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バイきんぐ、2年ぶりの単独公演と結成25周年イヤーを語る

Rolling Stone Japan / 2021年7月15日 20時0分

左から小峠英二、西村瑞樹

お笑いコンビのバイきんぐが、2021年7月17日と18日の2日間、東京・日本教育会館一ツ橋ホールで単独公演「STRAIGHT」を開催する。

今年で結成25周年を迎えるバイきんぐ。2020年はコロナ禍の影響で開催できなかったものの、今年は2年ぶりに毎年開催していた単独公演を開催。オール新作ネタを用意し、さらには現在の情勢を踏まえてのVRでの生配信という新たな試みも行う。そんなライブを控えたバイきんぐにインタビューを敢行。若手時代のエピソードから、東京と大阪のお笑い、控える単独公演前の近況を訊いた。

ーバイきんぐは今年結成25周年ですね。そもそもお二人が芸人を目指そうと思ったきっかけってなんだったんでしょう?

小峠英二(以下、小峠):僕は小学校の頃からお笑い芸人になる、って言っていましたね。きっかけはドリフターズとか、小学校の時は『元気が出るテレビ』(日本テレビ系)みたいなバラエティ番組を観るのが好きだったり、友だちを笑わせるのが好きだったりして。

西村瑞樹(以下、西村):僕も同じ世代なので、ドリフも『元気が出るテレビ』も、あとはコント番組の『夢で逢えたら』(フジテレビ系)がすごい好きで。遅い時間帯に放送していたので、早く寝ろって怒られながらも観ていた思い出があります。高校の時に文化祭で漫才をして、それ以降もやってみたいなと思いましたね。

ーその後お二人が教習所で出会われて、大阪のNSC入学、コンビ結成という流れですよね。出身が広島と福岡ということで、大阪出身じゃない人がお笑いの本場である大阪に行かれましたが、関西の人が多い中で肩身の狭さは感じていたんですか?

小峠:僕は大阪に行ってから、一応なんちゃって関西弁を使うようにしていたんですよ。でも、イントネーションとかも全然違うし、「どこの人?」とかって言われたりはしていましたね。別にそれが嫌とか、やりにくいとかっていうことではないですけども。

西村:僕は中1から兵庫県に住んでいたので、やりづらさは特別感じなかったですね。小峠の大阪弁はめちゃくちゃ変でしたよ(笑)。ところどころ博多弁みたいなの出るから。

ー大阪でNSCに通われて、東京にはどのくらいの期間で移られたんですか?

西村:大阪には3年しかいなかったですね。大阪だと、ライブで若手芸人の中から出演するための枠をもらうために、自分たちで手売りするチケットを主催者からもらわなきゃいけないんですけど、もらうのにも前の日の夜から芸人が並んで溢れて。

小峠:あれ考えたらすごいな。前の日から並んでたよな(笑)。

西村:心斎橋筋2丁目劇場の階段のところで並んでたんですよ。交代で並んで、実際にライブに出てもランクが分かれていて、上に行かないとレギュラー出演枠がもらえないとか。あと、松本(人志)さんの書籍『遺書』(朝日新聞社刊)にも書いてあるんですけど、大阪の芸人は大阪で売れてから東京に進出して、また0からやって2度売れないといけないみたいなことがあったから。じゃあもう東京行こうって小峠から言ってきたんです。

ー小峠さんは東京でやることに憧れはあったんですか?

小峠:東京への憧れというよりも、大阪にこだわってなかったですね。でも、東京に来ても全然ダメでしたね。

西村:大阪の時に同期の芸人だったやつらは、東京に来てすぐ、ワタナベ(エンターテインメント)に入って。そのツテでナベプロに入ったら、最初は調子よくてすぐ深夜の『虎の門』(テレビ朝日系)っていうテレビ番組に出させてもらったんですよ。でもナベプロを辞めて吉本に戻ったり、フリーの時が3年くらいあったんです。そこからSMAに入って『あらびき団』(TBSテレビ系)に出させてもらったのが、8年振りのテレビでしたね。その8年間、一切テレビに出てなかったです。

ー大阪と東京ではお笑いの文化やウケるものの違いって感じられたりしましたか?

