河村隆一が語る、ソロ曲で挑む新たなチャレンジ
Rolling Stone Japan / 2021年2月14日 9時45分
LUNA SEAの河村隆一が2月15日(月)から5夜連続6公演の配信ライブに挑む。
初日の2月15日は医療従事者、フロントワーカーのための無料配信ライブで、長いキャリアの中で初の無料ライブとなる。また、3月27日、28日には『LUNA SEA -RELOAD- さいたまスーパーアリーナ2days公演』の振替が決まった。コロナ禍でも常に新しいチャレンジに挑む河村隆一に迫った。
―緊急事態宣言延長の中ですが、どんなふうに過ごしていますか?
2月15日からの5夜連続6公演の配信ライブ直前ということで、セットリストの選曲をしたり、MCをどうしようか?とかをメージしたりしながら、仮のセットリストのプレイストをリスニングしている感じですね。実際は曲順もほぼ決まっているんですが、この曲とこの曲はつなげて演奏した方がいいかなとか、この曲のギターソロは倍にしてこういうふうにしたらいいんじゃないかなとか、プレイリストを聴いてるといろんなイメージがわいてきて、僕自身、ものすごく準備を楽しんでいます。
―5夜連続6公演というチャレンジをしようと思った理由は?
昨年の秋からニコ生『Ryuichi Kawamura Channel』、それからイープラスさんとやるストリーミングライブ、さらにYouTubeチャンネルも開設したりして、僕が苦手だった配信を駆使してやらせていただいているんです。その中で月に2回くらいライブをやるようなイメージだったんです。けれど、僕は”もっともっと”ってなっちゃうタイプなんで、回数うんぬんというよりはチャレンジをしたくなってしまっ(笑)。でも、今回のチャレンジは体力的なチャレンジとは違うんです。5夜連続6公演と打ち出すと、体力的なことへの挑戦に見えるかもしれませんが、プロデュース力が問われるライブだと思っているんです。
―というと?
僕のソロの楽曲っていっぱいあって、オリジナルアルバムだけでミニアルバムを含めると17枚もあるんです。その中からどういう曲をチョイスして、どういう物語を作っていくのか。そういうプロデューサーとしての能力が問われるライブだと思っています。ただ長くライブをやるだけならキャリアがあればできることですから。体力面だけではなく、物語の起承転結だったり、歌のクオリティや表現力を、配信とは言えリアルタイムでどこかまでできるのかのチャンレンジなんです。月に1回2回のライブだとだんだん余裕こいてきちゃうじゃないですか(笑)。ここでもう一発自分を追い込んだところを見せたいし、見てほしいっていう気持ちがものを創る人間としては強いんです。それがこの公演にチャレンジした一番の理由ですね。
【14日24時までの限定公開】河村隆一、挑戦の記録「河村隆一at日本武道館"限界のその先へ"100の物語〜終章(エピローグ)〜」
医療従事者、フロントワーカーの方のために
―隆一さんらしいなぁ。各公演日の内容を予告編として少しだけお願いします。
初日の2月15日だけ、”医療従事者、フロントワーカーの方のため”として僕のYouTubeチャンネルで無料配信します。この日は河村隆一を知っているたくさんの人にエールを送りたい、というメニュー構成です。医療従事者の方もそうだしフロントワーカーの方々がいろんなところで頑張っているから、僕らがいるんですよ。巣ごもりするといっても、デリバーをしてくれる方がいるから巣ごもりだってできるわけです。リモートワークが増えたとはいえ、全部がリモートワークできるわけじゃなくて、どうしてもそこに人がいないと無理なとこもあるわけですよね。その人たちって感染の恐怖もあるだろうし、いろんなものといろんな感情といろんな立場で戦ってるんだと思う。その人達が僕のことを知ってくれているとしたら、無料ライブってやったことないんですけど、仕事の後とかホッとしたときに観てもらって、「明日からまた頑張ろう」って思ってもらえるような歌が届けたくて。15日は僕の代表作が中心になっています。
―いわゆる”ベスト・オブ・河村隆一”。
はい。特に97年のソロデビューアルバム『LOVE』が中心になっていて、そのアルバムの世界観が作りあげられている内容ですね。
―他の日の公演内容は?
