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JUNG KOOKが語るBTS「Dynamite」制作背景、ARMYへの想い、アリアナからの学び

Rolling Stone Japan / 2021年6月22日 9時0分

米ローリングストーン誌より、BTSのJUNG KOOK(2021年4月6日、韓国・ソウルにて撮影) Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Coat, top, and pants by Fendi.

「練習生時代は、他のみんなが寝るまで待っていました。夜中にひとりでシャワーを浴びたかったからです」とJUNG KOOKは語る。

「ずっと昔からお互いのことを知っています」と、BTSのJ-HOPEは最年少メンバーで23歳のJUNG KOOKに先日このように話していた。「でも、君の少しも変わらないところが好きです」。他のメンバーの誰よりも、JUNG KOOKはBTSというグループとともに大人になった。2013年のデビュー当時は若干15歳で、高校を卒業する頃にはすっかり有名人になっていた。彼の卒業式には、6人のメンバーが駆けつけた。抜群の歌唱力とダンスのスキルを誇るJUNG KOOKは、常に生まれながらのポップスター的存在であり、早くも2011年から複数の芸能事務所が彼に目をつけていた。デビュー以降も「Dynamite」を含むBTS屈指のヒット曲で重要な役割を果たし、求められる以上の成果を出してきた。シンプルな白いスウェットに白いマスクと黒のバケットハットというコーディネートで韓国のソウルにある所属レーベルの本社から米ローリングストーン誌の取材に応じたJUNG KOOKが「Dynamite」制作の裏側、歌手としての進化、大好きなアリアナ・グランデなどについて語ってくれた。

※先月、米ローリングストーン誌がBTSが本誌の表紙を飾ったことを記念して、各メンバーをフィーチャーしたデジタルカバーストーリーを数日にわたって掲載した。日本版も「Rolling Stone Japan vol.15」発売日の6月25日へのカウントダウン企画として、完全翻訳記事を毎日掲載していく。

>>【動画を見る】BTSのJUNG KOOK表紙メイキング映像


ー先日配信された特別番組『Lets BTS』を見ました。ARMYのみなさんがメンバーと一緒に画面越しに「Life Goes On」を歌っている動画を見て、あなたが驚く姿にとても心を動かされました。感動しているようにも見えましたね。ファンに会えない寂しさを改めて感じていたのでしょうか?

ステージに立つことが大好きで、ファンの声を聞くのが本当に楽しみなんです。ですから、昨年の3月にツアーがキャンセルされると、少なからずショックを受け、その事実をなかなか受け止められませんでした。オーディエンスとARMYの声援は、僕たちにとってかけがえのないものです。テレビ番組やプロモーション活動中は心臓がドキドキして、もっとやりたいという気持ちになるんです。おっしゃる通り、『Lets BTS』の「Life Goes On」のパフォーマンス中にインターネットを通じてARMYのみんなが一緒に歌ってくれる声を聞いて、オーディエンスの本物の声援を思い出しました。みんなの声援がますます恋しくなったんです。

ーBTSとともに成長することは、あなたにどのような影響を与えましたか?

僕は、まだ大人になる前に練習生として入所しました。そんな僕に訪れた最大の幸運は、優しくて素晴らしい、最高の6人のメンバーに出会えたことだと思います。たくさんの人に愛される、本当に良い人間に育ったと思っています。ポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、僕にたくさんのフィードバックをくれた年長メンバーのみんなに心からお礼を言いたいです。彼らに出会えたことに感謝ですね。

ー普通の生活が恋しくなるときはありますか?

たしかに、あまり学校には行けませんでしたが、失うよりも多くのことを手に入れたと思っています。時々、仲間同士で遊んだり、旅行に行ったりする友人を見てうらやましくなることもありました。もしかしたら、僕はそうした機会を逃してしまったのかもしれません。でも繰り返しになりますが、失うよりも多くのことを手に入れたと思います。

ーツアー活動ができなかった昨年は、普段よりも普通の生活を送るチャンスだったのでは?

普段より仕事が少ないから、あるいは外出できないからといって、必ずしも普通の生活が送れるとは限りません。自分たちの行動には常に気を配っていました。それに、ツアー活動ができないからといって努力を怠るわけにはいきません。ですから、新しいことにチャレンジして、屋内でもかなり忙しく過ごしていた気がします。でも、感情をしっかり整理する時間も少しはありましたし、人間としても成長できたと思います。


BTSのJUNG KOOK(2021年4月6日、韓国・ソウルにて撮影)
Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Coat, top, and pants by Fendi.

ー何をしても天才肌のあなたは、「黄金マンネ(完璧な末っ子)」という愛称でも親しまれています。ですが以前も言っていたように、かなりプレッシャーもあるのではないでしょうか?

人からは万能だとか、オールラウンダーだとか言われますね。もちろん、なかには得意な分野もありますが、持っている器量や才能を甘んじて受け入れることは、必ずしも良いことではないと思います。限られた分野で上達できるのは、がんばって練習したときだけ、それも一生懸命やって、集中したときだけです。ですから、あまり自分のことをオールラウンダーだと思いたくないんです。ただ、挑戦と努力を続けたいだけです。もちろんプレッシャーは感じますが、僕が必死になって最高のパフォーマンスを目指すのは、こうしたプレッシャーのおかげでもあるんです。

ー複数の芸能事務所から声をかけられていながら、RMの影響でBig Hit Entertainment(現:HYBE)を選んだそうですね。RMのどのようなところに惹かれたのですか?

