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[Alexandros]が語る、10年かけて築いたバンドの形と「サトヤス勇退」の意味

Rolling Stone Japan / 2021年3月17日 20時0分

[Alexandros](Photo by OGATA)

2020年でデビュー10周年を迎えた[Alexandros]。そんな中、昨年6月19日より局所性ジストニアのため活動を休止していたドラムスの庄村聡泰が、バンドから”勇退”することが発表された。そして、彼ら4人の歩みを総括したベストアルバム『Wheres My History?』が3月17日にリリースされた。今回、庄村を交えて4人最後のインタビューを行った。

【写真を見る】4人の撮り下ろしポートレート写真

―先ずはサトヤスさんにデビューから10年の忘れられない思い出から聞かせてください。

庄村聡泰(以下、サトヤス):忘れられないことばかりでしたよ。今後の人生であんなに嬉し泣きをすることはないだろうっていうぐらいの10年だったので。僕が「今日からお前も[Champagne]だ」って言われたのが10年前の3月22日、厳密にいうと23日の未明のことだったりとか、生まれて初めて僕が撮ったMVである「city」っていう曲でみんなで夜中まで目を瞬かせながら横浜周辺で撮影をやった時のことだったりとか……。初めてのツアーもそうですし、渋谷AXでやった2DAYSのライブもすごく印象的だったし。初めて出たロックフェスの時、俺は海パン一丁で、洋平は浴衣だったなとか。楽しかったことも、つらかったことも、みんなで喧嘩したことも含めて忘れられないことばかりです。それを語り尽くしてしまうのもあまりにももったいないので、自分の中での大切な物として留めておきたいなって思ってます。でも、本当に一幕一幕、すべてが忘れられない思い出ばかりです。



―サトヤスさんの加入の時に「今日からお前も[Champagne]だよ」って言った時のことを洋平さんは覚えてます?

川上洋平(Vo, Gt:以下、洋平):覚えてますよ。ちょうどライブが終わって……下北のSHELTERのライブでしたね。僕らの1stアルバム『Wheres My Potato?』のツアーで、東名阪で、最後が東京公演でSHELTERだったんです。で、そのツアーでサトヤスを入れるかどうか判断するからねってサトヤスに言ってたんですよ。で、サトヤスは加入したいからバンドに入れてもらうために演奏はもちろん、バンド以外のグルーヴも気に入ってもらえるような感じにしてたかなぁ。お互いまだツアーでガッツリ仲良くすることもできなかった状態だったんで。とはいえ、自然で肩肘張ってはなかったと思いますね。でも、俺は、最初にサトヤスをバンドにメンバーにしたいと思ったのは、一緒に演奏する前からだったんです。どっちかって言ったら俺はヒロ(磯部寛之:Ba, Cho)とまーくん(白井眞輝:Gt)の2人を説得するためだったんですよね。だから早く「お前はもう[Champagne]だ」って言いたかったんですよね。それでそのことは覚えてるんです。


サトヤス加入にあたって他のメンバーが考えていたこと

―では、磯部さんと白井さんは、ぶっちゃけ最初はサトヤスさんは違うなぁっていう空気だったんですか?

洋平:そういうこともなく、これからプロを目指すっていうことだったので、一応慎重になっていただけだったと思う。例えば、サトヤスがもし悪いヤツだったら困るし。この人は金グセが悪くないか? 楽屋に財布をわざと置いといてくすねてないか?とか、そういう審査も実はあったりして……。

―マジですか!?

洋平:嘘です(笑)!

