止まらない横浜勢、Leon Fanourakisが仲間とブチかましたツアーファイナル
Rolling Stone Japan / 2021年4月12日 18時0分
Leon Fanourakisが、2021年3月30日に東京・LIQUIDROOMでワンマンライブ「”SHISHIMAI” TOUR FINAL in TOKYO」を開催した。
今年1月にリリースした2ndアルバム『SHISHIMAI』では、客演にはWILYWNKA、JP THE WAVY、LEX、SANTAWORLDVIEWを迎え、国内のトラックメイカーはもちろん、海外からも、6ix9ineの楽曲を手掛けたニューヨーク出身のGHXST、Famous Dexに楽曲を提供したノルウェー出身のKrissiO、アトランタ在住の日本人Yung Xanseiなどがプロデューサーとして参加するなど、自身の盟友ラッパーから世界のプロデューサーまで巻き込む大規模な作品となった。
関連記事:Leon Fanourakisが語る、進化したフロウの秘密
今回のリリースツアーファイナルの東京公演には、アルバムにも参加したJP THE WAVY、LEX、SANTAWORLDVIEW、WILYWNKAらがゲスト出演することが事前アナウンス。約1年8ヶ月ぶりのワンマンライブということもあり、SNS上では直前までチケット譲渡を求める声も多く、ファンからの期待の高さが伺えた。
定刻を5分ほど過ぎた頃、暗転したステージに獅子舞の唸り声と映像が流れると、「ぶち上がろうぜ! LIQUIDROOM!」と獅子舞の如く叫びながら、Leon Fanourakisが勢いよく登場。「NO LIGHTS 灯を消したらすぐさま おっ始めるから」という最初のバースが、日の入り時刻を過ぎた開演時刻、そして、パーティーのように客が飛び跳ねるライブのスタートにぴったりである。「楽しめそうですかSHISHIMAI TOUR!! ヤバイね、ヤバイね! ヤバイね‼︎」と、Leon Fanourakis自身もついに迎えたツアーファイナルへの興奮が高まりきっているようだ。「こんなもんじゃすまねえだろお前ら!」と続けて「What did you say!?」、「HOT SAUCE」、「KIMEROYO」と最新アルバム『SHISHIMAI』からの曲を惜しげなく披露していく。特に「KIMEROYO」では、会場一人一人を睨むような危うさと気迫、強い意志を持ったフロウが感じれ、会場を盛り上げるに十分なビート溢れるミックスのトラックに、観客たちは理性など振り払って跳ねていく他ない。
Leon Fanourakis
「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の感染予防のガイドラインに従った公演であるため、Leonからも「皆めっちゃ良い感じじゃん。今日皆ここに集まってくれて本当にありがとう。でもご時世は色々ヤバイっぽいから、ちゃんと(足元の)枠の中で遊んでほしいぜ。その枠の中は自由に暴れまわっちゃっていいわけ。見せてくれよ。いける? やれる⁉︎ そういう感じで楽しもうぜ!」と、会場を諭しながら盛り上げていく。より高みを目指すスケールのデカさを歌った「YORI DEKAKU」を続けて披露し、場内の熱量はジャンプやハンズアップなどを通して終始冷めることはなかった。
この流れはその後も止むことはない。「今日来て皆どんなモードになってるよ? ビーストモードになってこうぜ!」と煽ってJP THE WAVYを招いての「BEAST MODE feat. JP THE WAVY」では、とLeonのより攻撃的で芯のある進化したフロウに、JP THE WAVYのうねりと滑らかさのあるフロウが絡み合い、今回のライブの中での大きなアクセントとなった。また、Leonと同じく横浜出身で同い年のラッパー・Ralphを招いて披露した「whats your name?」では、ハードなビートの上でドスの効いたRalphの破壊的な凄みのある声にLeonもリアルタイムで高められていくようにもう一つギアを上げていった。
