからだな」と言った。バンドの歴史を紹介するドキュメンタリーのようなものがあれば、あらゆるファンを一つにまとめることができる。するとフィル・ロードが「君が映画を作ればいい」というから、「そうするよ」と答えたのさ(笑)。

あらゆる時期のスパークスを同等に扱いたい

ーライト監督以前に、兄弟のドキュメンタリー制作の企画はあったのでしょうか?

ラッセル・メイル:デビューしてから何度も話を持ち込まれたことはあった。しかしいつもイエスと言うのを躊躇していたんだ。僕らの言いたいことは、言葉よりも音楽の方が伝わるからね。それにセンスの良いちゃんとした人に任せないと、満足行くものができないだろう。これまではドキュメンタリーを作りたい、という気にならなかった。

ところがエドガーから提案された時は、イエスと即答した。僕らは彼の作品のファンだったし、彼の映画から感じられるセンスは、スパークスの音楽に通じるものがあるしね。こんな映画を作る人なら、バンドのストーリーにも真摯に向き合ってくれるだろうと感じた。それまでの企画では、満足いく作品ができそうになかった。エドガーとなら上手くいかない訳がない、と思ったのさ。良いタイミングで良い人が現れてくれた。

エドガー:スパークスがどんなに素晴らしいバンドかということを言葉で一所懸命に説明するよりも、映画にした方が伝わりやすい。「スパークスのどのアルバムを初めに聴くべきか?」と問われたら、どう答えたらよいか迷う。どのバージョンのスパークスから聴いてみたいか、と逆に聞きたくなるからね(笑)。

ロン:どのアルバムからでも、最初に聴いてくれた作品がその人にとってのニューアルバムということだ。

ースパークスには、オールシーズンに対応する作品があるということですね。

ロン:エドガーはさらに、僕らの音楽的な変遷で区切られる各期間を全て同等に扱いたい、と言ってくれたんだ。それから現在の僕らの音楽は、40年前と変わらず重要な意味がある、とも言っていた。自己妄想のようなものかもしれない(笑)。でも僕らにとっては重要なことだった。正にラッセルと僕が常に意識してきたことだからね。

エドガーは理解してくれていた。東京とメキシコでの最近のコンサートで撮影した若いオーディエンスの反応が、1974年当時の会場とまるで同じ感じだった。彼はそれを映像に収めたかったのさ。僕らが歩んできた50年間の音楽キャリアがずっとつながっていると考えると、不思議な感じだ。全部が一つにつながるんだ。

エドガー:全てを網羅したドキュメンタリーに仕上げたかった。特に、失敗は成功と同じように興味を惹かれるからね。本人たちは傑作だと思わなかったアルバムでも、気に入っているファンがいることを知って、ロンとラッセルは驚いただろう。


東京を訪れたロンとラッセルのメイル兄弟を撮影するエドガー・ライト(Photo by Richie Starzec)

ーエドガーはあなた方を、ユーモアを使いながらも決して奇をてらったバンドではないと捉え、スパークスの音楽的な才能とセンスを引き出しているように感じられます。楽曲制作に関してもそうです。それにもかかわらず、多くの人々はユーモアの部分にのみ注目しています。

ロン:「おい、おかしなバンドがいるぜ!」って感じかな。以前にもそのように指摘されたことがある。テクニカルな部分を聴く側に見せつけるべきではない、と僕らは考えている。しかし歌詞にはあらゆる素敵な感情を込められる。そして特にバンドのビジュアル面にユーモアを交えたりすると、軽薄で取るに足らないバンドだとみなされる。僕らに選択肢がある訳ではない。僕らはただ僕らのやり方でやっているだけなのだ。

エドガー:君らはいかにおかしく見せるかということに、真面目に取り組んでいる。

ロン:でもドキュメンタリーの中で特に嬉しかったのは、僕らのユーモアに筋道を付けて描いてくれていることだ。正しい捉え方をされていた。

ラッセル:エドガーは、歌詞もバンドのストーリーの一部として描いている。「センス」だと思う。ロンの書く歌詞はスペシャルだと思っている。登場人物のさまざまな視点に立って書かれているのが素晴らしい。彼自身も、表現に力を入れている。アレックス・カプラノス(フランツ・フェルディナンドのフロントマン)によるとロンの歌詞は、胸を切り裂いて「俺の歌を聴け!」という感じだそうだ。そう言われると、ああ、ちゃんと理解してくれているんだな、と思う。ジーンと来るね。そしてマイク・マイヤーズは、「Girl From Germany」の歌詞を評価してくれている。エドガーが彼にインタビューしたのさ。僕は「何だって? マイク・マイヤーズが僕らのファンだって!?」と感動した。



