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ネット発ミュージシャン三組、渋谷で「正夢」を描いた一夜

Rolling Stone Japan / 2021年4月7日 12時0分

ライブ「正夢Vol.1」に出演したぼっちぼろまる のパフォーマンス

ライブイベント「正夢Vol.1」が2021年3月23日、東京・渋谷TSUTAYA O-Crestにて開催された。

日本の音楽シーンを盛り上げるネット発クリエイターの次世代アーティストを取り上げる企画「正夢」。全国のTSUTAYAでレンタル限定リリースされたコンピレーションアルバム『正夢Vol.1』とともに、今回は同名のライブイベントを開催。音楽系VTuber・ぼっちぼろまる、歌い手出身のシンガーNORISTRY、歌い手アイドルグループのベアードアードが一堂に介し、ライブパフォーマンスを披露。新たな音楽の土壌を耕すべくスタートした企画で、ネット出身のミュージシャンたちが集う、まさに正夢になった一夜となった。

関連記事:ネット発クリエイターとリアルの最前線に立つ「正夢」の狙い


定刻を少し過ぎた頃、ぼっちぼろまるがビジネスフレンドと称するヲタきちと一緒にステージに登場。挨拶を済ませると、中華風のリフが印象的なアップテンポの曲「タンタカタンタンタンタンメン」でライブはスタート。ゆるキャラのような出で立ちで踊りを披露しながら、会場の手も大きく振らせて盛り上げる。続く、等身大でシュールな歌詞の「ぼくも傘がない」ではテンションの高いギターリフとぼろまるのどこか気の抜けたビジュアルと愉快なダンスのギャップが魅力的に映えた。


ヲタ吉(左)とぼっちぼろまる(右)Photo by スズキメグミ

MCでは、ヲタきちが「よく見えないけどたくさん人いるんだよね?」と随所にジョークを織り交ぜながらも、「ずっと配信ライブだったから、お客さんがいる前でライブやるの久しぶりで楽しい」と、久しぶりの有観客への感慨を語るぼろまる。ここで急遽、4月2日にリリースの最新アルバム『GARAKUTA』から新曲「1 day」を披露。ミディアムテンポのアーバンなサウンドに、心地よく身体でリズムをとってラップ調に歌い上げる。「本当の僕を見てほしいの なんて言わない、思わない、願わない」と、仮想空間でアバターとして活動して実態が見えないVTuberが歌うのがシニカルで面白く感じられる。さらに続けて、俯瞰的な視点で等身大の勇者を捉えたミディアムナンバー「勇者のくせに」を披露。一般のヒーロー像と異なる勇者の実像を”勇者のくせに”と歌い上げる姿にはどこか悲哀が漂い、変わらない表情が逆に印象強く残る。最後のMCでは、それまでの落ち着いたトーンとは対照的にぼろまるとヲタきちのジョークを織り交ぜた掛け合いを見せ、観客も思わず肩の力が抜けて笑えてしまう。こういったライブの中に大きなテンションの振り幅があるのも彼らのパフォーマンスの魅力なのかもしれない。最後はアッパーチューンの「いきてるだけでしぬほどえらい」でハッピーな大団円を迎え、2人は会場を後にした。

転換を経て、歌い手出身のシンガーNORISTRYがバンド編成での登場。ボカロP・SLAVE.V-V-Rの楽曲「このピアノでお前を8759632145回ぶん殴る」のカバーからライブは始まった。イントロのハネるようなピアノの旋律から勢いを感じさせ、タイトル通り歌声で殴るかの勢いで力強く声を張り上げる。CHEMISTRYが好きすぎてNORISTRYという名前にしたと自己紹介を済ませると、yamaの「春を告げる」、DISH//の「猫」を披露。「春を告げる」では手拍子で会場を積極的に煽りながら、メロディーの高低差の激しい曲を自由自在に駆けるようにのびのびと歌い、「猫」では一転して失恋の切なさを歌に込め、全身を使って表現して会場の雰囲気を飲み込んでいった。


NORISTRY(Photo by スズキメグミ)

MCでは昨年12月に開催されたLINE LIVEオーディションで優勝した感動を改めて告げ、それに際して敬愛するCHEMISTRYの川畑要と共に作詞・作曲して生まれた楽曲「DAWN」を今回のライブで初披露。自身にとっても思い入れのある楽曲を感慨深そうに、未来への希望を歌い上げ大きな余韻を残した。と思いきや、間髪入れず自身の1 stシングル「Sing」のイントロが鳴り響き、客席からクラップが生まれる。歌詞の「ステップ踏んで 笑っておくれ 僕の歌で」を体現するようにご機嫌に歌い上げ、バンドメンバーの紹介やソロシーンなどステージは大盛り上がりを見せながら、最骨頂のテンションでステージを後にした。

最後は、登場SEに合わせてベアードアードが登場。学生服をモチーフにした衣装に身を包み、一曲目「失楽エデン」でライブをスタート。ファンタジックな世界観の楽曲とキレのある激しいダンスパフォーマンスで圧巻のステージを送る。続けてボカロPの柊キライ書き下ろしの「ファナティ」も披露、楽曲の持つ中毒性と色気のある表情と仕草で、会場の客も立ち上がり盛り上がっていく。ここまではクールさを全面に出してきたが、ここでボカロPのナユタン星人の楽曲「金星のダンス」を披露し、四つ打ちのリズムと笑顔溢れるダンスで一気に会場をポップな雰囲気へと変えてみせた。


ベアードアード(Photo by スズキメグミ)

自己紹介と本日のライブへの意気込みを語ったあとは、今回のコンピレーションアルバム『正夢Vol.1』にも収録されている、ボカロP・かいりきベアが提供した、自身のグループ名を冠した楽曲「ベアードアード」へ。コールを煽ったり、会場の熱をもう一段階上げていくエネルギッシュなパフォーマンスで会場を魅了していく。彼らの熱量は止むことなく、力のこもった歌とダンスで会場を魅了。ボカロP・すりぃ提供の「スティグマ」、かいりきベアの楽曲「アイ情劣等生」のカバーを披露して、最骨頂のテンションのままライブは幕を下ろした。

多くの次世代クリエイターやネット発のミュージシャンが集った今回の正夢Vol.1。日本のみならず、Kizuna AIがバーチャルUSツアーを発表するなど世界を巻き込んで大きな渦が巻かれていくこのシーンの一端を目の当たりにした一夜だった。


<作品情報>

『正夢vol.1』

2021年2月27日(土)レンタル開始 
※レンタル限定盤につき、販売はございません。
=収録楽曲=
1. 和田たけあき/わるいこになあれ
2. Teary Planet /コペルニクス的転回
3. R Sound Design/flos
4. Lanndo feat.bis/vivid a
5 .ぼっちぼろまる/嘘つき犬が吠える
6 .NORISTRY/Sing
7. ベアードアード/ベアードアード
8. おはようございます/極普通

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