今回の客演はまだまだ終わらない。「俺たちはこのままじゃ止まらないよ、横浜勢は止まりきれねえから!」と叫ぶと、ステージ袖から勢いよくLEXが飛び出して「CHAMPION」、「MOON」をパフォーマンス。ステージ上を軽いフットワークで飛び回り、全身でアグレッシブな表現を繰り出す。オートチューンも用いて音楽性を広げた魅せ方をしたりと、新しい若手世代の二人が互いに刺激し合っていく姿が垣間見え、そのバイブスを感じた場内もボルテージを上げていく。二人で作り上げた大きな流れの中、更に盟友SANTAWORLDVIEWのUSライクなフロウも加わった「NiPPON」を披露。神奈川の誇る3人の若手ラッパーによるマイクリレーに、会場の目と耳が釘付けになった。
LEX
SANTAWORLDVIEWはMCでもコロナ禍の中で集まってくれたファンに喜びを伝えつつ、Leonが「せっかくこんだけ集まってきてくれたなら、ここから一階まで落ちてみようか! 床を開ける気持ちで皆でバウンスできますか!」と、「#SHIBUYAMELTDOWN」、「BOUNCE」、を共に披露。「BOUNCE」のタイトル通り、会場を一体に跳ね上げた二人の盟友はステージ上で強く握手を交わし、互いのパフォーマンスを称え合った。
終盤では「お前らの気持ちは伝わってるぜ。プレッシャーを力に変換してこれからも生きていこうよ」と、「LIGHT WORK / AK THE SAVIOR & Leon Fanourakis」で「くれよPressure Yeah its my pleasure パワーに変換 更に点火」と、プレッシャーさえもスパイスにして力強く生きていく意志を会場の客に示す。世の中に繁茂する真偽の分からないことの前に自分のアイデンティティを示すことを歌う「NANIMONO」では、曲の最後には「誰がどうとか言う前に、自分がどうかがまず大事でしょ。自分がどうなるかだから、この先も」と、今の時代に求められるべき事をストレートに言葉で伝えてくれた。そんなLeonの今の想いを伝えた後に、レーベルメイトのWILYWNKAを迎えて披露した「Better Now feat. WILYWNKA」は、曲の通り彼の根は変わらずとも絶え間なく進化していく姿を誇示した。その進化の一端である、最新アルバム『SHISHIMAI』でLeonが初のメロディを歌唱した楽曲「ZEKKOCHO」でライブを締める。ライブを通して上がり続けた会場とのバイブスの果てに「変な常識も全部用ないよ この熱い夜もう絶好調」と皆で手を振りながらチルな雰囲気で大団円。「ありがとうございました! ”SHISHIMAI” TOURまじ最高だったぜ! 本当愛してるよ!」と語る彼を見つめるファンの、燃え尽きて満足そうな笑顔が場内に溢れていた。
<公演情報>
Leon Fanourakis
「”SHISHIMAI” TOUR FINAL in TOKYO」
2021年3月30日(火)東京・LIQUIDROOM
=セットリスト=
1. NO LIGHTS
2. What did you say!?
3. HOT SAUCE
4. KIMEROYO
5. YORI DEKAKU
6. BEAST MODE feat. JP THE WAVY
7. TOBASE!
8. PICCOLO / AK THE SAVIOR & Leon Fanourakis
9. whats your name? / ralph x Leon Fanourakis
10. KAGE
11. Guerrilla
12. CHAMPION feat. LEX
13. MOON feat. LEX
14. NiPPON feat. Leon Fanourakis & SANTAWORLDVIEW / LEX
15. Tryna Be The G.O.A.T. feat. SANTAWORLDVIEW
16. #SHIBUYAMELTDOWN feat. SANTAWORLDVIEW
17. BOUNCE feat. SANTAWORLDVIEW
18. LIGHT WORK / AK THE SAVIOR & Leon Fanourakis
19. NANIMONO
20. Better Now feat. WILYWNKA
21. ZEKKOCHO
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