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ミュージカル映画の監督に挑んだシーア、作品を象徴する音楽の中身とは?

Rolling Stone Japan / 2021年3月5日 11時45分

シーア(Courtesy of Warner Music Japan)

「Chandelier」などのヒット曲で知られるオーストラリア出身のシンガーソングライター、シーアが音楽活動と並行して映画監督に挑戦している。ミュージカル映画『MUSIC』で彼女が手がけたのは、監督や音楽のみならず、脚本からプロデュース、衣装デザインに至るまで。

彼女のMVなどでお馴染みのマディー・ジーグラーが主演を務め、ケイト・ハドソン、レスリー・オドム・Jrらベテラン勢が脇を固める。海外での公開とほぼ同時にリリースされたアルバム『ミュージック』は、その劇中歌と映画にインスパイアされた楽曲で構成され、シーアが全曲でヴォーカルを担当(出演キャストによるサウンドトラックも後日リリースの予定)。映画のサウンドトラックであると同時に、彼女のオリジナルアルバムとも言える内容だ。

ここ数作のアルバムに関しては、プロジェクト色の強かったシーア。「Chandelier」をはじめ「Big Girls Cry」「Elastic Heart」などのヒットを放った2014年のアルバム『1000フォーム・オブ・フィアー』こそ、いわゆる通常のオリジナル・アルバムと呼べる内容だったが、それ以降は2016年作『ディス・イズ・アクティング』がシーアが他アーティストのために書き下ろした未発表曲を歌った作品集(「Alive」「Cheap Thrills feat. Sean Paul」「The Greatest feat. Kendrick Lamar」「Move Your Body」などのヒットが続出した)、2017年作『エブリデイ・イズ・クリスマス』は、その名の通りクリスマスアルバム、直近の2019年作『ラビリンス、シーア&ディプロ・プレゼンツ…LSD』も、LSDなる三者のコラボによるプロジェクト。といった具合で、変則的な作品が続いていた。今回の『ミュージック』も同様にサントラ作品ではあるが、ポップなメロディとドラマが凝縮されたシーア色が全開だ。シーアのファンなら大満足できるアルバムではないかと思われる。

そもそもシーアは他人の気持ちや立場に立って曲を書くのが得意なソングライター。他アーティストに曲を提供する際には、そのアーティストのプライベートな事柄や心境を巧みに織り込んで完成させていく。だからこそリアーナやビヨンセ、ケイティ・ペリーからクリスティーナ・アギレラ、ブリトニー・スピアーズからマルーン5まで、多くのビッグアーティストから支持され、慕われてきた。そんな彼女が映画の主人公をはじめとする登場人物の気持ちを代弁する楽曲を手掛けるのだから、『ミュージック』はまさしくシーアにとって類稀なる才能をフルに発揮できるプロジェクトだったのではないかという気がする。

共作やプロデュースには、いつも通りの気の置けない仲間が勢揃い。グレッグ・カースティン(アデル、ケリー・クラークソン)と、彼の右腕ともいえるジェシー・シャトキン(フィッツ・アンド・ザ・タントラムズ、パロマ・フェイス)や、ジャック・アントノフ(テイラー・スウィフト、ラナ・デル・レイ)が中心となり、曲によっては前述のLSDなるプロジェクトで組んでいたラビリンスや、彼女とは「Titanium」「Flames」など数々のクラブヒットを一緒に放ってきたデヴィッド・ゲッタらが参加。意外なところでは、デュア・リパやP!NKも共作者として名を連ねている。後者による「Courage To Change」に関しては、シーアが一緒に共作したP!NKのナンバー「Courage」(2019年のP!NKのアルバム『ハーツ・トゥ・ビー・ヒューマン』に収録)に触発されて生まれたものだという。ちなみに日本盤CDには、デュア・リパの「New Rule」の80年代リミックスで一躍名を挙げた日本人アーティスト、イニシャル・トークによる「Together」リミックスなども収録されている。


シーアらしいドラマチックな歌とメロディを満載したポップソング

映画自体はミュージカル作品だが、サウンドを聴く限りは、それほどミュージカル色は強くは押し出されておらず、そう言われればミューカルにも使えるかな? といった感じだろうか。基本的にはシーアらしいドラマチックな歌とメロディを満載したポップソングが並んでいる。これまで以上にカラフルでアッパーな曲調が多いのは、マディー・ジーグラー演じる自閉症の少女の視点から見た世界が描かれているせいだろうか。彼女のファンタジーシーンのダンスシークエンスなどでも披露され、原色を多用したヴィヴィッドなポップワールドが炸裂する。

このマディーの演技に関しては、自閉症患者としての症状が大袈裟すぎるのではないか、実情と違っている、と映画の予告編が公表された時点から、あちこちで声が上がり批判も浴びてきた。そもそも自閉症を患っていないマディーが演じること自体も問題視されており、自閉症の俳優を起用すべきだったとの意見もある。それなら『レインマン』のダスティン・ホフマンや『ギルバート・グレイプ』のレオナルド・ディカプリオは許されるのか? 盲目や車椅子の役を演じるには、盲目や車椅子の役者でなければならないのか? といった現代ならではの議論も持ち上がっている。

シーアにとっては、映画を監督するのはこれが初めて。とはいえ、自身のMVに関しては、マディーが出演した「Chandelier」をはじめ、多くのビデオで共同監督を務めてきた。しかもシーアといえば、これまでに映画に多数のテーマ曲を提供してきたことでも知られている。自身が歌った「Elastic Heart feat. The Weeknd」(『ハンガー・ゲーム2』)、「To Be Human」(『ワンダーウーマン』)、「Never Give Up」(『LION /ライオン〜25年目のただいま』)や、シャキーラが歌った「Try Everything」(『ズートピア』)、ジェシー・Jが歌った「Flashlight」(『ピッチパーフェスト2』)、などなど、ここに挙げたのはほんの一部だが、数えきれないほど多くの映画テーマ曲を手掛けてきた。さらにこれは余談かもしれないが、2014年に電撃結婚した夫はドキュメンタリー映画の監督(2年後に別離)。何かと映画界との繋がりは深いようだ。

2月末に開催されたゴールデングローブ賞では、ミュージカル/コメディ映画部門の作品賞と女優賞(ケイト・ハドソン)でノミネートを獲得。惜しくも受賞は逃したが、劇中でケイト・ハドソンが歌ったバージョンの「Music」や「1+1」、レズリー・オドム・Jrが歌った「Beautiful Things Can Happen」のMVなども公開されており、映画のシーンを垣間見ることもできる。







常に大きなウィッグを被っているシーア。名声やスターダムとは距離を置き、プライバシーを守ろうとする彼女は、ステージやTV出演時や、2019年の豪雨のフジロックでもウィッグで顔して歌ってきた。しかし、本作に関するプロモーションでは、一切顔を隠さずに取材に応じている。それだけでも本作に掛ける意気込みが伺えようというもの。2007年からシーアがアイデアを温めていたという『MUSIC』。まずはサウンドで体験してはどうだろう。

【画像を見る】シーアの知られざる波乱万丈人生

<INFORMAITON>


『ミュージック / Music - Songs From and Inspired By the Motion Picture』
シーア / SIA
ワーナーミュージック・ジャパン
¥2,000+税
WPCR-18403
発売中
CD購入 / ダウンロード / ストリーミング:https://sia.lnk.to/Music_M2
特設サイト:https://sp.wmg.jp/sia/music/

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