西村:大阪は吉本の劇場しかないですからね。東京は色々なところに劇場もあるし、色々な場所でお笑いのライブがあるんだなっていうのにびっくりしましたね。よくわからん人がやってるライブとかあるんです。

小峠:そこらへんのおっさんがやってるやつな。

西村:ほんでなんかノルマだけは取られて。結局、話によるとその主催者がそのノルマでハワイ旅行に行ったって(笑)。

小峠:金だけ摂取されて。ひでーな(笑)。

ー小峠さんは東京と大阪のお笑いの違いについてどう感じられますか?

小峠:あるのかなあ? 大阪だと事務所は吉本か松竹かってなるわけですよね。東京は本当に大小様々なプロダクションがあるので、受け皿は広い気がしますけどね、あとは、大阪だとやっぱり関西弁ありきみたいなところがあるんですけど、東京はU字工事とか博多華丸・大吉さんみたいに色々な方言が飛び交ったりしている。そこが違うかもしれないですね。あれが例えば大阪だったら、そこまで受け入れられてはなかったんじゃないかなって思います。東京はいろいろな地域の人や方言を受け入れる土壌が違うような気がしますね。

西村:さっき小峠が関西弁を喋るようにしてた話があったけど、それは漫才だけで。コントをやる時だけは、最初から僕ら標準語でやっていたんですよ。標準語の方がおもしろそうだなって。だから、東京に来てコントをやる上では全く違和感がない感じでしたね。

ー若手の時は漫才も結構やられていたんですか?

小峠:いや、最初の1年くらいですね。

西村:いや、もうちょっとやってるって。東京来てからどこにも所属してないフリーの時にシアターDとかで漫才もちょっと戻したりしてた。でも、ちょっとだけですけどね。

ー今でこそ、バイきんぐのネタはコントがメインだとは思うんですけども、コントでやっていこうと思ったきっかけがあったんですか?

小峠:きっかけは特にないんじゃないですかね?

西村:吉本に入って最初は漫才やってたんですけど、若手が出る2丁目劇場で全芸人コントしかやっちゃダメってお触れが出たんです。野性爆弾さんとかNSC13期の人たちも全員コントしかやっちゃダメみたいな。だから僕らもコントやったんだと思います。



ー制限があったからコントを始めたと。昔はボケとツッコミが逆だったんですよね?

小峠:元々ボケとツッコミが逆だったんですけど、今の僕がツッコミになってから西村がボケボケしいやつはやってないかもしれないですね。僕がボケの時は、僕がめちゃくちゃしっかりボケていましたね。ボケとツッコミを変えてからの方がウケるようになりました。

西村:僕はツッコミと言っても、ただリアクションをしていただけですからね。バシっと叩いたり、なんだこいつみたいなツッコミじゃなくて「なんですかそれはー!」とか驚いてるだけですからね(笑)。だから、別に僕としてはやりづらいとか、そういうのは全くないんですよね。こうやってくれって言われた通りにやっているだけですから。

ー小峠さんはネタを作る時に何か意識していることはあるんですか?

小峠:設定ですね。葬式とかラーメン屋とかなんでもいいんですけど、よくある日常の設定を誰も切ってない切り口でやるというところですね。だから、宇宙とか死後の世界とか、ファンタジーはやらないですね。完全に設定を作って西村に渡します。

ー昔は西村さんの方からネタを提案したりということはあったんですか?

西村:1年目とかだったら、あったかもしれないですね。2人でファミレスで考えていた時期はあったけど、5時間ぐらい僕が何も喋らないみたいなのがあって(笑)。それで小峠が業を煮やして、俺1人でやるわって言って(笑)。

小峠:ははははは!あれ無駄だよなあ。今考えたら(笑)。

西村:俺も悪かったんですね。ファミレスに行って、何もネタ出さないのに調子に乗ってエスカルゴとかディアボロハンバーグとか食ってたんですよ(笑)。その一方で、小峠がずっと考えてるみたいな。

小峠:チーズハンバーグぐらいまでよな、許せるのは(笑)。ディアボロまでいっちゃうとこっちも腹立つよな。

ーそうやって作り続けてきたコントを存分に楽しめる単独公演「STRAIGHT」が2年ぶりに開催されますね。単独公演はほぼ毎年やられてきていたんですよね。

西村:去年だけできなくなっちゃって。それ以外は毎年ですね。

小峠:単独公演はテレビでやるネタを一気に作ってる感じですかね。毎年9本ぐらいなんですけど、それを徐々に出していくというか。ネタ番組のオファーが来た時用に試す意味合いもあります。