サトヤス:(笑)。まぁ俺以外のドラマーとやったってわけではないもんね。

洋平:ない。俺はもうお前を入れたかったの、ハッキリ言って。

磯部寛之(以下、磯部):俺は、やっぱりライブを一緒にやって見極めたかったっていうのはありますね。もちろんサトヤスはプレイヤーとしてすごかったし、初めてスタジオ入った時も「あぁ、もうこの人だね」ってぶっちゃけまーくんともなったんですよ。けど、やっぱりライブが主戦場という意識はあったんで、一度ツアー回ってみてそれを確かめたいっていう気持ちはありました。

―なるほど。

磯部:スタジオでは一緒に音を出してましたけど、お客さんが入ってるライブっていう自分を剥き出しにするステージ上で一緒にやってみて、サトヤスにとどめを刺されたい、もう惚れこましてくれっていう感じでした。もちろんそうなることは分かっちゃいたんですけどね。さっき洋平が言ったように、これからデビューして世の中を飲み込んでやろうっていう時だったんで、一旦冷静に一度ライブをやってみようっていう考えでした。

―白井さんは?

白井眞輝(以下、白井):だいたい同じで、とりあえずやってみないことにはっていうのはありました。あと3月22日を今思い出すと、洋平に「まーくんどうなの? 決まったの?」みたいなことを言われてた記憶があるんですよ。確かに渋ってきた気はするんですよ。そんなネガティブな意味じゃないですよ。コイツじゃないとかそういうことを思ってるわけじゃなくて、適当にやり過ごしていた感はあったんですよね。正式に加入したら、「やっぱ辞めた」ってできないじゃないですか。だからちょっと無駄に慎重になってて。でも入った後の話なんて入ってみないと分からないって最後思ったんですよね。それで、入ってもらっていいよみたいな感じで、もう早く4人でやろうって最後はなった気がします。


サトヤスがこのバンドに惚れた理由とは?

―サトヤスさん的には[Champagne]に入りたいっていう気持ちだったわけじゃないですか?

サトヤス:はい。

―そう思わせてくれた一番の理由って何だったんですか?

サトヤス:やっぱり考え方の狂ったバンドだったんですよね。すべてに対して真っ直ぐだったし、純真だったし、燃えてもいたし。元々僕だってそういう人間ではあったんですけれど、25歳とかまでバンドをやってると、いろいろやっているのに、にっちもさっちも行かなかった時、そういう気持ちをどんどん隠してしまうようになってしまって。でもそうなっていくなかで、この3人と一緒にやれるんだったら俺もそういう気持ちに戻っていいんだとか、持ち続けていいもんなんだよねって思えたんです。そういう音楽に対する気持ちを唯一ちゃんと出せるのが、この3人だったっていうのが一番大きい理由でしたね。

―実際に加入した後はそういう想いがどんどん強くなっていきましたか?

サトヤス:そうですね。どうせ俺なんか、どうせ俺には無理だろうって思ってたことがどんどん現実になっていったので。TVに出られたり、武道館でワンマンができたり、オリコンで一位が獲れたりとか。高校生の頃に思い描いていた夢、いわゆるステレオタイプな「俺はロックでメシを食うんだ!」みたいなのはとっくに叶っちゃって。で、その先にあるさらにデカイものを一緒に睨む仲間に出会えるなんて、俺は夢物語だと思ってたんですよ、この3人と出会うまでは。そんなに純粋にロックを信じる、バンドを信じる、音楽を信じることは、この3人じゃないとできなかったでしょうね。

―磯部さん、白井さんはバンドに入ってみなきゃ分からない派だったわけですが、実際にサトヤスさんが入ってバンドは変わりましたか?

白井:間違いなく変わりましたね。楽曲も変化したし、ライブで出す音も全然違ったと思うんですよ、前任のドラムとは。あと4人の暮らしの中にも入ってきたので、自分らの生活もちょっと変わりますよね。急に生活力のない人間が入ってきたんで(笑)。サトヤスって何もできないから”生活する”ってこういうことなんだよってみんなで教え込んだ記憶はありますけど。

サトヤス:そして一切それを学ばない。

白井:あれだけ教えて学ばなかったんですか?(笑)


「サトヤスっていわゆる古き良きバンドマン」(洋平)

―(笑)。生活力がないってどういうことですか? 金がないということですか?

