BEYOOOOONDSが語る意識改革 アイドルグループの一員として考えたこと
Rolling Stone Japan / 2021年3月24日 12時0分
2020年、BEYOOOOONDSの活動はコロナ禍で制限された。しかし、苦境においてどんな表現ができるのか12人はポジティブに考え、SNS中心に持ち前のキャラクターの強さを存分に発信。この未曾有の状況においてもなお、新たなファンを獲得するという結果を導いた。約1年半ぶりのシングルとなった『激辛LOVE/Now Now Ningen/こんなハズジャナカッター!』が前作に続いてチャート1位を獲得した裏にはこんな地道な努力があったのである。
今作の収録曲「こんなハズジャナカッター!」は、アイドル賛歌であり、BEYOOOOONDSの成長を歌った曲である。これまでの活動なくして歌うことのできなかった内容だし、この曲を歌えたこと自体がグループとしての成長の証だ。そこで今回のインタビューでは「成長」をテーマに、山﨑夢羽、江口紗耶、里吉うたのの3人に話を聞いた。コロナ禍においていかに12人の連携を高めたかという話からは、現代のアイドルグループらしい一面が見えた。
―新曲「こんなハズジャナカッター!」はアイドル賛歌であり、これまでのBEYOOOOONDSの成長を歌っている曲でもあると僕は感じました。ということで、今回は皆さんの成長にスポットを当てて話を伺いたいと思います。BEYOOOOONDSのデビュー以降、自分以外のメンバーの成長を感じることはありますか?
3人 ありますねえ!
山﨑 私は、自粛期間が明けてからの岡村美波ちゃんの成長に驚いていて。すごく大人っぽくなったなって。これまではメイクとかヘアアレンジとか「みいみ、興味ないんだあ~」みたいな感じだったんですけど、最近は積極的に「このメイク、どこの?」って聞いてくるようになって、「大人になってる!」って。
里吉 私もめちゃめちゃ聞かれる! 私はメイクが好きなので自分でもいっぱいお勉強しているんですけど、「これってどうやったら上手くいくの?」って聞いてきてくれて、「みいみがメイク頑張ってる~!」みたいな(笑)、びっくりに近い感覚です。大人になっていくんだなあって。
―紗耶さんから見て、成長を感じるメンバーはいますか?
江口 私は小林萌花ちゃんです。最初、彼女は初々しくてほんわかした雰囲気だったんですけど、今は「ピアノが上手なふわふわした女の子」から「大人な女性」になったと思います。パフォーマンスも今までより堂々とした立ち振舞いになっていて……でも、みんな成長したと思いますね。過去のライブ映像をたまにメンバーみんなで観るんですけど、同じ曲でもみんな声が高いし、見た目も全然違っていて、メンバー同士でも「めっちゃ幼いね!」って話してます。
自分を肯定するのは苦手(里吉)
―では、今回インタビューに参加している3人それぞれの成長について、残りのお人から説明してもらえますか? まずはうたのさんからお願いします。
山﨑 個人的にうーちゃん(里吉)は第一印象からそこまで大きく変わってなくて。まず、初めて会ったときから顔が私のタイプだったんですよ。
里吉 ありがとうございます!(笑)
山﨑 今はそのかわいさに磨きがかかって、「大人っぽいかわいさ」があるんですよ。あと、いつも思ってるのは、うーたんはすぐに反応をしてくれるんです。例えば、私が何か面白いことをみんなの前でやってスベったりしても、うーちゃんは笑ってくれるんです。何かやったらとりあえず笑ってくれる。
里吉 昔より拾うよね。
山﨑 そう(笑)。だから、イベントとかでトークをしてるときも「たぶん、うーちゃんが拾ってくれるだろうな」と思えるからやりやすいですし、いつもありがたいなと思ってます。
江口 うーたんは年齢を重ねるごとに美しさとかわいさに磨きがかかってると思うんですけど、私が見てて一番成長してると思うのは「見せ方」です。加入したての頃はダンサーとしての見せ方がカッコいいと思ってたんですけど、最近はアイドルとしてのかわいい見せ方に磨きがかかっているなと思っていて、セリフやソロパートでしっかりみんなの心を掴むような瞬間を見せてくれていると思います。最強ですね!
―そう言われてみていかがですか?
