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レッド・ツェッペリン、熱狂的ファンも称賛する「1975年の最長ライブ」を回想

Rolling Stone Japan / 2021年2月21日 9時30分

レッド・ツェッペリン

レッド・ツェッペリンが1975年、ロンドンのアールズコートで4時間近くプレイした「最長ライブ」を振り返る。

【動画を見る】1975年のツェッペリン史上最長ライブ(フル)

ツェッペリンの場合、”極上の瞬間”とファンが満場一致で認める決定的なコンサートは存在しない。1977年のLAフォーラムや1979年のネブワースのようにバンド後期のライブを好むファンもいれば、1969年のテキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバルや1970年のロイヤル・アルバート・ホールが良いというファンもいる。また、レッド・ツェッペリンは最も海賊盤が出回った70年代のバンドの一つで、巷のライブ音源数も半端ない。

そのなかで、熱狂的なツェッペリン・ファンのほとんどが確実に称賛するのが1975年5月25日に行われたコンサートだ。場所はロンドンのアールズコート。演奏時間は3時間45分。録音が残っているツェッペリンの最長コンサートがこれだ(メンバーは1969年に行ったボストンのティー・パーティーでの4時間コンサートについて語ることが多かったが、このときはステージに頭を打ち付ける文字通りクレイジーなファンの前で、彼らは同じセットリストを2回繰り返し、カバー曲を多数演奏した。ところがこの模様は録音されておらず、メンバーの記憶よりも演奏時間が短い可能性が高い)。

このコンサートは1975年のツアーファイナルだったアールズコートでの5夜連続公演の頂点だった。このツアーでサポートしたアルバムは『フィジカル・グラフィティ』だったが、長時間セットで披露された楽曲はこのアルバムのみに留まらず、彼らの全作品から選ばれたもので「幻惑されて」も含まれていた。ちなみにこの曲がステージで演奏されたのはこの夜が最後で、再び演奏されたのは2007年の再結成ライブだった。「トランプルド・アンダーフット」「天国への階段」など、プロの撮影クルーが映画とポートレート写真を撮影し、この映像は2003年のDVDコレクションでも使用された。実はこの映画の音源自体は何年も前に流出しているのだが、そのサウンドの純度は相当なものだ。

バンド黄金期に見せた最後の輝き

「友だち全員に観たことを自慢したいコンサートがあるとすれば、日曜日にアールズコートで行われたレッド・ツェッペリンのコンサートがまさしくそうだ」と、音楽新聞レコード・ミラーのレビューに書かれていた。このレビューは「最高の夜の娯楽となったこのライブは、未来永劫ファンの記憶に残るだろう。ツェッペリンは観客の手を引いて、彼らの6年半の音楽の旅路に我々を誘った。ロバート・プラントは上機嫌で饒舌になり、良い思い出、辛い思い出、4人が火を囲んで座ってお茶を飲んだ思い出などを披露した。巨大なアリーナを埋め尽くしたサウンドは驚くほどクリアで正確だった。当初3時間の予定だったコンサートを彼らが30分延長した理由がこの音の良さだ」と続く。

この2カ月後、ロバート・プラントは自動車衝突事故で重傷を負い、それ以降のコンサートはすべて中止となった。1977年と1980年に再びツアーを行ったが、1975年にアールズコートで行ったコンサートはツェッペリンの黄金期が終わったことを明確に示しており、このあとの彼らがこのコンサートに匹敵する極みに上り詰めることはなかったと多くのファンが感じている。この動画ではコンサートの全編を確認できる。

ツェッペリンのコンサート情報が常に不確かな理由は、彼らがライブ・アルバムをほとんどリリースしていないことに起因する。万が一にでも、彼らに公式ブートレッグ・シリーズのようなものをリリースする気があるのなら、1975年5月25日のコンサートがその始まりに相応しいだろう。

From Rolling Stone US.


【関連記事】ジミー・ペイジが大いに語る、レッド・ツェッペリンの歩みとギタリスト人生


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