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BananaLemonが新曲で示す、日本の女性に伝えたい強さ

Rolling Stone Japan / 2021年7月2日 18時0分

BananaLemon

BananaLemonが、2021年6月22日に楽曲「Stand up!」と「Precious Love」を配信リリースした。2016年に多国籍なルーツを持つメンバーで結成された4人組ダンス&ボーカルグループ・BananaLemon。デビュー前からSpotifyバイラルチャートTOP10入りさらにSpotifyが選出する今後飛躍が予想される新人アーティスト ”Early Noise Japan”にも抜擢され、日本のみならず欧米を中心とした世界各国で注目を集めている。そんな彼女らにインタビューを敢行。グループ結成までの経緯や新曲、そして「Stand up!」にも込めた女性の力強さを語ってくれた。

ー最初にBananaLemonのグループ名の由来から教えてください。

Nadia:バナナの甘さとレモンの刺激がある酸味のように、楽曲とかうちらの容姿も二面性があって幅広いというコンセプトもあるんですけど…… 実は申年がきっかけです(笑)。猿=バナナのイメージから。

ーグループ結成の経緯を教えてください。

Saarah:以前私が歌のお仕事で知り合った方を通じて、プロデューサーのSTYさんに「ぜひ一緒に何かやりませんか?」とお声がけさせていただいて事務所に所属させていただいたんです。その時はMizukiとダンスチームを組んでいて、渋谷のクラブとかアンダーグラウンドな場所でダンスやバックダンサーをしていました。そんな中、ガールズグループへのお誘いをいただいて。ボーカルがもう1人いたらもっといいなと相談していた時に、前の事務所が開催したオーディションで1位を勝ち取ったNadiaをグループに誘いました。

Lety:私は前のグループが解散したタイミングで、BananaLemonも1人メンバーが抜けてしまった時にSTYさんと事務所の方に誘われて。私も元々ずっとBananaLemonのことをかっこいいなと思って観ていたので、喜んで加入させていただきました。

ー皆さんの武器でもある歌、ダンスを始めたきっかけを教えてください。

Mizuki:私は、小さい頃からテレビを観てモーニング娘。さんとかの真似をして踊っているのが好きだったんです。それをお母さんが見て、一緒にダンススクールに通おうって誘ってくれて。お母さんの影響が大きいです。小学校の卒業文集にも歌って踊りたいって書いてあったりして、昔から夢は変わってなかったですね。当時はブリトニー・スピアーズなどを聴いていました。

Saarah:私もお母さんがきっかけでダンスを3歳から始めました。私は福岡出身なんですけど、お父さんがジャズピアニストで、子どもの時から私も中洲のジャズバーで歌ってたりしたんです。夜中のステージなので眠いし、小さい時は嫌だったんですけど、歌うことは好きだったと思います。父は音楽に対して厳しくて、私も仕方なく歌っていたけど、今となっては感謝ですね。自分がある程度固まってきてからは、歌については放置されています(笑)。小さい頃から常に音楽も流れていたし、ミュージシャンの方とご飯に行くのも普通だったので。音楽が大好きな人たちに囲まれた環境で育ってきました。


Saarah

ーNadiaさんはいかがですか?

Nadia:自分でも分からないんですよね。私はフィリピン出身なんですけど、胎教としてホイットニー・ヒューストンとか、セリーヌ・ディオンをひたすら流していたらしく、そのせいか私も3、4歳ぐらいの時からセリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」を歌えていたし、歌の道のために歩んでいくことは幼稚園の頃から決めていたんです。小学校も中学校も将来歌手になるためにどんな勉強をしたらいいか考えたり、高校も歌の勉強ができる時間をちゃんと作ることを意識していました。

ーDJもされていたんですよね。

Nadia:初めて入った事務所で、歌手志望なのに「DJになれ」って言われて(笑)。単に歌い手になっても引っかかりがないし、歌ってDJすることで他のDJとも差がつくから、歌手としても話題になるかなと思って。でも、DJブースはステージの後ろにあるので前に立てないし、スクラッチしながら歌うのも大変なんですよ。ちゃんとステージに立ちたいなと思ってやめた時に、タイミングよくBananaLemonのオーディションがあって受けたんです。私はBananaLemon歴=ダンス歴っていうくらいにダンスは未経験だったんですけど、まあノれるかなと思っていたら、ガチなダンスをしているリハを観て「あ、間違えた……」と思って(笑)。でも、今はひたすら楽しんで練習してますね。

ーLetyさんはいかがですか?