里吉 こういう話をメンバーと面と向かってすることがないので恥ずかしいですけど、そういうふうに見てもらえるのはうれしいです。普段練習していても自分で自分のことを肯定するのはなかなか難しいので、そうやって言ってもらえると自信になります。
―自分を肯定するのは難しいですか?
里吉 難しいですね。私は苦手なほうだと思います。落ち込みやすいとかネガティブということではなくて、自分のことになると、「もっとこうしたい」とか「ここ、もうちょっとうまくできたらな」という部分に目がいきがちで。
Photo by Rika Tomomatsu
―自分に対して厳しくなっちゃうんですね。
里吉 もっと自分自身に自信が持てるようになったらいいなと思います。
研修生の頃に比べて「素」が出せるようになった(山﨑)
―では、続いて夢羽さんについてお願いします。
山﨑 (恥ずかしそうに)わはは~(笑)。
江口 私が初めてゆは(山﨑)に会ったのはハロプロ研修生の頃なんですけど、私たち2人とも人見知りで、地方出身で、レッスンが一緒になることも多くて、そのときは「ちょっと面白い」ぐらいの印象だったんですけど、BEYOOOOONDSに加入して一緒に過ごす時間が増えてから、面白いところがたくさんあることに気づいたんですよ。しかも、スベっても「もうやらない!」なんて言わずにちゃんと面白いことを続けてくれるし、自分をさらけ出してくれるのがうれしいなと思いながらいつも見てます。
里吉 私がハロー!プロジェクトに入ったのは高校3年生で、その時ゆはも同じ高校生だったということもあってあまり年下の感覚がなかったし、もともと大人っぽかったんです。なので、あまりグイグイくるタイプじゃないのかなと思ってたんですけど、フタを開けてみたら出会って2日目でニックネーム(うーたん)をつけてくれたり、本当にフランクに接してくれるところにびっくりしました。最近は前よりもハキハキ喋るようになって、それまでは「○○でぇ、○○なんだけどぉ……」って静かーに喋る感じだったんですけど、今はすごく快活というか、グループで練習してるときも積極的に喋ってくれたり、ゆはのいいところがより見えてきてると思います。これまではものすごくテンションが上がったときぐらいしか出していなかったところがいろんな場面で見られるようになってうれしいです。
―ゆはさんの中で意識改革があったんですか?
山﨑 最初はただもう、人見知りすぎて、初対面の方に自分の素を出せなくて。でも、本当は面白いことをするのが好きだし、自分でも、まあ、面白いほうなんじゃないかなと思ってて(笑)。
里吉・江口 あははは!
山﨑 でも、ハロプロ研修生の頃はそういうところが全然出せなかったので、「もしハロー!プロジェクトでデビューできたとしても、おとなしいままの印象で終わるんだろうな」と思ってたんですけど、こうやって先輩後輩関係ない状態でBEYOOOOONDSとして活動していることで素を出せているので、BEYOOOOONDSでよかったなと思いますね。
―今日、ここまで話を聞いていて、前回のインタビューに比べて随分ゆはさんの印象が違うなと思っています。
山﨑 あ、本当ですか?(笑)
Photo by Rika Tomomatsu
―うたのさんがおっしゃっていたように、本当にハキハキしているというか。
山﨑 ああ、そうですね。前回はほかのメンバーに頼って自分からはお話できなかったんですけど、最近は殻が破れてきました。東海ラジオで「BEYOOOOONDSのビヨ~~~~~ンっと飛び越えナイト!」という番組をやらせていただくようになってから「声のトーンが変わったね」って言われるようになったので、それは成長しているのかなと思います。
妹みたいに見てくれているのがうれしい(江口)
―では、紗耶さんについてお願いします。
江口 これ、緊張するねぇ~(笑)。
山﨑 紗耶ちゃんは私のひとつ下の後輩で、2人とも地方組として一緒に活動することが多くて、BEYOOOOONDSでデビューしてからも一緒にいることが多かったので妹のように思っています。
江口 (うれしそうに)うわぁ……。
山﨑 私にとってBEYOOOOONDSの中での妹は岡村美波ちゃんと江口紗耶ちゃんなので、紗耶が楽しいことをしてると、「あ、楽しそうだな」って思うし、落ち込んでると「落ち込んでるのかな?」って思うし、私は一人っ子なのでこうやって自分と話をしてくれる女の子がいるのがうれしくて。
―なるほど。
山﨑 あと、紗耶の絶対にピッチを外さない歌声。ぴったりハメるし、しかも力むんじゃなくてさらっと歌うので、それは研修生の頃からすごいと思ってました。なので、紗耶のパートがくると安心して聴けるし、私は紗耶の歌声が……これはあまり言ったことなかったんですけど、すごく好きです。
江口 わぁ~!
