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一家6人を殺害した男が獄中死、40年以上にわたり人々を魅了する惨劇の舞台

Rolling Stone Japan / 2021年3月18日 6時45分

ロナルド・デフォオ・ジュニア:1974年撮影(Photo by Richard Drew/AP)

米ホラー映画『悪魔の棲む家』のモデルとなった一家惨殺事件の犯人、ロナルド・デフェオ・ジュニアが死亡したことが分かった。

ニューヨーク・ポスト紙によれば、13日にニューヨーク州オールバニーの病院で亡くなったと、ニューヨーク州矯正コミュニティ監察局が公表。同州フォールズバーグのサリバン矯正施設で懲役25年以上の終身刑で服役していたが、2月2日に病院に搬送された。死因はいまのところ公表されていない。

1974年、デフェオは父親のロナルド・デフェオ・シニアと母親のルイーズ、2人の妹ドーンとアリソン、2人の弟マークとジョン・マシューを殺害。6人の被害者は1974年11月13日、ロングアイランドのサウスショアにあるアミティヴィルという町の自宅で、ベッドで遺体となって発見された。数年後、デフェオは殺害を自供し、6件の第2級殺人罪で有罪判決を受けた。

事件はまず1977年にジェイ・アンソン作の著書『アミティヴィルの恐怖』が出版され、1979年にスチュワート・ローゼンバーグ監督がこれを映画化。その後も数々の本や映画を生み出した。これらの本や映画はデフェオ殺人事件の恐怖を掘り下げるとともに、デフェオ宅に越してきたラッツ一家の物語も扱っている。一家は家屋が幽霊に取りつかれていると言って、引っ越しからわずか28日後に退居した。

40年以上にわたって数々の作品を生んだアミティヴィル事件はある種の魅力を維持している――実質上、著作権フリーの「非公式シリーズ」であることは言うまでもない。アミティヴィルは実在の街で、殺人事件も、幽霊屋敷だというラッツ一家の主張も実際に起きた出来事とみなされ、知的財産の主張が成り立たないためだ。2020年だけでも2本のアミティヴィル事件関連の作品が公開された(当然ながらそうした作品は、ホラーコメディ『The Amityville Vibrator(原題)』など、公開後すぐにビデオ化されるような低予算作品がほとんどだ)。

デフェオは何不自由ない敬虔な一家に生まれ、父親とともにブルックリンの自動車販売店に勤務していた。だが父親との関係は険悪だったらしく、息子には麻薬や飲酒、喧嘩の評判がついて回った。殺害のあとデフェオは自宅近くのバーへ行き、両親が射殺されたと公言した一方、警察に自ら通報したといわれている。

自供後、6週間にわたるデフェオの裁判では犯行の理由が主な争点となった。デフェオの公選弁護士ウィリアム・ウェバー氏は、心神喪失の主張を展開した。だが1992年、デフェオはウェバー氏が自らの意思に反して心神喪失を訴えたと主張――本の出版権や映画化への関心をあおるのが目的だったと述べた。

「ウィリアム・ウェバー氏は選択の余地を与えなかった」とデフェオはニューヨーク・タイムズ紙に語っている。「彼はそうするしかないと言った。そうすれば、出版権や映画化でたっぷり金が入るだろう、と言われた。2年以内に出してやる、そしたら金は全部俺の懐に入るだろう、と。犯罪以外は、全てインチキだった」

【写真を見る】戦争の「闇」から生まれた恐怖の殺人鬼たち

from Rolling Stone US

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