当時のことはあまりはっきり覚えていないのですが、単純にRMがすごくかっこいいと思ったんです。あの頃は、歌手になることについてあまり深く考えていませんでしたが、彼のラップ映像を見て、心底かっこいいと圧倒されました。運命が僕をRMへと導いてくれたんだと信じています。

ーこのことについてはJ-HOPEとも話していました。衣装と音楽の観点から初期のBTSを見て、その進化をたどるのはとても楽しいですね。ご自身で初期の楽曲やMVを振り返ったときの印象は?

デビュー当時はかなり濃いメイクをしていました。アイラインやら何やらって感じで、衣装も黒を基調としたハードなものが多かったですね。当時の事務所はかなり小規模でしたから、衣装に多くの予算を割く余裕がなかったんです。でも相当な時間をかけて、ミーティングを重ねながら、楽曲やアルバムにふさわしい衣装とスタイルを選んでいました。視覚的な要素はとても大切だと思います。楽曲と踊りなど、一つひとつの要素ももちろんすごく大事ですね。

ー「Dynamite」レコーディング中のエピソードを紹介してください。

英語の歌詞を正確に発音しているつもりだったのですが、レコーディングと練習を重ねるうちに、まだまだ改善が必要な部分があることに気づきました。僕の発音は、そこまで良くなかったんです。英語がスラスラ出てくるには、まだまだ舌の動きがぎこちなかったんです! でも、練習を重ねて何度も歌ううちに曲にも慣れて、より自然に発音できるようになりました。僕にとってはとても良い学びの経験になりましたね。



ーソロ曲「Euphoria」は、あなたがもっとも輝く瞬間のひとつだと思います。少し前の楽曲ではありますが、この曲に取り組んでいたときの思い出を教えてください。

数あるBTSの楽曲のなかでもとくに「Euphoria」が好きです。というのも、少年ともっと歳を重ねた男性のちょうど中間の声で歌っているんです。でも、これがレコーディングで苦労した原因でもあります。楽曲の雰囲気をレコーディングで表現しなければならず、僕自身、もとの声を見失ってしまった気がして、どうやって歌っていいかわからなくなってしまったのです。でも最終的にレコーディングでは、まさにこうした感情が表現できたと思います。全体を聴き終わった後、「うわ、結構上手くできたかも」と思ったんです。



ー影響を受けたアーティストはいますか?

海外ツアー中にアリアナ・グランデのコンサートに行けたのは、いまでも忘れられない思い出です。ステージ上の彼女の存在感にとにかく圧倒されました。あんなに小柄なのに、彼女の声量と能力は本当にすごくて、心から感動しました。そうしたところを見習い、学びたいと思いましたね。彼女のパフォーマンスを観て、僕も成長と進歩をずっと続けていきたいと思いました。

普段は、なるべくいろんなジャンルの音楽を聴くようにしています。いまの自分の声にたどり着くまでは、無作為に選んだ音楽を聴いて、一緒に歌いながら他のアーティストの歌い方を勉強していました。

ー他のメンバーは、デビュー当時のあなたはいまより少しシャイで内向的だったと言っていました。そのときのことは覚えていますか?

(笑)。練習生時代は、他のみんなが寝るまで待っていました。夜中にひとりでシャワーを浴びたかったからです。でも、本当に時間はすべてを解決してくれると思います。これだけ長い時間を同じ人と過ごせば、性格も変わってきます。他のメンバーは、僕にたくさんの影響を与えてくれましたし、彼らは本当にいい人たちですから、一緒にいて心地良いと感じました。みんなが心を開くようにと僕をうながし、善良な人間へと成長させてくれたんです。

ーいままでで一番驚いたことは何ですか?

全米チャートで1位を獲得したこと、グラミー賞にノミネートされたこと、ありとあらゆる賞を獲得したことは、当然ながら、素晴らしい栄誉であると同時に最高の体験でした。でも、生まれてから死ぬまでに経験する人生最良の瞬間は、ステージからARMYのみんなの顔を見ることです。これは決して変わらないと思います。

From Rolling Stone US.


Rolling Stone Japan vol.15
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:カルチュア・エンタテインメント株式会社
発売日:2021年6月25日
価格:1100円(税込)
photographed in Seoul on April 6th, 2021.
Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Hair by Han Som, Mujin Choi, Lim Lee young, Lee Da Eun. Grooming by Kim Da Reum, Seo Yuri, Kim Seon Min. Styling by Kyungmin Kim, Lee Ha Jeong, Kim Hyesoo, Hong Sil, Seo Hee Ji, Kim Hyunjeong. Vs jacket; Sugas T-shirt; Jins top and necklace; Jungkooks coat; RMs jacket and necklace; JIMIN and J-Hopes shirts and jackets by Louis Vuitton.

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