山﨑 本当にすごいと思いますね。「なんで音外さないんだろう?」っていつも思いますし、しれっとすごいことをやってると思います。
江口 (拍手しながら)うれしい。もう~。
山﨑 (里吉に向かって照れくさそうに)じゃあ、次、どうぞ!(笑)
里吉 紗耶ちゃんが研修生活動をしていたのはもちろん知っていて、そのときのイメージは「赤ちゃんみたいなちっちゃい子」っていう感じだったんですよ。でも、私がBEYOOOOONDSに加入して、最初はすごく年が離れている気がしていたんですけど、気づいたら紗耶ちゃんはすごく大人になっていて、ステージでも、カッコいい曲で「え、そんな表情するんだ!」ってドキッとさせられたかと思えば、関西魂で弾けるところもあって、いろんな表情を使い分けてるのを見て驚きます。今は気づいたらメンバーの中で一番同級生っぽい会話をしているんですよ。
―例えば?
里吉 2人でいるときは、今、自分がグループの中でどういう立ち位置にいるのか、みたいな真面目な話もしますし、思い出せないぐらい他愛のない話もします。本当に学校の仲良しな友達と話しているような感じなんですよ。しかも考え方がどんどん大人になっていってて、すごく話しやすいので楽しいです。
江口 めちゃめちゃ褒めていただいて……。まず、妹みたいに見てくれているというのがうれしいです。私にはお姉ちゃんがいるんですけど、大人数のきょうだいに憧れていて、BEYOOOOONDSのメンバーは家族よりも一緒にいる時間が長いので、本当のお姉ちゃんのように喋ってます。あと、めちゃめちゃ歌が上手なゆはさんに歌を褒めていただけるなんて光栄です。
里吉 「ゆはさん」(笑)。
山﨑 いやいや、なんか上からですみませんねえ(笑)。
江口 うーたんが大人っぽいって言ってくれたのもうれしいです。確かに、BEYOOOOONDSは年上のメンバーがほとんどなので、そういうお姉さんたちの言葉が日に日に染みついてるのかなと思います。同級生の友達みたいに喋りやすいって言ってもらえるなら、これからもたくさん喋りますよ(笑)。普段、こうやって印象を聞くことはないので、照れくさいというか、すごくうれしいですね。
Photo by Rika Tomomatsu
ハロプロ以外の影響源
―皆さんは日々練習を重ねていく中で、ハロー!プロジェクトの先輩以外から影響を受けることはありますか?
山﨑 私は小さい頃からミュージカル「アニー」が大好きなんですけど、初めて生で観たときに自分と同い年ぐらいの子が大きいステージで歌ったり踊ったりするのを見てすごく衝撃を受けて、それが芸能界で活動したいと思ったきっかけなんです。なので、今でもよく「アニー」のCDを聴いたりしてます。BEYOOOOONDSの楽曲はミュージカルの歌い方とは違うんですけど、演劇チックな歌とはつながるものがあるので、そこからは影響を受けていると思います。
里吉 私は5歳からダンスをやっていたので、海外のブラックミュージックをよく聴いていたんですけど、両親の影響でFolderさんと安室奈美恵さんがすごく好きで、今も初心にかえりたいと思うときとか、BEYOOOOONDSのMV撮影前に表情の参考にするために安室奈美恵さんのMVを観たりしています。安室さんはダンスだけじゃなくて、リップシーンでちょっと動くときに見せるダンスみたいなグルーヴ感が素敵なんです。
―今、うたのさんに一番ハマる安室さんのMVはなんですか?
里吉 そうですね~! 難しいんですけど……お芝居チックな動きということを考えると「NEW LOOK」みたいなドラマっぽいMVですね。カッコよく踊る人がかわいい表情をするというギャップが好きなんです。
―紗耶さんはどうでしょう?