白井:いや。洗濯機ってどうやって使うの?って言われて。全自動なんだけどなみたいな(笑)。逆に何を教えたらいいんだっていう(笑)。

洋平:サトヤスっていわゆる古き良きバンドマンなんですよ。打ち上げではどんちゃん騒ぎしーの、服は絶対脱ぐし、グータラというかね、いわゆるクソ野郎だった(笑)。割と我々もバンドマンだったけどそこまでじゃなかったんですよ。俺ら一応社会人だったし。あっ、サトヤスも社会人だったか(笑)。

磯部:要するに経済力とかじゃなくて、生活の知恵がなかったんです(笑)。その代わり、生活するためのサバイバルノウハウ、大自然に放り投げられた時のサバイバル力はあると思うんですけど、文化的な生活を営むことがなかった(笑)。しかし言えば言うほど……。

白井:野生人みたい(笑)。

洋平:まぁいろいろなバイトもしてただろうし。そういう意味では泥水を今までで一番このメンバーの中で啜ってるからこそ出てくる妖艶な華やかさとか、もしくはそこで傷ついた繊細さだったりとかがあったんです。僕があんまり出会ったことがない人だったんで、すごく新鮮でしたね。ただまぁ矯正はしなきゃいけなかったですけど。だってラーメン屋のダスターで口拭いたんですからこいつ!(笑)。「それはお前、色々ダメだろ」って注意したけど。


川上洋平(Photo by OGATA)

磯部:だから本当にボーダーレスな人なんですよ。拭くものだったらなにで拭いてもサトヤスにとっては拭く物なんですよ。人種とか文化においてもですね、すごくボーダーレスな方なんですよね(笑)。

―これサトヤスさんの恥ずかしい話暴露大会になってますけど大丈夫ですか?

洋平:でも、これが今日のRolling Stoneのインタビューで言いたかったことです。これはどこのインタビューでも言ってないんで。最後にもう一度、そこだけは言っておきたいんです。「ダスターで口拭いちゃダメだよ」って。サトヤス、もう拭いてない?

磯部:いや、たまに口の周りがべとついてんなって言ってバッて台拭きで拭こうとして、「あ、洋平に怒られる。俺はあの日学んだんだ」って言って止めてるよね。

洋平:そういうヤツってやっぱ可愛いじゃないですか。やっぱいいなって思いましたよ。


「サトヤスは、僕のこうしてほしいを一番叶えてくれた人」(洋平)

―サトヤスさんは、先ほど「見れない景色を見せてくれた」と感動的なことを言ってましたけど、そもそも論で人として生きる知恵を与えてくれたという(笑)。

サトヤス:アハハハハ!

洋平:でもサトヤスって普通の環境で育ってるんですよ。お父さんもお母さんもちゃんと育ててくれて大学だって出してくれてるのにさ、なんでこうなっちゃうんだろうっていう(笑)。

―サトヤスさんのロックマインド全開というか野生人的な行動はいつから?

サトヤス:なんかやっぱ無頓着なんですよね……本当に、はい。

―そんなレベルじゃないような気がしますけど(笑)。

サトヤス:そうですね、いろいろ欠落していた部分はあったと思います。でもそういうのを、特に洋平は諭してくれるのと同時に一番面白がってもくれてたんだろうし。

洋平:アハハハハ!

サトヤス:そういう意味で僕もバンドにギブできたというか、何かを持ち込めたところはあったでしょうし。あと、自分で言うのも何なんでしょうけど、それまでずっとドラムだけというより音楽しか聴いてこなかったんですけど、その知識は本当にフルで活かせたんですよね。川上洋平の曲中においては。

―洋平さんもウンウンと頷いていますが。

洋平:サトヤスは、僕のこうしてほしいを一番叶えてくれた人なんですよ。僕に合ってるんですよ。俺の前のめりな感じとか、細かいトップランとか、そういうビート感みたいなのをとにかく実現してくれて、感謝してます。サトヤスが入ってくるまでは、俺の頭の中にはあるんだけどできない曲があったんですが、彼が入ってきてことで具現化出来たし。そういう意味では本当に右腕ができたなって感じはありましたね。

―サトヤスさんの加入でやりたかった音楽が具現化できるようになったと?