Lety:家ではブラジルのバイリーファンキーを流してお母さんと友だちが踊っていたりと、常に音楽が流れている環境ではあって。小学校3年生の時に、女の子たちが週末にやってるダンスクラブの発表会を学校のお昼休みにやっているのを観て、私もその時にダンスを始めたんです。小学校5、6年生ぐらいの時にはK-POP、特に2NE1に影響を受けて、ダンス&ボーカルのグループを目指すようになりました。韓国のグループオーディションも受けたりしたんですけど最後までは残れず、17歳の時に日本の事務所からスカウトしていただいて。日本でアーティスト活動する考えはなかったんですけど、日本から世界に羽ばたいたガールズグループはまだいないから、挑戦しようと思ったんです。

ーK-POPがLetyさんに与えた影響は大きかったんですか?

Lety:見たことのないものを見たという感じでしたね。特に2NE1は王道のかわいいじゃなく、一人一人が個性的で。ソロでステージに立っていても負けない感じが衝撃的でした。

ー先日リリースされた新曲「Stand up!」ですが、ラップのところで「サラも言ってた 他人に口出す前に自分の無知に気づきな」というバースがまず耳に残りました。

Saarah:私も「あれ⁉︎ 私の名前入ってる!」って思ったんです。「#Slapanese」っていう曲でも皆でラップをやっているんですけど、その時に自分たちの思いを箇条書きとか歌詞にしてプロデューサーさんに送って、それをまとめてくださったんです。その時に私は、他人のことをあれこれ言ってる暇があるなら、自分のことに集中した方がいいんじゃない? って送っていて。自分のことができてない人の言うことって聞けないじゃないですか。自分よりちゃんとしてる人の方が素直に聞けるし……。というただの愚痴ですかね(笑)。



―歌詞のテーマとしても今の時代の女性の力強いメッセージが溢れる曲ですよね。皆さんも普段から考えていることがこの曲にも反映されているんですか?

Mizuki:これは曲でも歌っているんですけど、自分が好きなことを好きでいたいだけで。かっこいいものだけではないし、綺麗なものも可愛いものも好きだし。ただ好きなものに正直にいたいという、4人の思いも込められていると思います。

Lety:今回の曲に限らず、BananaLemonの曲って、例えば恋に落ちてる曲でも最後は男の人を蹴っ飛ばしちゃうんですよね。大きなテーマとして私たちが女性として強くあることというよりも、普段からそもそも自分たちが弱いとは思わずに生きているんじゃないかなと思いますね。

Saarah:インディペンデントウーマンというテーマもありますし、ガールズグループなので女性同士で支えられる瞬間は4人で一緒にいていつも感じていますね。

Nadia:どっちかと言うと海外思考というか。日本の女性って、ルールや環境によって、まだ弱い立場ではあるから。うちらの今までのコンセプト的には、女だけで強くたくましく生きていこうよみたいな部分もあったんです。でも「Stand up!」に関しては、初めて弱い女性も立ち上がれるために寄り添うテーマもあって。うちらのパワーを与えて、救えるようにみたいな。

ーそう考えるきっかけがあったんですか?

Nadia:例えば最近問題になっていた生理に関する貧困の話ですけど、ナプキンがないつらさって男性は経験できないわけじゃないですか。でも女性の中なら理解できるし、皆でそれを助け合っていきたいなという意味もあって。女性に関する社会問題に対しては、一緒に考えていきたいですね。元々ある女性に対しての常識やルールってもう古いと思っていて。最近"風の時代"が始まったことだし、BananLemonを筆頭に新しく時代を作って、女性がもっと生きやすい時代になったらいいなと考えてます。


Nadia

Saarah:今回、歌詞の中でも「Stand up girls」って言っているんですよ。女性に対しての応援メッセージとか、歌詞にたくさん書いたよね。

ー女性問題を始め、現在の社会に対する意識もお持ちなんですね。

Lety:私も結構Twitterで色々な問題を追いかけているんです。何かの問題やそれに対する意見を見て、それが正しいのか間違ってるのかって自分の中でも戸惑うことってめちゃくちゃ多いんです。でも、私の中で自信を持って言えるのは、皆それぞれ違うっていうことで。性別だけじゃなく、貧困だったり、障害の有無とか含めて、マイノリティの人ってたくさんいるじゃないですか。例えば自分はこういう問題があるけど、他の人は違う問題を持っているかもしれない。そこに気づいてあげたり、気配りすることが最終的なゴールなんじゃないかなって思いますね。結局、お互いに思いやりを持てばいいだけの話だと思うんです。どんなところにも色々な問題があって全て解決するのは難しいけど、ネットでもいいからやっぱり声に出して発信する方がいい。少数派が発信していって、どれだけ仲間を集めて大きくして、どれだけ皆に見えるようにするか、やらなきゃいけないことだなと思いますね。