ー西村さんは久しぶりの人前ですごく緊張するとコメントを出されてましたね。

西村:コロナ禍でネタ番組も無観客になったので、間違ったり噛んだら、その部分だけもう1回やりなおしたりできたんですよ。でも、徐々にコロナ禍が収まってきた時に、観客席を減らして20人ぐらい入れる時があって。その時にむちゃくちゃ緊張したんですよ。単独はお客さんの入りが全然違うのでやばいですね。

ー毎回公演前は緊張されるんですか?

西村:初日の最初はやっぱり緊張しますね。ネタの1本目はどうしても噛みがちですね。

小峠:やっぱり毎年緊張しますよ。これだけやって慣れないんだから、慣れないものなんでしょうね。テレビはうける、うけないの緊張とかあると思うんですけど、単独公演だと僕はやっぱりセリフを飛ばさないかとかの緊張ですかね。

西村:テレビ番組収録の観覧客はタダで来てるじゃないですか。でも単独公演は皆お金を払って来てるわけですよね。どう笑わせてくれるんだい ?今年はどうなんだい? みたいな感じで観るわけで。それはやっぱり緊張しますね。

ー先ほどもちょっとお話に出ていましたけれども、コロナ禍で観客の人数が制限されたり、無観客の配信だとお客さんの反応が分かりづらくてやりにくかったりするんですか?

西村:無観客はむちゃくちゃやりづらいですね。無観客の収録だとここで笑い声入れますとか言われるんですけど、どこで入れるんだっけ?ってなるし。やっぱり生の反応があるところでやりたいですよね。気持ちもノッて来ないですから。たぶん演者の声の大きさとか、全然違うと思いますよ。

ー小峠さんはいかがですか?

小峠:やりにくいのかな? どうなんだろう……。

西村:20人とかあったじゃん。ネタ番組とか。

小峠:じゃあ、0の方がいい。無観客は気が楽だよな。そんなことない?

西村:それは撮り直しができるからでしょ(笑)。

小峠:あーそっか。でも西村が言うほど、俺は無観客そんな嫌じゃないけどな。

西村:俺なんか、どこで笑い声入れるってのもよく分からないから、どこで笑い待ちしていいか分からないというか。

スタッフ:漫才師は漫才をやりつつお客さんの笑いを聴き取りながら話を伸ばす。コント師だと台本がしっかりあって、それを演じる方がベースになっているので。漫才よりはお客さんに極端には左右されない。さっきみたいに漫才の台本の中に笑いを足しますって言われると、1個割り振りが増えるので困惑するってことだと思います。

西村:それはありますね。

スタッフ:たぶん小峠が意外と無観客でもいいって言ってるのも、自分の間でしっかりやりきれるからそんなに気にならないっていうことかもしれないですね。

小峠:西村は笑い声とかを気にするからじゃない? 俺は気にしたことない。



ー西村さんはお客さんの反応も気にされるんですか?

西村:なんか(笑いを)待たなきゃいけないって思うから。

小峠:関係ねーよ(笑)。俺は西村の今の話を聞いていて、そんなの意識したことないし嫌がってもないし、やりにくいっていうのはないですね。

西村:逆に客席間引いて20人とかだったら、20人の笑いだったらウケてない感じに聞こえちゃうというか。舞台との距離も空けてるし、なんかやっぱり嫌でしたね。

ー今年の単独公演の話に戻させていただくと、お互い今すごく忙しくされていらっしゃる中で練習時間とかネタを考える時間を作るのは大変じゃないですか?