江口 私はハロー!プロジェクト以外でめっちゃ詳しいというアーティストさんはあまりいないんですけど、私は移動中とかずっと音楽をかけているので、街中で聴く流行りの曲とか、「これだ!」と思うような楽曲を一日中延々と聴いたり歌ったりしています。そうやって歌うことが自分の歌につながっているかどうかはわからないですけど、何かになっているんじゃないかと思います。
―最近ハマった曲はなんですか?
江口 えー、なんだろう? 最近ずっと聴いてるのは菅田将暉さんの「虹」ですね。特にAメロが好きです。私は普段、菅田将暉さん、米津玄師さん、あいみょんさんみたいに皆さんが知っているようなアーティストさんの曲を聴くことが多いんですけど、好きになる曲の傾向みたいなものはなくて、そのときの心情に寄り添ってくれるような曲に脳が反応してるんだと思います。
2020年、自粛期間中に考えたこと
―去年はコロナの影響でツアーが中止になってしまったり、ツラいことが多かったと思います。でも、そんな中だからこそできたポジティブな経験はありますか?
江口 最近はリモートでお話会とかサイン会をする機会が増えて、それはこういう時期じゃないと実現しなかった取り組みだと思います。いつもは会場が決まっていて、お仕事の都合で予定が会わなかったり、会場が遠いせいでなかなか来られない方もいらっしゃると思うんですけど、「オンラインなので初めて参加しました」とか、「自粛期間中にハマりました」という方がいらっしゃって、オンラインだからこそそういった方々と話ができる機会が増えたので、それはよかったところだと思います。
山﨑 私は自粛期間でお家にいる間にひとつ成長していたいと思ったので、BEYOOOOONDSとは違った楽曲のダンスを覚えるために、ハロー!プロジェクトとはまったく違うアーティストさんのダンスを覚えて表現力を磨いていました。あと、私は島倉りかちゃんから影響を受けて昭和歌謡にハマって、松田聖子さんの映像をずっと観てたこともあったし、普段は聴かないジャンルの音楽をこの期間によく聴いてました。
―そこで得るものはありましたか?
山﨑 びっくりしたのが、自粛期間が明けてから開催されたハロー!プロジェクトのコンサートでJ-POPのバラードのカバーを歌うことになったんです。普段の私とは違う姿をこんなに早くお見せできる機会がきてうれしかったです。
―うたのさんはどうですか?
里吉 私は自粛期間中にSNSの更新を頑張っていたんですけど、私は18歳でハロー!プロジェクトに入るまで普通の女子高生だったので、その頃の友達と遊び感覚で画像とか動画の編集をやっていたのがすごくいきたなと。それまでは「里吉といえばこれだよね」というものをなかなか確立できずにいて「どうしよう……」と思っていたんですけど、SNSでメイクのこととか「科捜研の女」のことを発信して、それがお仕事につながりました。
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―本当にそうですよね!
里吉 そうやって「うーたんといえばメイクだよね」みたいなキャラクターができました。あと、小学生の頃から高校生までずっと私にダンスを教えてくださっていた恩師がいて、その方は東京にはいらっしゃらないのでレッスンを受けられずにいたんですけど、自粛期間ということでリモートでレッスンをしてくださったんです。それもこういう状況にならなければ浮かばなかった発想だと思うので、悪いことばかりじゃないなと思いました。
―動画の編集は皆さん上手くなったでしょうね。どのアプリがいいとか情報交換をしたり。
江口 いや、それはしてなかったですねぇ!
山﨑 自分との戦いです(笑)。
里吉 みんな独特というか、自分でやり方を見つけてやってました。
―意外ですね。だからこそそれぞれの動画のキャラが立っていたのかもしれないですね。
3人 たしかに。
個の集団ではなく「BEYOOOOONDS」という真のグループに
―メンバー全員でリモートで話をする機会はあったと思うんですけど、歌とかダンスをみんなそろって合わせる時間は今もあまりないわけじゃないですか。今回の新曲を出すにあたって、どうやってダンスの連携を高めていったんですか?