洋平:しかもさらにパワーアップした、サトヤスの能力をプラスしたらもっとできるなって。俺が思い描いていたものよりも良いものができたり。「city」もそうだし、サトヤスがいたから出来た曲がいっぱいありますからね。なんかいろいろと2人で発明していたような気がするなぁ。バンドマンとか他の人から「あのビートはずるいですね」「あのビートはそりゃ盛り上がるよ、洋平さん」って言われて「ありがとう」とは答えるけど、サトヤスのお陰だよなとは思います。


サトヤスは引き出しだらけの人(磯部)

―磯部さんもリズム隊としてサトヤスさんといろんなコンビネーションがあったと思いますが?

磯部:最高に刺激的でしたよ。すごく楽しかったし、さっきサトヤスが自分でも言ってましたけど、本当引き出しだらけなんですよ。音楽とかファッションの四次元ポケットがついてて、なんでもそこから引っ張り出してきてみたいな人なんです。俺は逆にそういう音楽のバックボーンとか、めちゃめちゃ聴き漁った経験がなくて。このバンドに入るまでCDも5枚ぐらいしか持ってなかったし。大して音楽を聴きもしないで、ただ洋平の曲を弾いたら俺が絶対一番だって根拠のない自信だけで生きてきた人なんで。今でもそういう部分ありますけど。だからサトヤスの引き出しは本当に新鮮な驚きばかりでした。しかも、サトヤスはちゃんと引き出しの中から引っ張り出したものを実現することができる人だったから。楽しかったし、光栄だったとすら思ってますね。同じメンバーに言うのも小っ恥ずかしいし、変な汗かいてますけど。


磯部寛之(Photo by OGATA)

―白井さん、サトヤスさん加入でのバンドへの貢献はどんな風に感じてましたか?

白井:元々は高校の部活の仲間で、年齢は一個違えど同じような空気感で育ってきたとこもあったんで、今貢献とか高尚な言葉で言われると恥ずかしくなっちゃうんですけど、貢献はたくさんありますよ。もちろん尊敬するところもいっぱいあるんですけど、根が部活の仲間なので、本人の前で言うのも恥ずかしいですけど、高校の時から圧倒的にドラムが上手かったんですよ。上手いっていう言い方も違うぐらい、ものすごかった。頭10個ぐらい抜けて校内では上手かったんです。部活は一緒だったけど一緒にバンド組もうぜとか、卒業したら一緒にやろうぜみたいな、そういう感じでもなかったんですよ。なので、本当に全然違う角度から急にメンバーが降ってきた感じがしたんです。こいつと俺やるんだ!?みたいな。こいつとやるんだったらこいつと一緒に暮らすんだって。高校生の時から考えたらまったく想像してなかったんで。人生面白いなみたいなことを思いましたよね、サトヤスが加入した時は。


白井眞輝(Photo by OGATA)

―キャラクターとしてはサトヤスさんの真逆にいるのが白井さんですか?

洋平:ヒロじゃない?

磯部:そうかも。

洋平:ヒロが一番文明的というか。サトヤスってハードディスクタイプなんですよね。ヒロはフラッシュメモリータイプかもしれない。

磯部:その喩えがすーんごく分かんないから説明してもらってもいいかな?

白井:俺はその喩えすっごい分かる。

洋平:サトヤスは知識でドーンっていう人なんですけど、ヒロはその場でバーっていう。

白井:そうそう瞬発力!

