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Netflixアニメ『ビッグマウス』脚本家、アイオウ・エディバリーのナードな青春

Rolling Stone Japan / 2021年3月12日 19時24分

アイオウ・エディバリー(Photo by Myles Loftin)

コメディアンで女優のアイオウ・エディバリーが、Netflixの人気アニメシリーズ『ビッグマウス』で、自身のナードな持ち味全開のままミッシー役を演じる。同作で、脚本、声優としてキャストも担当する彼女が、今の活動に進むまでの反省を振り返る。

アイオウ・エディバリーは自分が言った初めてのジョークを記憶している。それは8年生(日本の中学2年に相当)の時、ボストンにあった学校の即興劇チームに入ったばかりのこと。彼女はいつも不安げな様子のナードなティーンで、ホットドッグを食べながら『トワイライト』シリーズのジェイコブ・ブラックの二次創作を楽しむような子だった。即興劇が彼女に向いていたとは言えない。なぜクリスチャンの好むチーズはスイス産なのかという話をしていたのが、彼女の初めてのジョークの瞬間だった。少し呆れたような様子でエディバリーは「その時私は、『スイス産は神聖な感じがするからね』って言ったんです。なぜかはわからないけど、みんな面白がっていました」と語ってくれた。

25歳のエディバリーのユーモアのセンスは、当時よりもかなり成熟していった。最近では、思春期の子どもたちをテーマにしたNetflixの人気アニメシリーズ『ビッグマウス』のストーリーライターを務め、またミッシー役の声優にも挑戦し始めた。ミッシーは卑猥な二次創作に没頭する黒人のティーン。当時のエディバリーと少し共通点がある。彼女がレイチェル・センノットと共に制作・出演するコメディ・セントラルのスタンダップコメディ番組『Ayo and Rachel Are Single』では、大麻入りのクッキーでハイになりすぎた彼女が、自分に3Pをしないかと声をかけ続ける人たちに、きついジョークを飛ばす場面が見られる。しかし実際のところ、彼女は今でもほとんどの点で昔のまま、ナードっぽくて自己批判的だ。



エディバリーは敬虔なペンテコステ派の家庭で育った。母はバルバドス出身のソーシャルワーカー、父はナイジェリアからの移民でマサチューセッツ州の公共事業を仕事にしていた。こうした環境のもとで彼女が触れられるコメディは、クリスリャン向けのスタンダップコメディや、『Martin』シリーズのようなテレビ番組の再放送がほとんどだった。しかし彼女は当時の環境について「楽しみも何もない堅苦しい環境だったという訳ではなくて、ただルールがあったというだけでした」と、語っている。

エディバリーはその後ニューヨーク州立大学に入学し、教育学を学ぼうとしたが、教育実習の後に専攻を変更した。その理由は「十年生(高校一年生)がめちゃくちゃ怖かったから」ということらしい。その後、Upright Citizens Brigade Theatre(UCBT)のような有名なコメディクラブでのインターンを通し、コメディアンに挑戦することを決めた。UCBT内で初めて黒人のみで組まれたチーム・アストロノミー・クラブに所属するKeisha ZollerとMonique Mosesの名を挙げ、「実際に見てみることが一番大切だと思いました」と、この2人から大きな影響を受けたことを語った。こうして2年間、コメディアンとしてのキャリアを積むために活動し、もし駄目なら大学に戻り、教員免許を取ることを考えたのだ。

彼女の賭けは大成功だった。コメディ・セントラルのスタジオに足を運び、NBCの番組『Sunnyside』の脚本を経験したのち、『ビッグマウス』のシーズン5で脚本チームに参加することになった。元々のミッシー役は白人のジェニー・スレイトだったが、彼女は昨年6月、国内で議論の的となっていたテレビにおける表現の問題(ここでは白人の声優が黒人の役を演じること)を受けて降板。エディバリーは、ミッシー役の声優のオーディションに参加しないかとプロデューサーに声をかけられた。どのようにミッシーを演じていくかエディバリーは明言しなかったが、新たな仕事に向けた彼女の意気込みには、熱いものがあるようだった。彼女は「私の大好きな尊敬する人たちと、大好きな番組に出演できるのはとても楽しみです。まだ探り探りの演技だけど、番組のキャストやスタッフに助けてもらっていると感じています」と、語ってくれた。



『ビッグマウス』以外にもエディバリーは多忙なようだ。自宅隔離の期間は、彼女の個人プロジェクトにとってあまりいい事がなかったが(「隔離期間の初めは誰もが自分にとってのリア王みたいなものを書き上げようと思っただろうけど、私は正直全く思いませんでした」)、ティナ・フェイやロバート・カーロックらと共にNetflixの『Mulligan』の脚本チームへの参加が決まり、Apple TV+の『ディキンスン 〜若き女性詩人の憂鬱〜』の2ndシーズンで、予知能力を持つメイドのハティー役で出演を果たした。こうした活躍にもかかわらず、彼女は自分の成功をいまだにミッシーの様な態度で見ている。「みんな私をパンク寸前だって心配してくれるけど、正直、全然そんな気はしません。その言葉はお返ししますよ。私は、ほとんどなんでも自分の頭の中で一般化することができるってことをみんなにわかってほしいですね」と、彼女は皮肉っぽく言った。

From:Revenge of the Nerd: Ayo Edebiri Breaks Out on Big Mouth

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