エドガー:スパークスのファンを名乗るあらゆる人々を巻き込みたかった。この人はスパークスのファンだろうな、と思われる人に次々と声を掛けていったら、9割は正解だった。「マイク・マイヤーズさん、あなたはスパークスのファンだと思いますが、どうですか? ああ、やっぱりそうですか。では火曜日にお話を聞かせてもらえませんか、といった感じさ(笑)。まるでスパークス・ユニバースを舞台にした映画のように感じられるドキュメンタリーにしたかった。誠意と感謝の気持ちをもって取り組みながらも、構成には工夫を凝らしている。要するにスパークスの楽曲と同じだ。

スパークスが21世紀に復活した理由

エドガー:スパークスをバンドとして輝かせると同時に、彼らを目立たなくさせている理由は、彼らがいる前で言うのも何だが、彼らが「舞台の中心」にいながらも、ダンスフロアの片隅から舞台について批評しているからだ。一定の距離を置きながらも、ものごとをさらに面白くしてくれている感じだ。12歳からスパークスのファンになった人たちの多くが、今なおバンドを話題にしている。自分が若い時にお気に入りだった他のバンドでは、そうはいかない。スパークスの昔の曲の中には、むしろ今の演奏の方が素晴らしく聴こえるものもある。

ロン:映画の中でも触れられているが、僕らは2008年の一連のコンサートで、全アルバムを時系列に並べて、最初から最後まで全曲演奏した。それはどう言えばいいか……愚行だ(笑)。馬鹿げた行いだったが、僕らとしては古い曲を復活させて演奏できたのだから、価値があった。僕ら自身が半分忘れかけていたアルバムも日の目を見た。機械的に聞こえるからあまり使いたくない言葉だが、全体が一つの「作品」なんだ。それぞれ違う楽曲が、一つに調和するのが分かると思う。僕らには勉強になる経験だった。(暫く間を置いて)でも絶対に、二度とやらないけれどね(笑)。


2008年、スパークスによる21日連続アルバム再現ライブ「SPARKS LIVE! SPECTACULAR – 21 ALBUMS IN 21 NIGHTS」の模様。その後、同年のフジロックに出演し日本でも多くのファンを獲得した。

ーその経験がなくても、今回のドキュメンタリー映画は実現したと思いますか? もちろん、あなた方は適任者が現れるのを待っていた訳ですが、21日間で21枚のアルバムを網羅して一連の作品を振り返るのは、自分たちのキャリアに必要不可欠なものだったのではないでしょうか?

ラッセル:その通りだと思う。僕らは、あの一連のコンサートを実現させたことを誇りに思っている。あれで、後ろは振り返りたくないというハードルを越えられたと思う。僕らは、過去を振り返るようなバンドではない。僕らの強みの一つは、自分たちの過去の歴史には目をつぶって前だけを見据え、次の時代へ向けてのメッセージを発信するために必要なことに集中できる点だと思う。

全アルバムを演奏しようというアイディアはとても斬新だと思ったから、僕らはその企画に乗った。他のバンドではやらないようなことだから、僕らがやらねばならない、と思ったのさ。ロンが言ったように、自分たちのキャリアを見つめ直す一つの方法だった。見過ごされてきたアルバムを見直すチャンスでもあった。見過ごされていたから悪い作品だ、と自分たちで思い込んでいた面もある。ライブでやってみたら、それほど悪くはなかった。むしろ良い感触だった。

無意識のうちに、エドガーが僕らに求めていた通りになっていたのかもしれないな。もちろん、映画制作に踏み出す前には不安もあった。スパークスについては、世間にほとんど知られていない。僕としてはそれでいいと思っていたし、ミステリーに包まれたバンドのままでいたかった。だから人々が映画を見に行って「こんなバンドなのか」と思われるのが嫌だった(笑)。幸いなことに、エドガーは僕らのイメージを壊さないようにしてくれた。