磯部:なるほど。

洋平:中身というよりもその場でバッて感じ。そういう意味でも僕は違う扱い方をしてます。

磯部:うん、そうかもしれないですね。俺ってどちらかというと、何か突出してっていうよりは、割と文明的というかバランスよく全部のことをするタイプなんだと思います。サトヤスはいろんな秀でたとこあるんだけど、全部とんがってる、レーダーチャートで言ったらバンバーンっていろんな方向に飛び出ているかんじです。サトヤスってそのチャートの形がマジで違う人だなって思いますね。


勇退について3人が思うこと

―そういう真逆の2人がリズム隊を組んでいるのもバンドの面白いところですよね。

洋平:ただ、俺はサトヤスをリズム隊と思ったことないんですよね。リズム隊は俺とヒロなんですよ、どっちかって言ったら。俺とヒロがリズム作って、リードギターがまーくんで、サトヤスがリードドラマー。で、俺がヴォーカルっていう感じなんですよね。サトヤスが「上手い」かどうかって言ったら正直俺は分かんないです。もっと上手い人はいっぱいいるし、8ビートとかはもっと気持ちいい人いると思うんですよ。そこじゃない何か、何て言うのかな、驚かしてくれたりとか、スゲーって言わしてくれる方の「上手い」なんですよね。俺とかヒロって普通なんですよ。で、その普通にみんなが乗ってくれているのがこのバンドなんですよね。

磯部:洋平のリズムギターも普通じゃないけどね、それは良い意味でね。

洋平:うん。で、そこでリズムを作ってたでしょ。俺のアウトしてるところをヒロが抑えて、そこでまずリズムの土台を作る。そこにサトヤスが乗っかってる感じなんです。サトヤスは、自分はバンドのコックピットだって言ってるんだけど、違うの! 土台じゃない。それが俺らの特徴的なんですよ。普通、ドラマーが支えるって言うじゃないですか。サトヤスは引っ張るんですよ。だからヒロがすごく大変だったと思う。サトヤス、抑えろ!抑えろ!って。ヒロのベース感はそこでも培われた気がしますけど。でもサトヤスってそこがいいんですよ。アウトしていいじゃん!って、そこをヒロがいろんな角度を見て、ちゃんと緩衝材みたいな感じの役割を果たしていた。そのサトヤスのドラマーっぽくないドラマー感が何よりの魅力でしたね。

―そういうサトヤスさんの突破力もバンドの空気になっていたと思いますが、サトヤスの勇退を3人はどんなふうに受け止めていますか?

洋平:寂しいっていうのが一番大きいかな。でも、生きてるし、近いから会おうと思ったらいつでも会えるし。なんだろうなぁ、やっぱり、あー寂しいなと思いますね。でも、心配とかはないですね。俺さえいればアレキサンドロスだし、俺が引っ張ってやると思うから。サトヤスいないぐらいで揺らぐとかはまったく思わないんで。だってサトヤスいなくても全部できたし。ただサトヤスの[Alexandros]、[Champagne]はまぁ美しかったから。そこはもう二度とできないんで。もう一回同じようなことをやろうと言っても同じような人は絶対にいないと思うんですよ。サトヤスと同じような人って本当にいない。だからまた新しいバンドを結成する感じなんでしょうね。それぐらいサトヤスのキャラクターってあるから。俺がソロをやらない理由はそこで、適当に集めたメンバーだけどなんか合ってきちゃったみたいな感じなんですよ。一つの共通の目標があって、それをやってると段々と自分だけのものが外れてきて、バンドに合ってきた感じなんです。また新しいドラムを見つけたらそれを作るのに時間がかかるっていうのはあるだろうけど、そこはあんまり心配はしてないです。ただ寂しい。もう裸になる人いないのかなとか(笑)。


「言葉に出してしまうのはあまりにももったいないぐらい本当に幸せだと思います」(サトヤス)

―裸の人がいない打ち上げは寂しいですよね(笑)。白井さんは?

白井:まだそんなに実感が正直沸いてなくて。プロモーションとかを一緒に忙しくやってたりするんで。その過程で何か思うかもしれないですけど。まだ大丈夫です。

―磯部さんは?