小峠:仕事前、朝早めに起きてやったりしてますけどね。ネタは全部上げるのに3ヶ月くらいじゃないですかね。

ーネタが上がってきた後に2人のスケジュールを合わせて練習の時間を作るのも大変そうですね。

西村:前までは事務所でやったり、事務所の部屋がとれない時はカラオケでやったりしていたんですよ。でも小峠がカラオケボックスは嫌だということで、今年からZOOMでネタ合わせが始まるらしいんですよ(笑)。

小峠:カラオケはもう本当に嫌だよ。僕らテレビ出る前からカラオケでやってたんですよ。世に出て飯が食えるようになってまで、なんでカラオケでやらなきゃいけないのかすごく嫌で。何日か前にハナコと仕事が一緒になったんですけど、「ネタ合わせとかどこでやってるの?」って訊いたら、「事務所とかでやってる」って言って。「俺ら事務所でやりたいんだけど、部屋とれない時カラオケとかでやってるんだよ」って言ったら、「え、まじっすか⁉︎」って驚かれて。今になってカラオケでやるってそんな話ないよなって思って。今はコロナ禍になって、リモート会議、リモート打ち合わせが当たり前になってきたから、リモートでネタ合わせもできるんじゃないかと思って、まだやってないですけど、カラオケ行くぐらいだったらリモートでネタ合わせしてみようって思ってますね。

西村:小峠はネットとか全然詳しくないんですけど、まさかこいつの口からリモートでネタ合わせの話を持ちかけられると思わなかった。リモートは打ち合わせとかはめっちゃ楽だけど。

小峠:とにかくもう、カラオケは行かないですね。俺テンション下がってたもん。

西村:よくないか。何も考えてなかったけど、金だけ減ってくなって。

ーコロナ禍以降、例えばドラマとかでも、マスクをする日常を描く描かないという話もありました。コントの設定は日常を描かれていると仰っていましたが、今回の単独公演では、コロナ禍以降の日常も盛り込むんですか?

小峠:いや、盛り込んでないです。昔からそうですけど、僕らのネタは流行り廃りを入れないようにしていますね。それは僕が意識して入れないようにしているので。

ー今回VR配信もされるということですが、お笑いのVR配信ってあまりイメージがつかないです。

スタッフ:そもそもはコロナの影響で来れないお客さんも多いだろうし、劇場に来ることにストレスがある方いっぱいいると思うんです。そういう方に向けて、好きな場所にいながらにして劇場に来れるというデバイスがVRで。劇場の1番いい席にカメラを置いて、そこからバイきんぐの2人が袖から出てくる様だったりを劇場にいるみたいな感じで見れる。海外で何件か例があったんですけど、よくよく見回してみたら芸人さんではかなりレアなんですよ。生配信で会場に来れない人もいるこのご時世にはぴったりじゃないかということで、今回はお試しでやってみます。普通の配信もするんですけど、会場にいる没入感で2人のライブを楽しんでもらいたいなと。

ーVRを通して見たら、エフェクトが出るとかではないんですか?

スタッフ:舞台のライブをそのまま、そこにいるかのごとく見せるのに集約しています。そこに変な演出を入れるとかは一切ないです。会場にみなさんが来たということで観てもらいたいですね。地方の方も見れますしね。

ー最後に、今回の単独公演の注目ポイントを教えてください。

小峠:今までの単独ライブではネタ自体が1番パンクだと思います。それはなんかそう思いますね。昨日まで別にそこまで思わなかったんですけど、昨日初めて台本渡して、ここでネタを一通り読んだ時に、結構なもの書いてるよなっていう。

西村:パンクなの? デスメタルじゃないのかな(笑)。

小峠:いやいや、パンクだよ。でも、たぶんそれはそうですね。尖ってるとか、イキってるとかっていう言葉より、1番パンクって言葉がしっくり来るかもしれないですね。

西村:今までの単独公演はトランプの役をタイトルにつけてきたんですけど、別に意味はないんですよ。今回はたまたまストレートなんですけど、「STRAIGHT」は初めて意味を持ってるんじゃないかな。パンクでストレートなネタじゃないのかなって感じがあります。




<公演情報>



バイきんぐ
単独ライブ「STRAIGHT」ライブ配信

2021年7月18日(日)
時間:17時00分開場/17時30分開演
アーカイブ配信:ライブ配信終了後〜2021年7月25日(日)23時59分
ライブ配信VR視聴付チケット:3000円(税込)
※ライブ配信は通常の配信とVR配信を2種視聴可能
※VR配信はライブ配信のみ、アーカイブ配信はなし

チケット販売期間:〜7月25日(日)21時00分まで
チケット購入URL:https://eplus.jp/viking-straight-ol/
視聴URL:https://blinky.jp/contents/20210624_134149.html

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