Mizuki:女性問題に限らず、Black Lives Matterとか色々なことに対してこの1年で色々な意識が高まったけど、これって私が発言していいものなのかなって考えることがあって。Black Lives Matterで色々知った時も、日本人の私が当事者の本当の立場にいってあげることはできない。でも、私の周りのメンバーとか芸能関係の知り合いは、そういう問題に対してたくさん考えているし、私みたいに発信していいのか悩んでいる人も多くて。私の周りでは環境や差別の問題を常に考えていることが当たり前と思っていたけど、例えば地元に帰ったりした時に、こんなに何も考えてない人もいるんだって思うシーンがたくさんあるんですよ。悲しいニュースを一緒に観ていても気に留めないし、それに対してアクションするわけでもなく、へーで終わっちゃう人が日本にはまだ多くて。

Lety:平和に慣れちゃってるんだね。

Mizuki:自分の考えを近い人に話すのがいいのかなと思うんですよね。それが一番伝わるし、私の周りには私の話だったら聞いてくれる人がたくさんいる。実家や地元で何気ない話をしている時も、世の中で起こっている問題とかそれに対する自分の考えも最近は言うようにしていて。小さいことだけど、それが自分の中で大切かなと思います。でも、BananaLemonっていうグループに所属しているからできることももちろんあるし、私たちが「Stand up!」みたいな曲を歌うことによって、女性の問題に触れてくれる人もたくさんいると思うので。アーティストとしてできることと、一個人として変えられることを並行してやっていきたいなって思ってます。


Mizuki

ー「Stand up!」のダンスの見所はどういった点でしょう?

Nadia:誘拐やDVに遭っている時、犯人に知られないようにさりげなく周りの人に送るSOSサインがあって。掌を広げて、親指を曲げてから掌の中で握り込むんですけど、その振りを今回さりげなく入れてみました。

Saarah:全体的に見ていて楽しくなるような振り付けにはなっています。その中でも、サビの「Stand up girls」の部分で、お客さんと一緒に手を上げていきましょうみたいな振りでハンドサインを入れてるんです。

ー同時に配信した「Precious Love」は一転して本格的なバラード曲ですね。

Nadia:ミドルバラードはあったんですけどね。今回は私とSaarahのリードボーカル二人で歌っていて。愛の歌を歌うのも初めてだし、こんなに歌い上げるのも初めてですね。歌い上げる曲は最近少ないと思うし、今の時代はあまりないと思う。デスティニーズ・チャイルドの「Stand Up For Love」で、ボーカル2人がうわーって歌い上げていた感じでやりたいなって思って。BananaLemonは歌も武器だし、2人でハモりのかけ合いもあるので、ライブでも観てほしいですね。

Lety:ワンマンライブの前のリハーサルで2人が練習してるのを見ると、私とMizukiちゃんが「はー……。 もう1回歌ってもらっていい?」って言うぐらい、圧倒されるんです。2人のボーカルは伝える力があるので、私もずっとうるうるしながら見てましたね。「Precious Love」は、2人の歌唱力がしっかりと発揮される曲になっているなって私から見ても思いますね。

ーBananaLemonの目指す方向として、日本だけに収まらずワールドワイドに活躍するというのは意識されているんですか?

Saarah:そうですね。4人とも海外のアーティストから受けている影響が多くて。2年前にカリフォルニア州のサクラメントでライブをさせていただいて、その時の感触がだいぶよかったので、ワールドワイドに活躍したいと実感したんです。

Lety:アメリカの女の子たちの方が声をあげようという気持ちが大きいせいか、私たちの曲に対しする共感と手ごたえを感じました。ぜひ日本の女の子にももっと自信を持って、自分のことを好きになってもらって、声を上げる勇気を持ってほしいなって思いますね。だから英語が多いですけど、日本語で歌うわけですし。


Lety

ーMizukiさんは海外の音楽やファンを意識したりされているんですか?