磯部:やっぱり寂しさというのは絶対にあります。この10年やってきて、さっきからみんな話してますけど、サトヤスがこのバンドに寄与したものってすごく大きいと思うんです。ファッションのことだったり、あとはトークだったり何かと引っ張ってくれて、いいスパイスとしてバンドに普通じゃない部分を加えてくれました。正直、そういう部分をサトヤスに頼ってた部分があると思うんですよね。サトヤスが勇退した後、洋平は新しいバンドを作る勢いだって言いましたけど、俺もまさにそうだなと思ってて。ただ彼がいたこの10年間を今度は彼抜きで超えていかなきゃいけないっていうのを今すごく意識しています。だから身が引き締まる思いですね。洋平がフロントを張って、サトヤスがドラムセットも黄色だったりとか、本当にいろんな部分でこのバンドに華やかさを加えていたのを、今度はどうやってそれを超えていけばいいんだろうっていうのを今すごく考えてますね。そこは絶対やっていかなきゃいけないし、絶対やり遂げるとは思ってるんですけど。でもまだ明確な答えが自分の中では見つかってない、いろいろ試行錯誤して、やっては失敗して、を今後も繰り返していくんだと思います。今はそのことで頭がいっぱいな感じです。絶対できるんだけど、この華がいなくなってじゃあ次どうするんだって。自分達がカッコいいのは分かってるんだけどそれをどう証明していったらいいのかって……だからちょっと言葉臭いですけど、今、相当燃えてますね。

―メンバーがこんなふうに語ってくれてますけど、サトヤスさんは、バンドを勇退するにあたり今現在の正直な気持はどんななんでしょうか?

サトヤス:皆に対しては感謝しかないし、僕は本当に幸せ者だなって思います。何て言ったらいいんでしょうね……言葉に出してしまうのはあまりにももったいないぐらい本当に幸せだと思いますから、この3人の言葉聞いた後に、「サトヤスさんどうですか?」ってやっぱり残酷だねって思ったりはしますよ。どんななんでしょうか?じゃねーよって話です(笑)。こうしてベストアルバムをもって勇退という形だったり、辞めるって発表している人間がプロモーションにずっと帯同できてるなんてそれ自体すごく珍しいことだし、稀有なことでもあるし。僕がドラムを叩けないってことをメンバー、スタッフさんもみんな分かっていただいた上で、じゃあそれをどういうふうに俺ららしく面白くやろうってすぐに考えになって……そういうところ、やっぱり大好きですよね。すぐに「湿っぽくはしたくないよね、サトヤスどう思う?」って言ってくれたのはちょっと言葉が出ないかもなっていうぐらいうれしかったです。この歳になって、ファンの皆様からも含め、こんなに俺って愛されてるし、俺って幸せなんだなと思えたことはなかったから。俺もそれに報いるような今後を生きていくつもりでもあるし。本当に本当に濃密で刺激的な10年だったから、一人で、[Alexandros]ではない自分としてこれから生きていくわけなんですけれども、2010年からここまでの10年を振り返って「あの時は良かった」と永遠に思わないような人生を送らないとダメだと思っています。そういう意味では僕もすごく燃えています。そう思えるぐらい一生分の喜怒哀楽はこのバンドに詰めましたね。というか詰めることができました。じゃあその次に何をやるのかってところなんですよね、今一個人としては。


庄村聡泰(Photo by OGATA)

―具体的に次のステップは?

サトヤス:ないわけではないんですけれど、[Alexandros]のメンバーとして出ている以上は、その先に関してはここでは口を割かない方が俺は粋かなと思っております。

―ベスト盤『Wheres My History?』にはバンド初期の幻の名曲「温度差」が収録されていますが、これはバンドからのメッセージでしょうか?

洋平:解釈みなさんに任せたいなと思いますが、裏を言うとまったくメッセージはないです(笑)。ただアマチュア時代の音源なので、ちゃんと盤に入れようと思ってベストアルバムに入れました。





<INFORMATION>


『Wheres My History?』
[Alexandros]
ユニバーサル ミュージック
発売中

[Alexandros] 10th ANNIVERSARY LIVE "Wheres My Yoyogi?"
2021年3月20日(土・祝)千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホール
2021年3月21日(日)千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホール
https://alexandros.jp/

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