ネタバレすると興ざめなので、詳細は伏せますが、1枚のアルバムであったり2枚のアルバムで年代を行ったり来たりしながら、「あっ、これはあのアルバムとあのアルバムからできてたのね」みたいなことになっていきますね。2枚のアルバムを合わせて物語を作るのは難しいけど楽しい作業です。
―なるほど。
そのセットリストを作るにあたって過去の自分のアルバムを全部聴き込みました。で、「この曲、最近やってない」っていうのもわかったんで、最近やってない曲もできるだけ演奏するつもりです。ただ、代表曲もそれぞれの公演でやりますが、被りはほぼないです。コアなファンが喜ぶ曲ももちろんあります。それぞれの公演にそれぞれの物語がありながら、全公演を通して大きなもの物語になっているので、アーカイブで全公演を一気見するのもまた楽しいと思います。
新しい技術とともに進化していく
―去年の秋からの配信ライブを続けていますが、配信ライブにはどんな可能性を感じていますか?
僕が配信している、自分のスタジオが小さな箱っていうこともあるんですけど、アップが武器なんですよ。配信の魅力はそこなんじゃないかなと思ったんですよね。ずっと俯瞰から見ているだけなら、生のライブのほうがいいじゃないですか。でも配信だと、ステージにカメラを置いておいてもいいわけだし、演者の横にカメラマンがいてもいいので、本当に喉の動きまで、今息吸ってるとか、細かなとこまでわかるアングルまで寄れますから。カメラ=観客の目と考えると、お客さの目はライブの最前列よりも近いわけです。配信ライブを始めた頃はカメラの向こうに人がいるのか、臨場感も伝わっているのかわからなかったんですが、観てくれてる人からいろんなメッセージをもらって「目線が本当に合うように見えたり、いろんな効果があるんだな」ということに気が付きましたね。
―距離感は確かに縮みましたよね。
はい。しかも、僕だけでもたくさんの発見があるので、何億人というアーティストが世界中にはいて、その人たちがいろいろな配信のしかたを考えているので、新しく面白い配信がどんどん生まれ行くでしょうね。最近はVRを駆使した配信とかっていうのも始まっていますけど、僕もまた新しい技術にも出会ったんです。
―というと?
先日、時計を見に時計店を回っていたら、時計を撮影する不思議なカメラがあったんです。それで撮影するとホログラムとして展示できるんです。それを応用して、今後スマホやPCの画面にホログラムを浮き出せるようになったら、LUNA SEAのライブをホログラムで出して、部屋の中に等身大の僕、J、INORAN、SUGIZO、真矢がいて、メンバーの間をヘッドホンで爆音で聴きながら歩き「隆一って歌ってるときの背中はこんな動きしてるんだ」とかを感じられる時代が来るんだろうと思うんです。
―確かに。
コロナ禍で精神的な打撃も大きいじゃないですか。僕だってふさぎ込みたくなるような想いはこのコロナ禍で何度も感じてるし。読者のみなさんも絶対に感じてるはずです。だけど、精神的にここで勝ち組に名乗りを上がれるのは。楽しんだやつなんじゃないかなと思っているんです。こんな状況でもいかに楽しむか、いかに進化するかが大事だと思っています。
Courtesy of Ryuichi Kawamura
LUNA SEAの振替公演に向けて
―あらためて、2月15日からの5夜連続6公演の配信が楽しみです。
2年前に肺腺癌の手術したときも再認識したんですけど、これが最後のライブだと思って一公演一公演しっかりとやっていきます。
―そして、『LUNA SEA -RELOAD- さいたまスーパーアリーナ2days公演』の振替日程が発表になりましたね。
そうですね。3月27日、28日の2daysです。去年の12月26日、27日の公演が真矢のコロナ感染で延期になったわけですが、とにかく真矢が一番悔しかったと思うんです。なので真矢が「チクショー!」っていう思いを晴らし、楽しむことがバンドとしは大事だと思っています。あと、延期を発表した時のファンの方々がものすごく温かかったんです。延期の発表をしたのが、12月26日の開場の直前。にもかかわらず、あの時ファンの人たちは、SNSで真矢と他のメンバーを気遣う言葉を発してくれたんです。普通なら「ふざけんな!」「会場まで来たのになんだよ」っていう人がいたっておかしくない状況なのに「無理してやらなくて大丈夫」「真矢が心配だ」「早く元気な姿が見たい」って心配と思いやりの声があふれていて。その言葉が温かくて泣けてきましたよね。
3月27日、28日はまだマスク外せないと思うし、大声で歌っちゃいけないと思うんですけど、みなさんが心の声で大声で歌いたくなるような、叫びたくなるような、そういう精神的な本当の意味での解放へ導きたいと思っています。最高に盛り上がるさいたまスーパーアリーナのLUNA SEAを期待してください。
―期待しています!