エドガー:ついにスパークスのベールが剥がされる。

ーどれも真実ではないのでしょうか。

ロン:一部は事実だ。ただし、どれが事実かは分からない(笑)。

ー映画では実際に、バンドの各時期の貴重な映像も多く見られます。

エドガー:70年代のテレビ番組のあるクリップは、ロンもラッセルも覚えていなかった。彼らに自分たちのパフォーマンスを見せてやるのは、気分が良かった(笑)。その他に、『Big Beat』ツアーをスーパー8フィルムで撮影した映像など、ファンによる映像もたくさん含まれる。今は誰もがスマホを持ち歩く時代だが、当時は撮影用のカメラをコンサート会場へこっそり持ち込まねばならなかった。さらに、当時の映像を今なお保管しているのが凄い。あるドイツのテレビプロデューサーの息子だという人間が、「家の屋根裏に、父親が35mmで撮った1974年のスパークスの映像があるけれど、興味があるかい?」といった感じさ。

Twitter上でファンに呼びかけたところ、多くの素材が集まってきた。中には、インタビューを受ける側に回ったファンもいる。個人的に気に入っているのは、バンドがファンにもみくちゃにされている1974年の映像だ。映画では、ロンに後ろから抱きついた当時14歳のファンの証言もある。彼女は、バンドを好きになった経緯などをメールで書いて送ってきた。私はプロデューサーに「彼女がカメラの前で話してくれたら、きっといいシーンになるぞ!」と伝えた。

そうして自然発生的な口述史ができあがった。スパークスの1ファン、そして映画監督として、バンドについてならどんな人とも話をしたかった。『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出演したスパークスのパフォーマンスをリアルタイムで観て、後に自分のバンドを組んだ時にスパークスの曲をカバーしたアーティストがいる。さらにそれらバンドの曲をカバーしたものの、オリジナルはロンとラッセルが作った楽曲だとは知らなかったというバンドもある。ベックは映画の中で、スパークスは音楽界のミツバチのようだと証言している。スパークスは、いつでもどこにでも花粉をばら撒いて受粉しているのさ。

【関連記事】スパークスは50年のキャリアで何を歌ってきたのか?

From Rolling Stone US.



『スパークス・ブラザーズ』
公開表記:4月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他全国公開
配給:パルコ ユニバーサル映画
Twitter:@Sparks_Movie
(C) 2021 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED


映画『スパークス・ブラザーズ』ジャパンプレミア試写会

2022年4月8日(金)の公開に先駆け、3月29日(火)にジャパンプレミア試写会の開催が決定。スパークスファンとして知られるスカート・澤部渡と、Rolling Stone Japan編集の小熊俊哉が、バンドへの愛を語りながら「スパークスとは一体何者なのか?」を探るトークショー付き。

こちらの試写会に、Rolling Stone Japan読者10名様をご招待します。

【概要】
映画『スパークス・ブラザーズ』ジャパンプレミア試写会
日時:2022年3月29日(火)
18:00開場/18:30開映(本編141分)/20:50終映
20:55頃トークショー開始/21:30頃終了予定
会場:ユーロライブ
住所:東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F
主催:株式会社パルコ
問い合わせ:株式会社スキップ 03-3437-3025

トークイベント登壇者:澤部渡(スカート)、小熊俊哉(Rolling Stone Japan)
MC:奥浜レイラ
プレゼント人数:10名様

【応募方法】
1)Twitterで「@rollingstonejp」「@Sparks_Movie」をフォロー
2)ご自身のアカウントで、下掲のツイートをRT

【〆切】
2022年3月17日(木)
※当選者には応募〆切後、「@Sparks_Movie」より後日DMでご案内の連絡をいたします。

【フォロー&RTで応募】
映画『#スパークス・ブラザーズ
ジャパンプレミア試写会+トークショー

スカート・澤部渡がスパークス愛を語る
3月29日(火)開催、10名様をご招待

1)当アカウントと「@Sparks_Movie」をフォロー
2)このツイートをRT

▼詳細はURLをクリックhttps://t.co/gsDN6jcVx6 — Rolling Stone Japan (@rollingstonejp) March 7, 2022

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