江口 普段からコンサートのリハーサルがあるとグループチャットで「ダンスのここのフリをもっとそろえよう」みたいなやり取りをよくしているので、今回の新曲を合わせるときも、動画を切り取ってメンバーに送って、「ここをもっと合わせたいね」みたいに話し合いながら上手くできていたのかなと思います。
―実際に現場で合わせなくても、そういうやりとりでどうにかなるものなんですね。
里吉 12人もいるので、リハーサルの時間内でみんなが思ったことを全部言ってると時間が足りなくなってしまうんです。なので、リハーサルではそのときに一番やらなきゃいけないことを最優先して、お家に帰ってからリハーサル映像をそれぞれが観て、そこで新たに思ったこととか気になったことを言っていくほうが効率がいいんです。
江口 そういうことのほうが多いよね。
―そのやり方ってコロナ以前からなんですか?
江口 立ち位置の移動については画面で伝えるのは難しいですし、一人が動線を間違えると事故になってしまうのでリハーサルで確認するんですけど、細かいフリの確認はその場で急いでやっても忘れちゃうことがあるので、あとでグループチャットで進めるというのがコロナ前から多かった気がします。
里吉 コロナ禍を経て、ライブで披露するときの立ち位置がソーシャルディスタンスバージョンになったんですけど、締め切ったリハーサル場では何時間も合わせることができないので、グループチャットでそういう話し合いもするようになったのは自粛期間を経て変わったことですね。
―それにしても、12人という大人数のフリをぴったり合わせるって生半可なことではないですよね。それは今回のMVもそうで。でも、今話していただいたようなやりとりを経て完成しているんですね。
3人 そうですね。
―最初に紗耶さんもおっしゃっていましたけど、今、約1年前の『LIVE BEYOOOOOND1St』の映像を観ても今と全然違うと感じますか?
3人 違いますね!
里吉 観てて恥ずかしくなっちゃう!
山﨑 昔の「眼鏡の男の子」の寸劇を見るとみんなまだ振り切れてなくて、「そこはもっと大声で言いなよ!」って自分でも思っちゃうぐらいおとなしい感じがします。今は楽曲にも、弾けることにも慣れているので、昔の映像はちょっと笑ってしまいます。
―あの頃はまだ個の集団だったのが、今はBEYOOOOONDSというひとつの集合体としてパフォーマンスできている。
江口 たしかに。
里吉 それは感じますね。
―何があったんですかね?
里吉 去年、12人で一緒にパフォーマンスすることができなくなった期間があって、でもみんなライブが好きなので、「ライブがしたい!」という気持ちが高まったことでみんなの向く方向が一緒になったというか。あと、コロナがちょっと落ち着いてきたときに「アラビヨーンズナイト」という舞台をやらせていただいたんですけど……。
紗耶 その稽古期間が短くて、最初にやっていたお稽古は自粛期間で中断しちゃったし、途中でハロコンもあったので、12人がそろう日が少なくて。でも、久しぶりに全員が集まったときに、団結力が増したというか、「みんなで仕上げるんだ!」という気持ちがひとつの方向に向いたのを感じました。
芝居的な歌い方を強みに(里吉)
―では、今回のシングル収録曲の演技面で個人的にこだわったところはどこですか?
里吉 私は今回、「こんなハズジャナカッター」のCメロやサビの最後みたいにお芝居をしながら歌うパートが多くて、ずっと前からそういうパートをやりたかったんですけど、今までは選んでいただくことがなかったんです。
―なるほど。
里吉 BEYOOOOONDSはみんな個性的で素敵な歌声の子が多いので、自分でも自分の声がちょっと違うなと思うところがけっこうあったんです。それで「どうしたらいんだろう」と考えた結果、コミカルな歌い方をするときのほうが自分の声をいかせそうだということに気づいたので、「こんなハズジャナカッター」のサビの最後ではいろんな歌い方をして録ってみました。あと、「激辛LOVE」のソロパートの<トリコになる>という部分でも、ディレクターさんから「次はこんな感じで」ってお芝居のパターンをたくさんいただけたのがすごく嬉しかったです。そういう表現はこれからも突き詰めていきたいです。
―今回のレコーディングできっかけを掴めたんですね。
里吉 そうですね。自分の声の使い方を学べたのかなと思いました。
山﨑 私は「激辛LOVE」です。2番の歌詞に<サヨナラのあとに ゴメンネのスマイル>というフレーズがあって、これはまだみなさんにはお見せできていないんですけど、私はそこでサヨナラされたときの悲しさや、ゴメンネのスマイルをされたときの喜びを顔で表現しています。あとその前に、<あぁ嘘言っちゃった>というところで悲しんで、その次の<惚れすぎた証拠ね>でまた喜ぶっていう、「そんなにコロコロ変わってどうしたんだ?」っていうぐらい表情が変わっているんです。
―情緒が不安定な(笑)。
山﨑 はい(笑)。顔の筋肉を使いまくっているので、早くみなさんにお見せしたいです。
江口 「激辛LOVE」は、ウィンクしたり、真顔になったり、辛い顔をしたり、表情まで細かく決められていて、ほぼ変顔に近いんです。普通のアイドルさんはファンの方に笑顔を振りまくと思うんですけど、BEYOOOOONDSではみんなが真顔の中で一人だけ笑っていたらダメなんです。恥ずかしさはありますけど、逆にそれをやらないほうが悪く目立ってしまうので、「激辛LOVE」はしっかりやりきろうと思っています。
―求められる演技の水準は上がったりしているんですか?