ありがとうございます。やはり、LUNA SEAの5人が揃うとちょっとゾクゾクする感じがありますし、僕ら、傷を負うと強いし、傷が次の伝説を作ってきたバンドなので、今度のさいたまスーパーアリーナで新しい伝説が生まれるかもしれないですよね。
―終幕から20年が過ぎて、5人で音を出す重要性がさらに増したのでは?
そうですね。そう考えると、SUGIZOも言ってたんですけど、一番大事なのは真矢の体調です。コロナでも小さな後遺症とかいろいろ報告されていますが、真矢は後遺症も何もなくしっかり戻ってくるし、あのパワフルな真矢のドラムをみんなに届けたいっていって言ってましたから。それと、感染をわからずにあの日ライブをやっていたら命にかかわったり、大クラスターがステージ上で起こっていたかもしれないです。結局、真矢の周りでも感染した人はいなかったとのことなので、ライブの延期で皆さんにご迷惑をお掛けしたけど、不幸中の幸いだったので、3月のさいたまスーパーアリーナでは今までこんなLUNA SEAは見たことないっていう熱量を届けます。
昨日の自分を常に乗り越えていきたい
―真矢さんのことでいうと、一個気になるのが、ライブのドラムソロの時の「真矢!」コールです。
確かにそうですね。叫ぶと飛沫なので、何かを考えないとですね。野球だと空気の入った2本の棒をバタバタバタってやりますが、この状況でも許されるLUNA SEAらしい何かがあるはずです。それと、僕のブログには書いたんですが、今度のさいたまスーパーアリーナではみんなに何か所か振るかもよって。例えば「Dejavu」の”Dejavu”の部分とか。そこは心の声でDejavuって言いながら、ちょっとジャンプするだけでも一緒にやってる感じがすると思うんです。あるいは「ROSIER」の瞬間とか。それから、手拍子もみんなでやればそれなりに形になると思いますし。言葉が生まれる前から打楽器があったはずなので、ハンドクラップも足も使いながら何かみんなでひとつのことをできたらそれはそれで面白いかもしれないですね。
―楽しみです。最後に読者にメッセージを。
自分にとっていつも最良のもの、最高のものを求めて音楽をやっています。できれば昨日の自分を常に乗り越えていきたいんですけど、もちろんそれができないときもあります。ただ、そういう覚悟でこの配信ライブもやりますし、LUNA SEAの振替公演にも臨みます。いつも何かをやろうとしている僕が必ずいるので、ローリングストーンの読者のみなさんにそんな僕を探しに来てほしいなと思います。
【公演情報】
◎Ryuichi Kawamura Live2021「Home#07」
2月15日 OPEN 18:30/START 19:00
Ryuichi Kawamura YouTube Channelでの無料生配信
※Ryuichi Kawamura YouTube Channelを登録してお待ち下さい。
(チャンネル登録するにはGoogleアカウントが必要です)
<Ryuichi Kawamura Official YouTube Channel>
https://www.youtube.com/channel/UCqNhx7_UFWo8tUqx3V62d4A?sub_confirmation=1
◎e+ Streaming + Ryuichi Kawamura Live2021「Home#08-#12
【#08】2月16日 OPEN 18:30/START 19:00
【#09】2月17日 OPEN 18:30/START 19:00
【#10】2月18日 OPEN 18:30/START 19:00
【#11】2月19日 OPEN 17:30/START 18:00
【#12】2月19日 OPEN 20:30/START 21:00
<チケットはコチラ>
https://eplus.jp/rk20210216-0219/st/
※当日のライブから河村隆一がセレクトした楽曲(3曲)をダウンロードor CDでもれなく
プレゼント。詳しくは河村隆一オフィシャルHPでご確認下さい。
https://www.kawamura-fc.com
◎ニコニコチャンネル 【Ryuichi Kawamura Channel】
https://ch.nicovideo.jp/RYUICHIofficial
チャンネルでは、毎月1回以上、河村隆一が登場し、最新情報や魅力を様々な企画とともにお届けするレギュラー番組を実施しています。
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