Mizuki:日本も含めて世界で流行っているものはオールジャンル、トレンドを押さえておこうとは常に思ってます。今何が流行っているのかを敏感にキャッチすることが大事だし、国境も何も関係なく、いいものは聴こうと思っています。最近びっくりしたのがKing & Princeさんの新曲って全然これまでのジャニーズっぽくなくて。日本だからこうじゃないといけない、みたいなのもいらないし、それが無くなれば日本の音楽シーンももっと盛り上がっていくと思っています。日本の音楽の中でも国境がやっと取れてきたと感じているので、BananaLemonもここがチャンスだって思いますね。

ー世界で活躍する方はどんどん増えてきていますよね。その中で、BananaLeomonもYouTubeの動画に海外からのコメントも多く見られますが、少しずつ海外にも浸透していっている実感はありますか?

Nadia:むしろ日本より海外のからのコメントが多いですよね。ライブは日本でやることが多いし、ライブの日は来てくれた日本のファンの人たちと交流するけど、基本的にメッセージは海外の方が多いですね。

ーアジアに代表されるような歌って踊るグループの文化は現在、BTSなどK-POPが世界で通用するようになってきて。皆さんも世界を目標にした歌って踊れるグループですが、K-POPに対して意識しているところはあるんですか?

Saarah:K-POPはK-POPの努力があるし、BananaLemonとはジャンルが全く違うと思っていて。個性よりはチームのテーマとか全体の揃え方があって、その中で彼・彼女たちはやっているわけじゃないですか。頑張らなきゃいけない環境の中ですごく頑張ってるから尊敬ですね。ダンスも歌も修行しているし、日本よりK-POPの方が修行する時間が長いので。どちらかというと、我々は各メンバーの個性を大事にしていくという点で、2NE1は結構近いかなと思います。

Lety:BIGBANGとかも、同じ振りを踊っても全員違うように見えるのがカッコ良かったりしますよね。でも、私たちはまだそこまで世間に知られていないし、YouTubeに動画を載せても揃ってないって言われることがあったりするから。そこにも視点を合わせつつ、自分たちの個性が消えないようにバランスをちゃんと保つようにしてます。

ーグループとしての今後の目標はありますか?

Nadia:発信は常にしていきたいです。それが曲ならダンスや歌の表現で、少しでも影響やパワーを与えられるようなことはずっとしていきたいですね。

Saarah:今回のリリースをきっかけにもっといろいろ発信しなきゃなって、私たちも勉強になったというか気づかされたしね。コロナも落ち着いたら、色々な国でライブをして交流しに行きたいです。

ー今は海外も行けないし、ライブの制限も依然としてありますしね。

Nadia:皆工夫してますよね。掛け声アプリを制作中らしいので早く作ってほしいけど、でも、その前にコロナが終わってくれれば一番いいですよね。自分の声で聴きたいし、言いたい。

Lety:ライブを楽しむ醍醐味の声が出せないのってしんどいなって思いながら観てますね。皆の声を聴くのも自分にとって気持ちいい瞬間でもあるし、早く良くなってほしいですね。マスクがあると皆の表情が見れなくて寂しいけど、その中でもライブができることが本当に幸せなので、感謝しつつも早く良くなってほしいなと思います。

ー7月には楽曲「Fuego」もリリースされますが、ピアノのラテン調のフレーズがすごく印象的な曲で力強さもあるし、ライブで弾けそうな曲ですよね。

Lety:これは灼熱の太陽の曲なんですけど、部屋で赤いLEDライトを点けて雰囲気を作って書きました。その中でNadiaさんと電話で2人で話し合いながら作りました。一夜で終わったら悲しいけど、一夏の恋っていうのをイメージして作りました。ラテンの情熱的な雰囲気を出したくて。恋愛の曲はBananaLemonにないので、2人でめっちゃ恥ずかしくなりながら書きました。

Nadia:一応テーマはラテンの熱く燃える恋なので、ラテンの言葉も入れたいなと思ってFuego(スペイン語で太陽の意味)にしました。聴いてても楽しくて、血が騒ぎます。改めてめっちゃラテン好きだなと思いました(笑)。

Saarah:歌詞が今までの中で1番過激、ギリギリのラインで書いてみたので、それに合わせてダンスも過激に踊らせていただこうかと(笑)。楽しみにしててください。


<リリース情報>



BananaLemon
楽曲「Precious Love」
現在配信中
URL:https://linkcloud.mu/26eef48a



楽曲「Stand up!」
現在配信中
URL:https://linkcloud.mu/42908d3d

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