里吉 これまでの曲は、全体を通して「こういう感じで」という指示があったんですけど、今回は「このパートはこう」「Bメロはこう」みたいに細かく決まっていますね。でも、細かく決まってはいるんですけど、12人でしっかりそろえられるようになってきたと思います。そこはもっと頑張りたいですね。
BEYOOOOONDSを引っ張っていけるような存在になりたい(山﨑)
―歌唱面で成長を求められることはないですか?
山﨑 私はレコーディングのときに、「ここ、違う音で歌ってみて」ともともとのメロディと違うものを求められることがあったのでそれはうれしかったです。
―皆さんのレコーディング動画をYouTubeでよく拝見していますけど、その場で即座に対応するって大変ですね。
山﨑 先輩方のレコーディング動画を見ていると、いきなりハモリを歌うように言われたりする場面があるので、私も勝手にハモリを作ったり、フェイクの音を変えたりして練習していたんです。なので、そういう練習をしていてよかったなと思います。
―求められていないことでも自分から挑戦していくという姿勢が大事なんですね。それこそ、清野桃々姫さんが趣味で取り組んでいたトークボックスがいきなり「激辛LOVE」で採用されるなんてこともありますし、こういうことはほかのメンバーにとっても刺激になりますね。
3人 なりますね~!
里吉 私はダンスという特技でBEYOOOOONDSに入ったので、もっと踊りたいですね。「里吉のダンスをここに入れたい!」って思ってもらえるぐらいのパフォーマンスをほかの曲でできれば、今後新曲でそういう機会がいただけるかもしれないので、自分の武器に自信を持ってがんばりたいと思います。
―では、最後に3人の今年の成長目標を聞かせてください。
江口 私はグループとしての活動はもちろんなんですけど、個人の活動もできたらいいなと思っています。2020年のBEYOOOOONDSは、島倉りかちゃんは昭和歌謡でテレビに出たり、うーたんは「科捜研の女」に出たり、ゆはも映画に出たり、個人が活躍した年だったので、私も早く自分の武器を見つけて、個人のお仕事としていかせるようになりたいです。
山﨑 私は歌もダンスももちろん磨いていきたいんですけど、トークに対する苦手意識が強くて、周りのメンバーに任せちゃってることが多いので、トークを頑張りたいです。
―さっきも言いましたけど、今日は前回に比べて見違えるぐらいトークしていると思いますよ?
山﨑 本当ですか? よかったです! でももっと頑張りたいし、BEYOOOOONDSを引っ張っていけるような存在になりたいです。映画『あの頃。』で松浦亜弥さん役を演じさせていただいてから、自分が目指すアイドル像がはっきり見えた気がしていて、松浦さんは真のアイドルというか、いろんな人の人生を変えるぐらい影響力のある素晴らしい方だったんだなとこの映画で改めて感じたので、私もそれぐらいの存在になりたいです。
―うたのさんはいかがですか?
里吉 自分の好きなものをもっとお仕事につなげたいです。去年はやっと自分の好きなものや強みを発信することができて、キャラクター性とか、グループ内での立ち位置とか、印象に残るという意味でようやくみんなと同じラインに立てたと思えました。私には好きなものがたくさんあって、全部に等しく最大の愛を注いでいる自信があるので、その愛情をもっと発信して、お仕事として提示できるような活動ができたらいいなと思っています。
―自己表現をする場としても、BEYOOOOONDSって本当に素敵なグループですね。
3人 はい!
Photo by Rika Tomomatsu
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